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魔王が逃げて、何が悪い?  作者: 冬野ゆすら
第二章 
37/64

2-18 おまえの主の顔に、泥を塗るような真似はしないさ

「イーリス様、おかえりなさい。点灯式、終わってしまいましたよ」

「どこ行ってたんだよ、すごかったんだぞ、小さい子供たちが頑張っててさー!」

 舞台を堪能したらしい二人が口々に話しかけてくる。焦るなと笑いながらそれに応え、こちらからは蒼夜のことを簡単に教えた。本当は会わせた方が早いのだが、何れどこかで出会ったときに、と言われてしまっては強制出来るものではない。


「……そう言えば、誰がメモリアか、教え忘れたな」

 せっかくそれを餌に契約を結んだのに、これでは契約不履行だなと額を押さえる。試しに雀鷹を使ってみようと思いつくが、夕闇の腕に留まって幸せそうに撫でられているところを見てしまったら、その気も失せた。祭の間は町に留まるようだから、明日でもいいだろう。


「──苦労人はどうした?」

「主が困る頃合いだからと言ってましたから、貴賓席だと思いますが」

 そうか、とイーリスは頷くに留めて舞台を見た。劇場の一角を占める楽団の全貌が明らかになっていて、先ほどまでの比ではない、大規模な管弦楽団がそこにいた。


「流石、国を挙げての祭りは規模が違うな」

 懐かしい思いで、弟子入りしたころのことを思い出す。手が空いた者がいて皆の気が向くと、演舞よりも合奏の練習になっていたこともある、そんな自由な空間で先達に鍛えられて、師範代までは行ったのだ。あのころは武闘演舞のような制限がなかったから、師範の資格を得たら流派設立も可能だったが、それは固持していた。

 型を一見で覚え、知らぬ曲でも踊ってみせる、それを皆は誉め称え、感心していたが──本人からしてみれば、それはただの曲芸なのだ。器用だから出来るだけで、他人に教えるほどの技量ではないと考えていた。だから、あくまで同じ流派の仲間に、請われれば型を教え、他流派であれば基礎の型程度は見てやっていた。実はそれは才能であって、妖魔だから、器用だからで出来ることではないと知ったのは、いつのことだったか。

 懐かしさに浸っていると、演奏が始まった。曲の宣言は聞こえなかったが、曲は四拍子──その勇ましさから、行進曲だと見当がつく。


「左右両端から出てくるぞ。前奏が終わると同時に打ち合って、後は曲に合わせて踊りながら相手を狙う。──決まった振り付けもあるが、ほぼ即興だそうだ」

 如何に優雅に、如何に力強く、如何に美しく。それが求められるのが舞踊武闘だと、蒼夜は言っていた。


「あ」

 告げたとおりに踊り手が出てきてアヴィが息を呑む。解説も出来るけれど、夢中で見ているその様子に水を差すこともないだろうと、自身も観戦に集中することにした。

 一合目──これは合図のようなもので、両者はすぐに距離を取った。

 規則正しい律動で演奏される行進曲に足を乗せ、身体を乗せて互いが踊る。相手の舞に乗せられぬよう、全神経を集中しながら。打ち鳴らされる銅鑼、太鼓──時にはそこへ、重厚感を醸し出す太い音色も重ねられ、舞台の演者を打ち合いへと誘い込む。

 曲に合わせて剣を掲げ、うちかかる所作も華麗に素早く。またそれを避けるも受け流すも、最初から決まっていたかのように鮮やかに、優雅に魅せる。

 剣を抜き、打ち合い、離れる。時に打ち合いが続いて、それでも──離れて。打ち合わないときは、まるで騎手のように剣を掲げ、鮮やかに振る剣舞を披露する。

 決勝と言うだけあって、両者の力量は相当なものだということは間違いないし、単独での舞はすばらしいのだろうとも思うのだけれど。


「──もの足りん」

 イーリスは呟いた。

 演奏されている曲を、イーリスは知らない。つまりは、新しい曲なのだろう。ことによると、武闘演舞のために作られたかもしれないそれは、悪くない。むしろ、この曲に合わせる軍隊の行進を見てみたいと思うくらいには、気に入った。

 だが──それはたぶん、行進曲としての視点であれば、だ。

 イーリスは、舞踊武闘のために作られた行進曲を知っている。見せ場をいくつも盛り込んだその曲は、実際の行軍には不向きだと、作曲者自身が認めるほどで、奇想曲として世に出すべきだったと笑ったという逸話がある。

 そして彼らは──イーリスのいた一門は、まず完璧に踊れるようになるとその後、その見せ場を(・・・・・・)敢えて外し(・・・・・)新たな見せ場(・・・・・・)を、より複雑な(・・・・・)舞を魅せること(・・・・・・・)を命題とする奇人が多かった。だから、知らない曲なのに(・・・・・・・・)打ち合いが読める(・・・・・・・)ような行儀のよいそれが、武闘演舞という勇ましさに相応しいとは思えなかったし、洗練された優雅な舞にも見えなかった。


(…ああ、そうか。両方、か)

 先が読めるから、勇ましさは半減し、優雅さはそもそも足りていない。興醒めもいいところ──だ。

 すれ違いざま、打ち合いが一合。それだけで離れて、剣を振っての舞を見せる。大きく、優雅に振るわれる長剣は、確かに見物だ。

 けれどあれなら、と内心での呟きが止まらない。

 自分の方がやれる。もっと派手に、もっと早く、もっと──そう、勇ましく。一撃離脱ではなく、幾合もの打ち合いへと引きずり込んで、観客を沸かせられる。ああ、そうだ。行進曲なのだ。足並み乱す愚か者を、乱入者を炙り出し、同じ枠まで引き上げて──その上で、切る。自分ならきっと、それが出来る。


「イーリス」

「イーリスさま」

 二人が同時に、イーリスに呼びかける。夕闇はその背に抱きつき、アヴィはその腕を抱えるという大仰な仕草で。

 そして、ちょいちょいと夕闇がイーリスの頬をつつく。


「全部聞こえてますよ。…アヴィには私が流しましたが」

 え、とその手を避けながらイーリスは思い出す。通信手段だと言って、何かされたことを。


「お前なぁ……」

 ぼやくイーリスに、夕闇はにっこりと微笑んで、現実を突きつける。


「普段の思考が漏れるようなものではありませんよ。こちらの声を届けるためだけの術ですから。わざわざ制限をかけてあるのに、それを越える思念を流さないでくださいね」

 うぐぐと言葉に詰まるイーリスに、アヴィが吹き出した。イーリスが説教されているのだ。しかも、反論出来ない正論で。まったく、夕闇の言うことが事実なら、せっかくの配慮を無駄にするだけの熱い思いで、要は叫んだということになるのだろうか、と。しかも、夕闇が嘘を言う理由はない。


「わかる気はするけどな」

「ええ。…まあ、同意ではありますけれど」

 ぎゅっと力を込めてイーリスを抱き締める夕闇と、甘えるかのようにその膝を顎を乗せるアヴィに、イーリスが戸惑う。


「せっかくのお祭りです。…一緒に楽しみたいと思いませんか?」

 畳みかける二人に違和感を感じ、ふと──意味ありげな視線の先を辿る。そして──理由を思い出し、苦笑した。

 そうだな、と夕闇に手を伸ばし、その頬をぺろりと嘗める。驚きはするものの逃げない夕闇はそのまま、アヴィの頭をくしゃりと撫でた。ふん、と鼻で笑ったような声が聞こえた気がした。

 おもしろいな、とイーリスは思う。一人旅のころ、滞在する町に一人や二人は気の合う友人もいたけれど、こんなふうにじゃれ合うことはなかった気がする。もちろん、流れ者だからとある程度、一線を引いていたという現実はあるが。

 面白くて、楽しい。──アヴィだけを連れにしていたら、味わえなかった楽しさだろう。だから、夕闇を拾ったのは正解だったなと笑う。

 思えば最初から、遠慮がなかった。残滓だと自分を蔑み、飼えと迫り。しかしそのくせ、人間に対する面倒見はいいし、アヴィのこともよく見ている。ああ、そう言えばあの羊、わざわざ持ってきたのか。愛人を装うことを了承したくせに、アヴィの贈り物をおいておくというのはどうなんだろう。だがあれが好きだといういうなら、もう少し幼い子供として現界させてもよかったかもしれない。それだったら、こんな面倒なことにならずにすんだだろうに。ああ、それにしても、姿形は夕闇の魂そのままに仕立てたけれど──思った以上に、美しい。


「──っっ」

 真っ赤になった夕闇がイーリスから離れ、奥の寝椅子に戻って羊を抱き締める。それに気付いたアヴィが身体を起こし、イーリスを見上げた。


「……何やったよ?」

「仕返し?」

「何で疑問系……」

 イーリスはそれ以上言う気もなく、舞台に目を戻した。──が、既に演目は終わってしまったようだ。

 演者二人は、大した怪我をしていない。曲合わせて真剣をふり、打ち合うのだから──よほど力量に差がなければ、互いに無傷とはいかないはずだ。

 観客はと周囲を見れば、──その空気は醒めている。


「物足りないって、俺も思ったからな」

 アヴィが呟いた。きっと、夕闇も同じだろう。蒼夜に感想を聞いてみたいところだが、流石にこの状態で雀鷹を飛ばすのは気が引ける。

 だが──だからこそ、審判の結果を聞いて笑った。


「この試合、──引き分けとする!」

 わぁという歓声と拍手が、劇場に響く。つまりは、観客も同じく物足りなさを感じていたということだろう。

 だが、ありなのかそれは、というのがイーリスの正直な感想だ。確かに点数式で競うのなら、同率は有り得る。しかし、これは同時に勝ち抜き戦だ。引き分けとなると、この次の試合はどうなるのか?

 歓声が収まった頃を見計らい、それが告げられた。


「引き分けのため、規則に従い再試合とする! 希望者は申し出よ! 両名と仕合う権利を与えよう!」

 アヴィと夕闇が警戒したかのようにイーリスを捕らえるが、流石に勝手の分からないままで名乗りを上げる蛮勇は持ち合わせがないし、何よりそれを待っていたかのように、舞台上に躍り出た舞姫がいた。


「胡国より、舞姫・シラー!」

 薄青のゆったりとした胡服を身に纏う妙齢の美女だ。曲目は決まっていたのか、すぐに楽団の演奏が始まった。

 対するは、引き分けとされた二人ともに、である。

 胡国の曲だろうか、ゆったりとした曲に載って舞姫が舞台を巡る。距離は相当にあったけれど、二人の対峙者はすぐに距離を詰め、しかし舞姫は優雅な舞を崩さぬままにその剣を撥ね退けた。

 当たり前だとイーリスは思う。舞姫の構える武器は半月刀、それも二刀流である。乱戦を意識したその選択に敵うくらいなら、引き分けとなる判定など出るはずがない。

 剣を飛ばされた一人は悔しげに舞台を降りる。歓声は舞姫に向けられて、残った一人は──曲には乗らず、ただ拍子だけを刻んでいた。

 舞姫に切りかかり、しかしところ狭しと廻る胡旋舞に、その翻る袖に翻弄されて距離を取らされる。それを追って舞姫が切りかかり、避けたそこへ残る一刀を振り下ろす。

 膝をついた男は、そこから最大限に跳ねて距離を取ろうとしたけれど──見事な跳躍を見せた舞姫に先回りされ、剣を弾かれた。

 からからと音を立てて、剣が舞台を滑っていく。

 ほぼ同時──曲が終わった。


「勝者・舞姫シラー!」

 先程とは比較にならない歓声に、場内が包まれた。


「本当は、降りられるんですよ、この試合」

 不意に掛けられた声に、イーリスが身構える。誰の声かはわかっていたけれど、気配が違った。


「再試合に買ったものが次の試合へ進むんですが、まあ、恥ですからね。降りてしまったほうが潔いという風潮もあります。今の舞姫は、胡国からの旅芸一座ですね。本来は別の相手との試合が組まれてたんですが、情けなさに耐えられなかったんでしょう」

 説明はありがたかったが、そうかとだけ答えて、口を噤む。


「彼女が本戦一組の勝者ですね。本戦は六組が組まれています。本来の相手は不戦勝となりますが…同じように挑戦者が募られるので、安心は出来ません」

「──面白そうだな」

 半分が社交辞令、半分が──本音である。武闘演舞、この程度のものであるならそれも一興と。


「あの、異議申し立ては誰にでも出来ますが……」

「おまえの主の顔に、泥を塗るような真似はしないさ」

 これから先、面白ければそれでいいのだ。わざわざ飛び入りなどしなくても、満足出来る。…そう、満足出来ればいい。


「難しそうですね……」

「あの舞姫でも完璧とは思ってないもんな」

 ぼそぼそと、夕闇とアヴィが呟いていた。むろん、イーリスにそれは聞こえてる。というか、わざと聞かせているのは明白である。

 信用がないなとイーリスは苦笑した。まあ、この場合は正解だが。

 そう言えば、と夕闇が疑問を投げかける。


「今は舞姫の曲がすぐに始まったようでしたけど、出場者以外が飛び入りしたらどうなるんです?」

「ああ、その場合は曲目を聞かれます。曲名でもいいですし、円舞曲とか、ざっくりとした指定も出来ますよ」

「…それってさ、けっこう厳しい条件じゃ……?」

「はい、かなり。なので、場外からの異議申し立ては滅多にありません。そもそも、挑戦者に選曲の権利が与えられているのは、”その舞闘士の力量を問う”ためですし」

 挑戦された側は、如何な曲を指定されても踊りこなし、華麗な闘いを見せることで異議を斬り伏せる。それが出来てこそ舞闘士であると、理念は言うらしい。

 聞くともなしに聞いていた彼らのやりとりだったが、演奏が始まると同時に聞こえなくなった。

 第二試合は壮年の男性による剣舞と、相当な年であろう老人の酔拳という組み合わせであった。武器を使わないことに問題はないのかと思いきや、見事に男性を翻弄し、最後に剣を奪って突きつけるという見せ場を作った。奪われるまでは剣舞も遠慮なしに繰り広げられていて、この老人の勝利に意義は出なかったし、イーリスも初めて見る酔拳の演舞の面白さに見入っていた。

 第三試合は女性同士、武器も鞭と何やら妖しい世界を思わせる組み合わせであったが、これも結果は受け入れられた。面白いのは力強さがないかわりに、ヒヤリさせる技の応酬であったことか。

 第四試合で、ちょっとした騒動があった。杖術と思いきや仕込みの魔法も組み合わされていて、それを暗器として扱うべきではないかと揉めたらしい。ただ、実際には魔法を使わなかった方が勝利しており、審議は行われなかったようだ。

 そして、第五試合。蛇腹剣と大剣という組み合わせで、悲劇が起きた。曲に合わせて舞ってみせる大剣使いに、それを絡め取ろうとする蛇腹剣が巻き付いたまではよかったが、そこで蛇腹剣が弾け、破片が大剣使いの目を掠ったのだ。即座に試合が中断されて、──大剣使いは治療と引き替えに棄権した。

 結果は、故意ではない武器の破損によるお咎めなし、相手棄権による勝利──その宣言に、場内が静まり返る。そして通例通り、挑戦者が募られた。


「行ってくる」

 イーリスは返事を待たず、舞台へと飛び込んだ。苦労人が彼を引き留める叫びが聞こえたはずだが、それで留まるはずもなく、まっすぐに審判へと対峙する。

 観客の沸く声と、彼をからかう声が混ざって響く。


「結果に納得出来ず、あなたが挑戦する。間違いありませんか?」

「ああ、間違いない」

 審判の問いかけに、イーリスは頷いた。


「この試合を含め、全ての勝利は、棄権した舞士のものとなります。それも、承知ですね?」

「承知している」

 審判は表情を変えることなく、淡々と確認を進めていく。


「武闘演舞本戦故に、実力亡き者の挑戦は許されません。その実力は、指定する曲で計られます。挑戦者よ、貴方は何を舞うのですか?」

「──“鐘の輪舞(ラ・カンパネラ)”──次第に速く(ストリンジェンド)

 その宣言に、審判が目を見開いた。そして頷き、指揮者を交代──それはいままで、どの舞士のときにも行われなかった変更だ。


「最後になります。武器を示しなさい」

「大小一対──刀」

 腰に差していた刀を示し、了承を得る。審判はそこで下がり、──対峙する相手が蛇腹剣使いに代わる。


「名前を聞いておこうか、恥っかきさんよ」

「──フェネクス」

 名乗る気はなかったが、ふとそんな風に名乗っていた。魔王ではなく、ただ、フェネクスと。


「──いい趣味の親御さんだな。筆頭を追われた魔王さまかよ」

 歪んだ顔は、ひどく楽しげだ。


「まあ、人間につける名ではないな。フェネクスは、魔王の称号だ」

 訝しげな顔になるが、それ以上の問いが来るより早く、ヴァイオリンの独奏が始まる。対する相手も曲は知っているのか、いったん距離を取った。

 同じ主題を複数の楽器が奏で始めると同時に駆け出し、互いに一合。そのまま距離を取り、ヴァイオリン独奏が始まるとイーリスは舞を披露する。大小二刀を手に、翻る袖を、裾を風に乗せて棚引かせながら観客の視線を一身に集めるかのように。むろん、相手も舞ってはいるのだが、──衣装が闘技用とあって、衆目を奪われている。

 ソロから合奏に入ったと同時に、再び打ち合い、幾合かを交わして離れる。そしてまた独奏──本来は超絶技巧速度を要求されるはずのそこで、ゆっくりと、まるで子守歌であるかのようなゆったりとした旋律が奏でられる。

 そう来るか、とイーリスは笑った。身構えていた感覚を解き、ゆったりと曲に乗ってみせる。蛇腹剣使いはと言えば、──どうにか合わせてはいるものの、伴奏からは完全に外れているし、ぎこちない。おそらくはこの速さ、ゆったりとした曲にも縁がないのだろう。仕掛けてもよかったが、それはもう弱い者いじめでしかないので止めておく。

 ストリンジェンド──本来は、「次第に早く」という意味の楽譜記号である。しかし、舞踊演舞に於いては「演奏者或いは指揮者の技量に於いて、自由な速さで」という意味を持つ。指揮者はそれを逆手に取り、ごく遅く演奏してみせたのだ。

 やがてまだ主題が奏でられ、そこからは楽団が演奏に加わり、速度が戻る。待っていたかのように切りかかって来る相手を軽く去なし、バイオリンのピチカートに合わせて細かなステップを踏みつつ相手を誘い込み──その蛇腹剣を、跳ね飛ばした。

 驚愕に顔を歪める対戦相手を冷たく睥睨する。そして、剣がばらけるはずの音は、観衆の大歓声にかき消されたのである。

作中の”鐘のロンド”は、パガニーニの『ヴァイオリン協奏曲第2番ロ短調 Op.7 第3楽章 鐘のロンド』です。


 作中、いろいろとつっこみどころを作ってありますが、この世界、どんな世界だと思いますか?

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