第1章 最強探索者達、配信者を助ける。13話
奈落30階層
(白鷺視点)
ボス部屋の前で時間になるのを待つ3人組。
「……」
難しい顔をしている男性であるブラック探索者の白鷺と
「……大丈夫」
武器の点検をしている女性であるダイヤモンド探索者の彼方と
「やるぞ!」
やる気満タンの男性であるダイヤモンド探索者の黄泉がいた。
――
「死人花の亡国王女についておさらいするぞ、聞けよ。」
白鷺は弟子である【彼方】と言う名前の女性と【黄泉】という名前の男性に声をかける。
「了解です」
「はい」
奈落30階層のボスは異世界のとある国の王女だったもの。死人花の効果により国民の亡者を召喚する事ができる、王女が倒れない限り永遠により出せる。召喚はランダムなので村人、騎士、王様、王妃などランダムで召喚される。
「召喚されるものはがランダムでいちばん厄介なのは騎士、王妃、王女(妹)だろうな、こいつらは光、聖属性無効化を持っており弱点が無い存在だ」
「黄泉の固有スキルはどうですか?」
「死人花の亡国王女に効くかどうかはやってみないと分からないが、今時点での判断だな。」
「死人花ですか……彼岸花の別名できたよね」
「生きてさえなければ私の固有スキルでどうにかできそうですが?」
「厄介な魔法を使ってくるから厳しいだろう、思考加速とこの世界には無いとされている構築魔法と呼ばれる魔法を作り出すことが出来るやつのおかげで瞬時に対抗できる魔法を生み出すらしい」
「この情報は猫柳がTOP3を連れて現地で情報を見たらしいから信頼できる情報だよ」
「なるほど」
「ではどうしますか?」
この情報だけでは弱点がないように見えるが弱点は一応存在している。
「やつの身体やその周りには、彼岸花が咲いている。その彼岸花はやつと直結しており、それを破壊すれば、能力が弱体化する。」
「それに……いや、花を切り裂けばわかる事だな今は気にするな。」
ボスを倒す方法はあるが……この方法はあまり気分が良いものではない、まだ相手をしたことない弟子達には見せた方がはやいだろうと判断する。
「了解です?」
「俺とこいつとで周りの配下を相手をして、師匠は死人花本体と戦闘を行うということですか?」
「こいついうなガキ」
「あぁ?」
「……喧嘩をするな今はそんな事をしてる場合じゃないんだぞ。」
「はい」
「すみません」
はぁ……とため息をこぼし、続きをしゃべる。
「そういうことになるな。」
「だったら配下共は俺に任せてくれればいいんじゃないですか?あれって死者共ですよね?門を開けば終わりですよ?」
門とは黄泉の固有スキル黄泉送りは死者を黄泉に強制的に送り返す為に開かれる門である。
これを使えば強制的に送り返せるが使うと、送り返すまで動け無くなってしまうスキルの為、使う場所は選ばないと行けない。
「配下は有象無象でいくらでも出てくる。そんな事をして動けなくなってしまうとお前を守るために彼方の負担が大きくなるだけだろ。それは極力控えたい攻撃方法だ。」
「いい案だと思ったんだけどな。」
話しているともうすぐ開始の合図がなされるのを知る。
「配下の始末は、その方法はやめておけ。もうすぐ開始の合図が来るぞ。」
ボス部屋の扉を見つめ開始の合図を待つ。
少しすると配信先で開始の合図が来た。3人はボス部屋に侵入する。
すると中は広い空間になっており、岩壁の隙間に彼岸花が至る所に映えているのを確認する。
部屋の中央に死人花の亡国王女が彼岸花に囲まれて座っており、天井からは謎の赤い光が降り注いでいる。
白鷺が1歩踏み出すと死人花はこちらに目をやる。
すると、立ち上がり声にならない音を発すると配下が召喚される。
配下は王様、王妃、王子そして、その周辺に複数のゾンビ共も召喚される。
「いくぞ!韋駄天"神速"」
白鷺の固有スキル 韋駄天の神速によって白鷺は人の目では捉えられないレベルの速さで岩壁の空間を走り回る。
神速によって岩壁を走り回り、彼岸花を切り裂いていく。
それを見ていた死人花は即座に魔法を構築する。
構築された魔法を使うと神速の軌道にホーミングする魔法を展開する。
「やるねぇ〜!韋駄天"風車"(かざぐるま)」
韋駄天の攻撃スキルの1つ風車の形をした風が辺りに展開すると、その風車はその場で回転をしだし、辺り一帯に風の渦、竜巻を発生させ、ホーミングしてくる魔法と相殺する。
「神速!」
死人花の身体中に生えている花を切り裂いて行く。
死人花は声無き声を上げ魔法を無造作に構築していくが、花が切り裂かれていく事に威力は弱まっていく。
――――
師匠である白鷺がスキルを使用して死人花と対峙していた頃、周りに出てきた配下を黄泉と彼方が相手していた。
黄泉のスキルで作り出した武器"神刀 魂喰い"は切りつけた相手の能力を一時的に自分の物にする。
これに切りつけられた敵はステータスの1部やスキルを奪われる。
「雑魚配下にしか近づけねぇーか、それにこいつらあれだなゾンビって割には理性を感じるぞ?」
「うん、厄介だね。理性無きモンスターならゴリ押しで倒せたかもしれないけど、理性有りきなら無作為に攻撃する物ではないかもね。」
「やはり、門を開けた方が効率いい……いや、開けるぞ門を!」
「黄泉送り"獄門開門"」
両手を地面に押し付け黄泉へ続く巨大な門を開門させる、すると門から黒い手が伸びてきて、周りにいたゾンビ達を捕まえていく。
「ちょっと!師匠がダメって言ったでしょ!?」
「うるせぇ!くそ女!!やめろと言われたがダメとは言ってねぇーよ。」
「なんだと!?自己中のくそガキが護る側の気持ち考えろろ!!」
「あぁ?」
「はぁ?」
いきなり喧嘩をし始めた二人は周りに敵が居ながらも手を止めない。
二人の背後に迫るモンスターの群れ。
「邪魔……回復異常"テイクヒール"」
「失せろ、黄泉送り"獄門への手引き"」
ノールックで敵を殺していく。
するとそこへ来たのは
「お前らはまた、喧嘩したな……?」
ボスと対峙していたはずの白鷺がいた。
「あっ、師匠!ボスの方はどうなりましたか?」
「あっ、師匠じゃねぇよ……お前らは本当に……。目的の物は全て切った。」
あれを見ろといわれボスに目を向けると入ってきた時にみた姿ではなく少女のような姿をしていた。
「あれは……」
「あまり、あの姿をした状態のボスを見た事ないかもしれないがあれが本来の姿だよ。」
「猫柳が固有スキルで読み取ったのは全てだ生前の来歴まで全て読み取ってる。」
「あの姿は別の世界、次元にて喰らう者によってモンスターに姿を変えられる前の生前の姿であり、彼女達もまた喰らう者によって侵攻され、滅ぼされてしまった者達だ。」
喰らう者……それは別次元からこの世界に侵攻してきて、ダンジョンを作り出した原因となっている存在。
それらは幾多の次元を喰べ尽くしており、この階層の以外のボス達も喰らう者によって作り変えられた別次元で生きてきた者達がダンジョンのボスになり、フロアに漂うようモンスターに変えられている。
「この階層のボスを倒す方法はただ1つ……ボスの正気を戻し、自害させるという方法だ。」
「は?」
「え」
「じ、自害ですか……それに、正気を取り戻せるのですか?」
困惑する弟子を見ながら答える。
「黄泉は獄門を閉じてみろ……もうゾンビ共は攻撃してこない。」
「本当にですか?師匠がいうなら解除しますが……。」
「あぁ、大丈夫だ。」
「黄泉送り"獄門閉門"」
獄門を閉じてみると、ゾンビ達は湧くこともなくこちらに襲うというのもやめており、彼らはボスがいる方向を見ている。
「2人とも彼女瞳をよく見ろ」
「瞳?」
「瞳ですか?」
師匠にいわれ瞳をよく見ると涙を流してこちらを見ていた。
「……っ!」
そして彼女は立ち上がり彼岸花のような形の刃物を自分の心臓に突き立てる。
そしてこちらをみてこう述べる。
『がんばって』と。
そして彼女達は消え去り、真っ白い彼岸花をドロップする。
「この階層だけ俺は嫌いなんだよ……いつもこのダンジョンを潜る時はここより前か九重に頼んでこの階層の下に転移している。」
白い彼岸花を拾い、眉間にシワを寄せながら思う。
「胸糞悪いからな……」
【特殊エリアの条件を達成しました】
【特殊エリアの入場を許可します】
【エラー】
【他の条件が達成されてないため許可できませんでした】
【達成率08/09】
「やはり、もう終えてる所があるんですね」
「まぁ化け物しか居ねぇーからな」
「そんな言い方してますが師匠も化け物ですよ」
「本来なら俺達が居なければ、師匠1人だったでしょここ……と言うことは一人で5分以内をやらなければならない。」
「……。」
「私達はまだ師匠に追いつけません。」
「そうだな。」
弟子たちの視線をかわしながらモニターを見ていると
【他エリアでの条件達成を確認しました】
【特殊エリアへの入場を許可します】
【特殊エリアに入場しますか?】
【"はい"または"いいえ"を選択してください】
【"はい"の選択を確認しました】
【特殊エリアに入場する事を許可します】
【こちらの扉から入場してください】
他の場所もクリア出来たようで特殊エリアに入る事が出来た。
「さぁ、行くぞ!ここからが最も難しい仕事だろう。」
「はい!」
「了解です!」
弟子2人を連れて特殊エリアにはいる。




