第1章 最強探索者達、配信者を助ける。26話
「これで終わりだよ。」
九重の転移で飛んできた探索者達は一斉に攻撃する。
ここで終わらせる為に……。
長引かせない為に……。
左右に探索者達は展開する。
これからする狙いを逸らす為、此処にいるほとんどが囮となる。
——
夜桜は考える……王殺しの神剣では倒せなかった個体をどう倒すのか。
ここにいる者達へ告げなかったがこの敵は喰らう者の干渉によって変異している個体だと夜桜は確信している。
特殊個体だろうとここまで苦戦するのはおかしいからだ。
だから、考えるどうするのが最適なのか。
「……」
ふと思う。
「喰らう者の干渉を受けているのなら、あれを使えるのでは?」
確信はしているが確証がない、でも終わらせるためにこれに掛けてもいい。
「……武器生成"武器庫"」
「空白の断章」
真っ白な鞘と真っ白な柄が映える姿をしている刀を取り出す。
鞘から引き抜かれる刀身は誰にも見えない姿をしていた。
その刀は透明な刀身をしており、そこに刃はないのではと錯覚させる。
「確証を得た」
この空白の断章は見えぬ干渉力や繋がりを断つ為の刀でありその刀身は条件下で透明な姿を表す。
その条件は……喰らう者が関係している時に使用できる代物。
空白の断章と呼ばれる刀を抜き、敵を見据えると敵はこちらに気づく。
その瞳には恐怖が宿る。
周りにいる他の探索者を蹴散らし、一直線にこちらに向かってくる図体。
敵の攻撃を半身で交わし、刀で横に切りつける。
刀身を鞘に収めると敵は崩れ落ちる。
空白の断章によって断ち切られた巨王は喰らう者からの干渉が消え通常個体に戻り砕け散る。
「……断ち切った」
特殊エリアのボスを倒したことによってまわりにいたモンスターは即座に散る。
――
(アル視点)
「終わった?」
目の前の攻防を見ていると、夜桜さんと呼ばれていた女性があの大きな図体をしているモンスターを刀身?がないよく分からないもので仕留めるのを目撃する。
「助かったのか」
自分に危険が及ばないと分かり、解除する。
「頑張ったな」
ふと肩に手を置かれ後ろを見ると、敵の攻撃を受けて怪我をしていたはずの白鷺さんが立っていた。
「白鷺、さん?」
少しボロボロになった装備は見えるが怪我をしていたはずの身体には怪我がどこにもなかった。
「あぁ、お前のお陰で助かったありがとな!」
「良かった……です」
「白鷺」
「夜桜さん!」
「怪我は?」
「回復魔法で治したので大丈夫ですよ!」
どうやら、自分で回復魔法を使い治していたようだ。
「九重!跳べる?」
「クリアしたようなので跳べそうです」
「ならもう外に出よう、いつまでもいても危険でしかない……九重」
「分からりました姉様」
「えっと、アル」
急にこちらに声をかけてきたので少し声が裏返る。
「っえあ?はっはい!」
「ふっ……さぁ、帰ろうか地上に」
「はい!」
「姉様準備が出来ました、こちらへお越しくださいませ」
多くの探索者と共に俺は地上へ帰還するのだった。
————
最初に感じた浮遊感よりも、不安を感じる事はなかった。
数時間ぶりにみる地上の光とラウンジの光景に安心からくる涙を流し、気を失う。
「おっと」
「姐さん!?」
「……魔力症と重度な緊張から解放されて気を失ったようだね」
「安静にしていれば意識は次第に戻るよ」
「そうですか」
バタバタと奥から足音が聞こえてくる。
「夜桜!」
奥から来たのは猫柳会長と医療班だった。
「要救助者をこちらへ載せてください!病院へすぐに搬送します」
「わかった!魔力症と重度な緊張による気絶だと思われる」
「分かりました!精密検査をしましょう」
「あの子は医療班に一旦預けよう、中で起こった出来事を報告してくれ」
「なら、報告は私と雪華で請け負おう」
「はい!」
「残りのメンバーは一旦解散で」
「「了解(です!)したました」」




