↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
薗木異世界総合法律事務所  作者: 園木まさ
第5章 三人(?)目の相談者 「カイコ」されてしまったスライム

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
22/47

第22話 バケツの中からスライム???

 なぜか話をするバケツにおそるおそる近づく。

「ええっと。ここは、廣田総合法律事務所ですよ。私は弁護士の薗木真人といいますけど……」

「あ、ここはホーリツジムショで合ってるぷにゅ?よかったぷにゅ」

「はい。そうですけれども……」

「わーい。相談したいぷにゅう」

 なるほど、今度は「異世界」じゃなくて、バケツの相談か。

 いや、しかし、何かおかしい。

 バケツがしゃべるわけがない。

 このひっくり返ったバケツの中に何か入っているのか?


「ちょっと、失礼しますね」

 ひっくり返ったバケツを拾い上げてみると、バケツの中に青い液体?のような何かが入っている。

「あ、初めましてぷにゅ」

「あ、は、初めまして」

 え、液体から声がする?

 どうやってしゃべってるんだ?

 こ、こいつは一体……

「気づいたらなぜかここにすっぽりはまってしまいましてぷにゅ」

「え、あ、そうだったんですか」

 きっとこの人……いや、人と言っていいのかわからない物体も「異世界」からやってきた相談者なのだろう。

 異世界の人たちは、どうやってうちの事務所までたどり着いているのだろうか。

 毎回そこは謎だ。


「すみませんが……ここから出るのを手伝っていただけますぷにゅ?」

「あ、はい。いいですよ」

 バケツの中に手を入れて、液体状の物体を触ってみる。

「あぁ……」

 う……何というか、妙に手触りが気持ちいい……

 ひんやりしていて、柔らかくって、ぷにぷにしている。

「強引に引っ張りだしていいですか?」

「お願いするぷにゅ」

 そのぷにぷにする物体をグイっと引っ張ると、勢いよくバケツから飛び出した。

 ポニョン!

 机の上で一回バウンドすると、見事着地した。


「あ、出ましたね」

「ありがとうぷにゅ」

「か、可愛い~~!!」

 ゼリー状の物体には、よく見ると、くりくりきらきらした目みたいのが付いている。

 バケツから出て聞くその声も何となく小さい女の子のようだ。

 城石さんが口にしているように、何か、こう……色々と妙に愛らしい。

「早速、ご相談をお願いしてもよろしいかぷにゅ」

「あ、そうですね。相談は相談室でお受けしますので、相談室に移動しますね」

 これはもう、見るからに異世界からやってきたということを認めざるを得ない。そのおしゃべりする妙なゼリー状の青い物体を相談室に案内することに、もはや何の抵抗感もなくなっていた。


「ええっと、まず、自己紹介するぷにゅ。おいらは、魔王軍四天王のひとり、水麗のセーヌ様の軍団に所属するスライムのプニョンぷにゅ」

「そ、そうですか。初めまして」

 魔王軍四天王と言ったか。その単語は、以前マリンダさんの相談を受けた時も出ていたな。あの時は四天王のひとりというのは「黒炎のガロン」だったと記憶している。四天王というからには4人いるに違いない。「黒炎のガロン」と「水麗のセーヌ」と、あとふたりきっといるんだろうな。そして、どうやらマリンダさんと同じ世界から来たのであろうということが、このプニョンさんのお話でうかがい知れた。まあ、今回の相談と関係あるかどうかはわからないが……

「あ、それと、最初にお断りというか、お願いがありまして」

「なにぷにゅ?」


 しかし、このプニョンさんは、何かにつけてぷにゅぷにゅぷにゅぷにゅ言うな。

何なんだこれは?

 城石さんのいう福岡弁の「~~と」の「と」とか「~~もん」の「もん」みたいなものか?

「うちの事務所に今インターン生と言いまして、まあ、私の仕事の見習いみたいなものですね。そういう人がいるんですが、一緒に同席してもいいですか?」

「いいぷにゅ」

「ありがとうございます。城石さん、入っていいよ」

「はい、ありがとうございます」

「んにゅ」

「すみません。それでは、お話をうかがいますね」

 そうだ。もう3人……いや、3件目と言っておこうか。この手の相談も3件目ともなると少し慣れてきた。まずは「その前提の話」にしっかり耳を傾けるところから入ろう。今回は特にその存在すら謎な生命体、いや、物体なのかすらもわからない相談だ。


「んにゅ」

「……」

 あれ、どうしたんだろう。城石さんが顔の前で手を合わせて何か言いたげだ。

「(城石さん、どうしたの?)」

 小声で話しかけてみる。

「(え、いや、だって、かわいすぎて……『んにゅ』って!)」

「(ああ、そこね……)」

 うん。確かになんか知らないけど可愛らしい……

 最近人気の猫だって「んにゅ」なんて可愛い相槌や返事なんて打たないに違いない。

「んにゅ?話していいぷにゅ?」

「え、ああ、し、失礼しました。お話をどうぞ」


 いや、これはあくまで法律相談なんだ。真剣に耳を傾けなければ、相手に失礼じゃないか。

「たんとーちょくにゅーに、教えてほしいぷにゅ」

「はい。何でしょうか。私でお答えできることなら」

「『カイコ』ってなにぷにゅ???」

「(どストレートで法律用語の質問キターーーーーー!!??)」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。