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The GUN  作者: 中井
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20/21

過去の話

「あなたのお父様の鷹志は人為的に作られたものでした。」


「……」


「時は遡ります、過去の戦争、ベトナム戦争というものをご存じですね?」


「ベトナム戦争なんて親父も産まれてないが、何か関係あるのか。」


「ベトナム戦争でアメリカが撤退するギリギリまで戦果をあげ続けたものがいました。本名は誰にもわかりませんでしたが日本人であることからTAKASHIと呼ばれていました。」


「TAKASHI?」


「あなたのお父様と同じ名前です。アメリカはこの力を欲していたが手に入らない理由があった。」


皇帝は話を次々と進めていくがなぜか内容が理解できた。


「理由の一つは彼がアメリカに属さない傭兵だったこと、もう一つはその力をコピーする力がなかったこと。アメリカはひどく悩んだ末にとある組織にこの問題を解決することを依頼しました。」


「……」


「組織の名は『主者』、二度の大戦から秩序のために生まれた非国家運営組織。彼らはあくまでも平和の抑止力となるためにこの依頼を受けて二つのクローンを完成させました。」


「それが、親父か。」


「そうです、我々の父親です。一人には『コチェリギン』、もう一人には『ゴルブノフ』と名がつきました。」


「つまりは…俺の親父は人間じゃないってことか。」


「いえ、人間です。少なくとも産まれ方、身体能力以外は並の人間と差はありません。むしろ精神面では普通の人間の方が安定しています。」


「……」


「コチェリギンとゴルブノフはともに訓練されてからアメリカに引き渡される予定でしたがコチェリギンが訓練中に想定外の暴走を起こし脱走しました。」


「コチェリギンが鷹志だったってわけか。」


「コチェリギンは民間の客船に乗り込み日本に上陸、以降は普通の生活を送っていました。

主者たちはクローンの感情変動などのテストのためにあえて逃したとも言われていますが。」


「つまりは親父はそのTAKASHIのコピー品だったってことだな。」


「話には続きがあります、TAKASHIの生活感をそのままコピーしたといっても過言じゃないコチェリギンはTAKASHIの本能と同じく殺人を犯します。以降は殺し屋として活動していましたが、出会いがありました。」


「……」


「コチェリギンはTAKASHIと仕事の都合で仲が良くなりました。TAKASHIも銃を捨てることができずに殺し屋をしていたようですから。」


「そうか、で?」


「コチェリギン改め鷹志は二人で意気投合して、仕事でもプライベートでも仲が良かった。しかしある仕事が二人に寄せられました。」


「……」


「鷹志には『ヤクザ神条組の本部を壊滅してほしい』と、TAKASHIには『田中組の本部の連中を皆殺しにしてほしい』と。この二つのヤクザは抗争していましたからその仕事で二人は敵同士になりました。」


俺の親父はヤクザにも介入していたのか。


「結果はTAKASHIの技術を至近距離から見つめていた鷹志の勝利でした。

しかし鷹志はこの一件から足を洗いまっとうな人間として生きていくことを決めました。」


「なら、なぜ俺の親父はころされなきゃいけなかった、親父が死んだから俺は小学生の頃から親父がいないって馬鹿にされてたんだ!

まっとうな人間なら殺されるのがおかしいじゃないか!!」


「そのとき主者を運営していたのはわたしの父でした。鷹志は更生した後女性との間に一人の子を授かろうとしていました。」


「それが俺って訳だな。続きを聞かせろよ!」


「父はTAKASHI、そして鷹志の力を受け継いだ貴方を脅威とみなしました、父は貴方を抹殺するために刺客を送りましたが鷹志に返り討ちにされました。皮肉にも銃を捨てた男が再び銃を握ったのは己の命日、そして息子誕生の日だったのです。」


「そうか、お前たちが何もしなければ俺は普通に普通の生活を送れていたって訳だ。」


「しかし貴方は今こうして我々の脅威となっている。貴方はここで死にます。」


急に俺自身の怒りがこみ上げてきた。

俺の人生をぶち壊した奴が目の前にいる。

叩き殺したい、捻り殺したい、残忍な殺し方をしたい、こいつは生かして返さない。


「ありがとう、これで親父共々共通の敵を見つけれた、手前には感謝してもしきれない。











…………………………死ね。」


ズドンッ!!


不意打ちだ、これだけは俺の得意分野だ、しかし敵は隊長を殺した化け物だどこまでやれるかわからない。

とりあえず本気は出してみる。


拝啓めぐみ、元気ですか?俺は多分死にます。








「俺がどうして無意識に経験したことのない戦闘ができるかようやくわかった、これは親父の本能なんだな、でも本能はもうでない、俺の殺意で手前を引き裂くからだぁぁ!!」


おそらく最後になる俺の殺し合い、観戦者は無し。

俺が皇帝を殺してやる。

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