第六十一話 Part I 月夜に浮かびし涙の花-2
ーー1時間後ーー
男は二刃花の隊舎にいた。
隊士達は皆、悲しみに耽っていた。
レンゲイ
「すみません。すぐに隊葬が出来なくて。」
男がそういうと二刃花隊の隊士は
皆、首を横に振った。
レンゲイ
「彼女は本当に苦労して隊長までのしあがった。
家族を戦争で引き離され
父君を頼りにこの国に来た。
そんな父君から僕が鞘を継承した。
知っての通り継承を行うと鞘花は
結晶化して死んでしまう。
継承を受けた僕を恨んでもおかしくなかった。
だが、彼女は僕に対して今まで通り接してくれた。
今まで通り僕を愛してくれた。」
すると隣で聞いていた
五刃花隊副隊長が
口を開いた。
ガーベラ
「先輩。もう時間っす。見てくだせぇ」
副隊長が指を指す方向には
壁にもたれかかる
七刃花隊隊長の姿があった。
アナスタシア
「……レンゲイ」
『剋刃 三十四•浮天波無』
レンゲイ
「うわぁっ!!え?え?
黒ぜーー」
ガーベラ
「仕方ないっす。任務っすからねぇー
アナスタシアネェさん!!
自分が隊長ひっぱるっす!」
レンゲイ
「ちょっ、ちょっと!!ガーベラ君!!」
男は宙に浮いて
身動きが取れなくなっていた。
アナスタシア
「二刃花隊にいるとは。ガーベラ!
このまま目的地まで水平移動する。」
ガーベラ
「はいっす!ネェさん!」
女はそう言うと
浮いた男を引っ張って
二刃花隊舎を後にした。
残された二刃花隊士たちは
空中に浮いて引っ張られる男の背中を見送った。




