第1章 最強探索者達、配信者を助ける。22話
(夜桜視点)
アルくんの元へ急ぐ3人。
「不気味ですね、あれだけいたモンスターが1匹も見当たりません。」
九重が辺りの様子を見ながら眉間に皺を寄せいう。
「こりゃあ、ボスが近くにいくるのかもしれないな。」
「さっさと、要救助者の元に向かおう。」
秋雨と夜桜が九重の問いかけに答え。今以上に速度を上げる。しかし、しばらく進むと異変に気づく。
「ふむ。邪魔されているなこれは」
「そうですね。木々が増えて減ってをして私達を行ったり来たりさせてますね」
「この木々はあれか《奈落のお化け木》だな」
夜桜達は《奈落のお化け木》によって同じ所を行ったり来たりさせられていたのだ。
「さて、こいつは面倒だな。奈落のお化け木は母株を倒さないと子株孫株と無限に増えて行く奴だったな。」
母株をどうやって見つけるかを思案しているとprr...prrと電話の音がしだした。
「夜桜さん」
「どれ?」
「そこら一帯にいるのは全て子株です。母株は土のかなにいます。今、夜桜さん達が居る場所の下です。」
「ありがとう」
「いえ。それをやれば要救助者の元に着きます。」
雪華との連絡が終えると邪魔な木を切り倒す為に行動を開始する。
「九重、地中に埋まってる母株を転移で空中に引っ張りだせるか?できるならやってくれ」
「分かりました行きます!記録転移"対象入れ替え"対象は母株と子株」
対象入れ替えは指定した対象の居場所を入れ替えることができる能力。今回の場合は母株と子株の場所を入れ替える。
あたり一面に魔法陣が展開され、陣がひっくり変える。
「武器生成"武器庫"飢えた鎖」
凄く大きなチェンソーを武器庫から取り出し、引っ張り出された母株にギュイィィィンと高速回転している刃が木に食い込む。粉々に飛び散る木くずを飢えた鎖が吸収していく、吸収が終わるとそこには何も残らなかった。
「収納」
「辺り一帯の魔力反応消失していきます。オールクリアでしょうか?」
「先に急ごう、あと少しだ。」
邪魔をしていたモンスターを排除できた夜桜達は要救助者の元へ急ぐ。しばらくすると壁際までこれ、セーフエリアを探す。
窪みを見つけ、中に向かって声をかける。
「探索協会からの要請で派遣されたブラック探索者ランク6の夜桜だ、ここに救難信号を出したアルという名の子はいるか?」
窪みの奥にある岩陰から何かが動いたのを確認する。
暗い影が徐々に近づいてきて顔が認識できるところで動きを止め、こちらにしゃべりかけてきた。
「ほ、本当に探索者の人?」
疑心暗鬼になってる顔をしている要救助者の子がいた。
「正真正銘、本物のブラック探索者だ。探索者カードを確認するか?」
探索者なら誰でも持っている探索者カードを見てせ渡そうとするが、カードと夜桜顔を交互に見るだけで近づいてこない。
「どうした?私達が来るまでに何か来ていたのか?」
「確認します」
ライブ配信はしているが探索者用配信アプリは遡る機能がデフォルトで付いているため、九重がアプリを確認する。
配信のコメントを聞いてるのか少し耳に手を当てている要救助者の子を、みながら辺りを警戒する。
「確認取れました。どうやらモンスターが私達の姿を真似てたようです、幸い配信用機材であるドローンが察知して回避出来たようですが……。」
「どうしますか姐さん?」
「ふむ。なるほどね、そのドローンを私達に向けてくれる?」
頭に?を浮かべながらコクンと首を振りドローンをこちらに向けてくれる。
「探索協会 公式がコメントにいただろ、そいつに質問をさせればいいそうだな夜桜しか答えられない質問とかな?」
その案は無かったといった反応をしてドローンの設定をいじり始めるアルくん。
「待ってくだい。ドローンの設定を少し変更します……これで変更出来たのでコメントを読み上げをスピーカーモードに切り替えました。」
ドローンから探索協会のコメントが読み上げられる。
『【探索協会 公式】会長又は古株しか知らない情報をってことですね?』
「そうなるな」
『【探索協会 公式】了解しました、では3問質問します。』
『【探索協会 公式】問1 原初のダンジョンにおいて、討伐者数とクリア人数を述べよ。』
「げ、原初のダンジョンってあの歴史の教科書に載ってる大災害のやつ?」
アルとそのほかのコメントも流れるが一旦スルーをして問1の質問に答える。
「討伐者数は5名、クリア人数は20名」
『【探索協会 公式】正解です。問2 その内探索者になった人数を詳細に述べよ。』
「討伐者は3名、その他2名は探索協会の職員と協会長になる。クリアした者は7名、その他5名は探索協会の職員になる。残りの8名は……ダンジョンの後遺症により、探索者にはならず。」
『【探索協会 公式】正解です。問3 討伐者の、現在の年齢は?』
原初のダンジョンを討伐したもの達は皆、神殺しをした為、不老不死の呪いを受けているが、あまり周知させていなかった。これを知っているものは原初のダンジョン攻略者かそのダンジョンに居合わせた者しか知らないから。
だが、これを周知させてなかった理由は不老不死という為だけに無理にダンジョンに潜って無駄死にとかを防ぐ為、最重要特秘に指定していたはずだが。
「大災害って2050年に起こった出来事で、それから50年が立って日常を取り戻したから2100年ってことは10代だったとしても最低で60歳ってことだろ?おじいちゃんみたいな探索者って居たっけ?」
「はぁ、お前がなんの意図を持ってこの質問をしているのか分からないが答えるならば、全員生きており、全員…………未成年だ。」
「え?」
「最重要特秘事項じゃないのかこれはいいのか、言ってしまって?」
『【探索協会 公式】この情報を外に出すのは政府や上層部は知っておりますし、雪華さんからの依頼でしたので。』
「上がそう判断したのなら従うが……本人確認はどうなった?」
『【探索協会 公式】全問正解しましたのでこの方は本物のブラック探索者ランク6の夜桜さんです。』
「え……、いや。未成年ってなんですか?」
混乱するのは分かる、ただここでそれをするのはやはり大問題だと思うんだがなと思いながら
「細かい事は今、気にしなくていい。どうせ後で発表されるだろうから。見た目は未成年だが私は精神的にはばばぁだよ。」
「さぁ、ここから去ろう!私達はその為、ここに来たのだから。」
洞窟の中に右手を伸ばし行こうとそくす。
困惑した顔をしながらも頷き、手を伸ばしてくれた、アルくんの手を引き洞窟から出てくる。
ここから安全に運ぼうとしていると左から猛スピードで向かってくる物体に気付き、アルくんを抱え込み左手に武器を構えガードする。
ガキーン!と金属と金属がぶつかる音を立て衝突した物体に目を向けると胴体部分から煙のような魔煙を出しているこの特殊エリアのボスモンスター《魂を狩りし巨王》に遭遇する。




