覚悟
「作戦を始める、状況、いま!」
この号令とともにフェンリルコンバット大隊は動き始めた、これはもはや解放運動ではない、戦争そのものだ。
かつて本気で動けば日本列島が欠けるとまでいわれた大軍勢が本気で動きだす。
「ウィルスシステム稼動、主力戦闘隊は宮殿に向かってください!」
この作戦は電子戦だ、ウィルスで帝国のネットワークにエラーを起こす。
犬神中尉の仕事はここまで、あとは桜木大尉や旺田少佐たちがなんとかしてくれる。
俺は………
「…………。」
「ネットワークに潜入できたようですね、あとはバックアップされないようにお願いします。」
犬神中尉は俺に返事の代わりに首を縦にゆっくりと動かした。
今頃は帝国の基地が大混乱を起こしているだろう。
帝国航空基地、
「嘉手納基地よりB52三機とF15が三十機こちらに向かっています。」
「なんだと!?そんな馬鹿な!!」
「ハワイ基地よりB52爆撃機が二機こちらに向かっています!!」
「シベリア上空に突如Tu-95と思わしき機影が確認されました!」
「非占領国からの一斉攻撃だと!?」
「三沢基地よりクーデターのものと思われるF35が爆装で皇都に接近しています!!」
「鹿児島地区のイージス艦のジァベリングより打電、『上空に機影は確認されず、情報の真偽を求む』以上です。」
「レーダーにエラーは見られない、ジァベリングに引き続き索敵させろ!」
(どうなっている、クーデターが今頃息を吹き返すなど…)
「三番滑走路より迎撃機あがります!」
「こちらイーグル、離陸の許可を求む。」
「こちらトラバース、離陸を許可します。離陸後はトラバースよりトレバーに誘導を移譲する。」
「ラジャー!!」
今頃は決起盛んに迎撃機を上げている。
帝国の航空基地は皇都の元羽田空港だけだ、それ以外はない、そこの防衛力を下げればやりたい放題だ。
「三沢基地よりさらにF35が7機あがりました。進路上には例のコードMが待機しています。」
「洋上のコードMに緊急無線!『敵多数がコードMに向けて行動中、直ちに退避されたし』以上だ。」
「了解、こちら皇都航空基地、洋上のコードMに敵多数が行動中である、直ちに退避されたし。」
『ありがとよ、これで目的の武蔵がどこにいるかわかった。』
「なに!?何者だ!!」
『元国防軍フェンリルコンバット大隊所属少尉、現在はクーデターとしてこの作戦を指揮している。』
「貴様、まさか、あの人体研究所を破壊した軍人か!?」
『あの局長はしぶとかった、初めてのスコアになってくれてありがとうって言っといてくれ、あの世でな。』
「貴様、待て!!」
『では諸君、健闘を祈る…フフフッ…ブツンッ、ズズ、じ、 じじ、ザーー』
「そんな、無線回路に侵入されるなんて、あり得ない!!」
これで武蔵がどこにいるかは予想がついた。
日本海にいるな、かなり沖に出てるから面倒臭いが仕方ない、俺がここで動かないとみんな死んじまうからな、少佐も大尉も中尉もめぐみも……
犠牲は少ない方がいいだろう。
「本当は死にたくないんだがな、ああ嫌だ、童貞で死んだら魔法使いにでもしてくれんのか?とにかく皇帝だけは殺させてもらう…」
準備はできた、あとはあの故人たちの武蔵(墓)をまた沈めるだけだ。




