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現実にダンジョンが出現しました  作者: 東雲 夜卜
第1章 最強探索者達、配信者を助ける。
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第1章 最強探索者達、配信者を助ける。25話

 アル達がフロアボスと対峙する少し前、撮影用ドローンに異変が起きていた。


 ドローン内部にてうるさいほどのエラー音が鳴り響いた。


 

《エラーが発生》



《エラーが発生》



《外部(ダンジョン)から干渉を確認》



《対魔防システム起動》



《メインコアに魔防障壁を展開》



《抵抗》《失敗》



《抵抗》《失敗》



《メインコアに侵入を確認》



《…ガガき、んキュー……Programキ動。。。》



《せtゾkuを解除……。sます。》



 外部から干渉される中ドローンは配信アプリとの接続をきる事に成功する。それによって配信アプリから見ているもの達に干渉を防ぐ為に解除されたようであった。だが、メインコアまで干渉された為、アル達の近くにある撮影用ドローンはもう別の物体に変わっていたのだ。




 ____________________________________________________




 ドローンと配信アプリの接続が解除された時配信先では困惑に満ちていた。



『うん?画面が』

『あれ?』

『接続先が見つかりませんになった』

『なんでだろう?』


『【探索協会公式】どうしたのでしょうか?』

『【探索協会公式】確認します、暫しお待ちを。』


『はーい』

『りょーかいです』

『ありがとうございます!』



 

(空峰視点)


 ここは探索協会の一室に設立された対策本部。


 対策本部では今回の、イレギュラーの対応に追われていた。

 ダンジョンに入らないよう、制限をしたり情報規制をかけたりと探索協会職員が皆忙しそうに動き回っていた。


 そんな中、対策室の一角では空峰がドローンと配信アプリの接続が切れた原因を解析していた。


 「おかしいですね……メイン接続だけではなく非常用のサブ接続まで強制切断されているとは。」


 「魔力干渉でも起きたのでしょうか?ですがダンジョン用配信ドローンには対魔防システムが搭載されているはず。」


 対魔防システムとは魔力によってドローンが魔力攻撃を受けた場合、その魔力攻撃を防ぐための防衛システムであり、ダンジョン配信用ドローンにはそのシステムを搭載してなければ売る事は出来ない為。

 ダンジョン法律 第1条にて義務付けされている。

 

 天照株式会社製のドローンのデータを引っ張り出してきて、対魔防システムが搭載されているのかを確認する。

 資料を確認すると、対魔防システムは搭載されており、他国の実験用データも記載がされていた。


 「奈落階層で配信している方はあまりいらっしゃらないので他にデータがなく、判断がしにくいですね。誤作動だとよいのですが。」


 外から調べられるところを隅々まで調べていると空峰に声をかけてくる職員がいた。


 「すみません空峰さん。」


 魔力干渉対策課と書かれた名札を付けた男が隣に立っていた。


 「魔力干渉対策課の者ですか、なにかわかりましたか?」


 魔力干渉対策課とは魔力と呼ばれる力によって生み出された原因を究明する事が得意な部署である。

 解析能力に長けている者たちが所属している。


 「解析結果をお持ち致しました、こちらです。」


 魔対の職員から渡された資料を手に取り見ると、そこに書いてあったのは……。


 「……この魔力波形はモンスターの持つ波形に似ていますね、これはどこからでてきたのですか?」


 「ドローンから最後に受信されたデータから発見されました。」


「最後というのは接続が切れる前でしょうか?」


「はい!それと対魔防システムが起動していたようです。」


「と言うことは、対魔防システムが接続をしていると危険と判断したからこちら側に繋がる接続を全て切断したと判断した方がいいでしょう」


「このドローンはもう撮影ドローンではなく別の何かに成り代わってしまったと思って良いでしょうか?」


「そうなりますね、直ぐに雪華さん達に連絡を……。」


 部屋の外からドタドタと走ってくる音が聞こえてくる。

 

「空峰さん!!大変です。」


「どうしたのですか?」


 ダンジョンの入口にて警備員をしている者が慌てながら対策室に入ってくる。


「はぁ……、はぁ。ダンジョン内にて高濃度の魔力を確認致しました!入口付近に待機していたプラチナ探索者が意識不明になるレベルのものです。」


 警備員から知らされたのは驚愕の知らせだった。

 万が一、ダンジョンからモンスターが溢れた時用に備えて待機させていた、探索者が意識不明になるレベルの魔力を感知したのを聞いて立ちあがる。


「なんですって!?現場近くにいたプラチナ探索者達の容態は!!」


「意思不明になってしまった者、一瞬意識が飛んでしまった者の2通りおります。結界が張れる者で入口に結界を張り、それ以上魔力を溢れさせないようにしています。」


「それに、高濃度の魔力により魔力障害が起きダンジョン内にいるものと、連絡が取れません……。」


「なんですって!?まずいですね、これではドローンに危険性があると報告できません。」


 ダンジョン内のものに連絡をとる手段は魔力を介して使う通信機器かテレパシー系のスキルの二通りしか無く、魔力障害により通信機器は使用できず、テレパシー系のスキル持ちはいまいない。


 「どうにかして連絡を取らなければなりません。テレパシー系のスキル保持者は今この支部にはいませんし、長距離で試行できるスキル持ちもいない状況で、困りましたね。」


「空峰」


 いつの間にか来ていた探索協会会長の猫柳ハジメがいた。


 「会長!」


 「魔力障害が起きる直前に雪華から連絡が来ていた。」


 「試験段階の魔力障害緩和装置《まりょくしょうがいかんわそうち》を使用してほしいと」


 「あれはまだ安全性が確認されていないものになりますよ?それに成功例があまりにも低い為、開発中止を検討しているものになりますが……。」


 魔力障害緩和装置《まりょくしょうがいかんわそうち》とは、魔力障害が起きた時、周りに溢れた魔力を一部吸収することによって穴をあけ、魔力の通りを良くする装置である。しかしこの装置はまだ完成されていない。一部吸収するはずが容量オーバーで吸収出来なかったり、緩和されなかったりするだけでなく、吸収した魔力を勝手に放出してしまうことまであった。よって、実験を中止するかを6月の全体会議で決める予定だった。


 だがそのことはブラック探索者にも知らしてあったはずの為、雪華も知っているはずだが。


 「使用しているのが見えたようだ、使えば一時的に通信で通り伝えることが出来る。」


 「ただし、今回使用したら壊れるらしいぞ。あと見えただけでなぜなのかはわからないようだ。」

 

 「諸刃の剣ってことですか……。使用した場合、壊れる以外で人的被害はどうなのですか。」


 「人的被害は軽傷者三名、猫柳、空峰、探索協会 魔防警備部所属 近江だ。」


 「……ッ。」


 「執行者は猫柳、空峰の固有スキル使用、近江の固有スキルを使用すれば被害は最小限に抑えられる。」


 空峰は魔力障害緩和装置を使用する為に会長が出てくるのに苦悩する。雪華さんがみた最善策だろうが会長が怪我をしてしまう状況を何とか回避したい気持ちがあるからだ。だが、雪華以上の案は出ないであろう。


 「空峰、私は死なないよ。」

 

 「知ってます。私は、あなたが怪我をする姿をもう見たくないだけです。」


 「空峰」


 沈黙の空間が対策本部を支配する。


 はぁ……と息が零れる。会長の決意は固く何を言ったとしても変わらない決定事項らしい、なら雪華が見た最善策を行うだけだ。


 「分かりました、準備します。」

 

 「ありがとう空峰」


 「手の空いている者は魔力障害緩和装置をダンジョン入口前まで運んでください、運ばれた後は固有スキルで空間生成を行います。会長は近江さんからあまり離れないようお願いします……いいですね。」


 「了解した。」


 周りの者に支持をし何度目かの最善策の為に動き出す。



 ——



 「空峰さん、推定魔力拡散ラインまでの封鎖が完了及び救護班を近くに待機させております。」


 「ご苦労。結界班は全ての持ち場が配置完了した後、ダンジョンに張っていた結界を解き自身に結界を張りながら後方へ後退するように」


 「了解です。」


 後は……と考えながらいると、こちらに近づいてくる重装備の人が来た。

 この人は雪華さんがみたメンバーの一人である、探索協会魔防警備部所属の近江さん。魔防警備部のエースで、ブラック探索者ランク6の琥珀さんのご兄弟。


「空峰さん、お待たせしました。どのぐらいの被害規模か分かりませんでしたので、禁止区域用の装備にしました。」


「禁止区域ですか……。」

 

 今の日本で禁止区域指定されているのは、富士山ダンジョン、桜ノ島ダンジョン、御嶽山ダンジョン、那須岳ダンジョンの4箇所である。


 この4箇所は喰らう者によって侵攻された時、火山が噴火しており、その噴火口にダンジョンが産み出されている。


 ここは魔力濃度が高すぎて並大抵の実力しかない探索者では探索する事が困難で、それにブラック探索者でも一部の者しか探索できない場所な為、許可なき探索はできないから、禁止区域とされている。


「この装備なら耐久性に不安を要することはないと判断致しました。禁止区域で取れた素材を使っていますので、生半可な爆発ではビクともしません。」


「すまない、待たせた。」


 近江と空峰の元へ猫柳が合流する。


「いえ、お気になさらず。」


「あれやこれやと装備を渡されてな。装備専門の部署に」


 苦笑いしながら来た猫柳は際ほどと違い赤色のロングコートにアーマープレートが付けられている。耐魔防用の装備をつけてきていた。


「これもどの程度耐えるかわかりませんね」


 空峰の耳につけている通信機から連絡が入る。

 

 『各員配置完了しました。』


 「了解です。会長!」


 この場にいる全員が猫柳の方をみて支持を待つ。

 

 猫柳は一呼吸置き、目を閉じ、呼吸を整える。

 目を開けた猫柳は周りを見渡す。


 そこに見えたのは、こちらを見る皆の視線であり、心配・緊張・応援いろんな感情が籠った、瞳が覗いていた。


 合図をするかのように1つ頷き。


 「これより、作戦を開始する。」


 「空峰!」


 「はい。空間生成《スペース・クリエイション》"分かれた空間《ア・セパレイト・スペース》"」


 まず、空峰の固有スキル 空間生成《スペース・クリエイション》を使用して能力 分かれた空間《ア・セパレイト・スペース》を発動する事で、空峰達三人がいる場所とダンジョンがある空間を分ける。


 次に、猫柳の固有スキルである、神の心眼(かみのしんがん)を発動する。魔力の流れをスキルで読み、的確なタイミングで装置を起動する。


「装置を起動する。近江!」


 最後に近江の固有スキル 潜在能力解放は武器防具の潜在的力を引き出すスキル。

 ただし能力を最大限引き出せるがその代わりに使用する者の負担がデカくなる。


「潜在能力解放!対象"桜ノ守護"」


 近江が持つ盾は桜ノ島ダンジョンから取れる素材で作られた防具であり、ダンジョン内に何故か生えている桜ノ神樹と呼ばれる桜ノ木を使用している為、桜ノ加護が付いている盾。


 桜ノ加護の効果は守る対象を指定することで能力を発揮する。

 指定された者には桜ノ痣が身体に出てくる。その効果は対象者の防御、魔防、全耐性を上げる効果がある。


「桜ノ加護指定、対象者"猫柳ハジメ"、"空峰彩"、"近江"」


「準備完了!!」


 魔力の流れを見る瞳はその一瞬を逃さない!


「魔力障害緩和装置起動!」


 装置が起動すると、ダンジョンからアプリいた魔力が装置に吸収されていく。

 吸収される魔力濃度はどんどん薄れていく。


 そこへ、中にいる探索者から連絡が入る。

 3人以外の職員が対応し、探索者と情報共有がされた。


 探索者からはボスと接敵、要救助者と合流との連絡が入り、職員からは合流あたりから映像が乱れたという情報とダンジョンから高濃度の魔力漏れが起きていると情報交換する。


「グっ。もう、もた……ない。」


 魔力を吸収していた装置はガタガタと音が鳴り出し、爆発寸前の予兆を見せる。


 「情報共有完了しました」


 と、連絡が入ったと同時に魔力障害緩和装置が爆発する。

 その威力は3人がいた場所だけをピンポイントで爆破し、3人は吹き飛ばされる。


 「状況確認を急げ!」


 「3人の容態は!!」


 「早くしろ!!」


 3人の姿を確認すると、器用に魔力を含んでいた衣服や防具だけが破損していた。


 「……軽傷ね、まぁある意味軽傷か」


 「ピンポイントに魔力を含むものだけ爆破しましたね」


 「命に別状がなくての軽傷ですかねこれは」


 3人共、魔力を含んでいた衣服、防具そして髪の毛がボロボロになったり爆破していた。

 簡単に言えば、全身黒焦げのアフロヘアーになっていたのだ。


 「まぁ、一旦連絡も取れたしここから先俺達は待つしか出来ないだろな」


 「無事に帰還してくれよ……お前達。」



 







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