3回目の…
「レーザー誘導確認、フォックスツー!!」
ドガァァン!
「迎撃機が上がった、こちらで対処する。」
「了解、トレボー1、2これより回避行動に入る。」
「こちらCIC、迎撃機確認、シースパローによる迎撃を開始する。1番、2番ハッチ開放。」
「ハッチ開放確認!」
「ロック完了しました。シースパロー発射許可を!」
「シースパロー発射を許可する。」
「シースパロー発射!サルボー!」
俺たちが宮殿を制圧しているうちに応援が来たようだ。
ハンブラビ帝国が確立されてから国防軍、自衛隊が両方解体された。
しかし俺たち国防軍も彼らもクーデターとして兵力増強を図り続けた。
今では自衛隊が所有していたイージス艦や護衛艦、ジェット戦闘機から攻撃機、爆撃機までクーデターの戦力に組み込まれている。
自衛隊は最新兵器で、俺たちはお古でこの国を転覆させる。
それはそうと何か不自然だ、皇帝がいる宮殿の守備兵があまりに少ない。
特別親衛隊を含めて見ても十数人しかいない。
この宮殿はブラフか?
いや、ありえない。この皇都の周りにはクーデターが仕掛けたカメラが十重二十重に設置されている。
皇帝が脱出したという無線は入っていない。
それに皇室に向かった隊長たちも皇帝がいなければ帰ってきて報告するはずだ。
まさか、隊長たちが罠にはめられた!?
それとも実力で負けた!?
普通ならどちらもありえない。
戦場では大胆に見えて1番慎重な隊長が罠にはまるはずがない。
この前は金属探知機なしで地雷を発見した異常者だ。罠にはまるはずがない。
かといって隊長が実戦で負けるはずがない。
長距離射撃を得意とするが近距離戦闘もかなり強い。
恐ろしい反射神経で訓練中に3、4回気絶させられたこともある。
噂じゃテロリストの戦車部隊をRPG7だけで行動不能にしたなんて話もある。
そんな化け物を倒せるはずがない。
「こっちは片付いたな、外もええ感じに制圧中や、皇室落とすぞ。」
「撫で斬りパーティーだぁぁ!!」
みんな嫌な予感に気がついていない。
しかし行かないと話も進まない。皇室を落としてやる。
そして嫌な予感は的中した。
皇室に倒れていたのは皇帝ではなく隊長と佐々木兵曹長だった。
「隊長!!」
皇帝は微笑みながらそこにいた。
「あなた方がクーデターの幹部ですか、親衛隊を片付けたことを見るとかなりの腕のようで。」
「お褒めに預かり光栄です、皇帝様。でもお褒めの言葉もなかったことになるのですよ、私があなたの命頂戴します。」
ついつい強気なことを言ったが内心ビビりまくりだ。
「少佐と大尉で隊長と佐々木兵曹長を回収してください。俺が前に出ます、犬神中尉は援護お願いします。」
「よし、隊長のことは任せろ。」
俺はその言葉を聞くと同時に二丁拳銃を披露するかのように発砲した。
第一射は囮、弾丸の死角から次の弾丸を撃ち込む、致命傷にならなくてもバランスを崩せば近距離戦闘に持ち込める。
理に適った攻撃方法だと自分でも思う。
俺の思惑通り皇帝は第一射をかわし、次もギリギリで避けてバランスを崩す。
ニヤッ(もらっ………た〜〜)
これで隊長にも倒せなかった皇帝をぶち殺せる!
「…!?」
俺の放った膝蹴りは見事に左手に止められていた。
「いやぁ、惜しかった。おっと自己紹介を忘れていた。私はソドム・ギレ・ハンブラビ、ハンブラビ帝国の皇帝です。」
「見てくれは紳士だが、中身は変態プレイを愉しむド糞野郎らしいな。貴様が処刑しようとしためぐみを覚えてるな?」
「ええ、逃げられましたが…」
「俺は何かとあいつと腐れ縁のある人間でな、あいつのためには尽くすタイプなんだよ。強いあいつがあそこまで怯えてたんだ、落とし前はつけさせてもらうぜ?色男さんよ!」
ズドンッ
言うことは言ってすぐさましゃがむと犬神中尉の弾丸が皇帝を貫いた…
と思った。
「!?馬鹿な…」
「実にチームワークが取れているがこの手の攻撃には慣れているんだ。」
まさかあれを避けられるとは。
「勝人!隊長は無事や!」
「直ちに離脱してください!ここは俺がなんとかします!」
「アホ言え!お前を待っとる女がおるやろが!帰るぞ!」
「必ず帰ります!でもここで俺が逃げるとみんな死ぬ!ここは任せてください!」
「ちぇっ…しゃあない、撤退するぞ!」
ここで俺と皇帝だけの空間が生まれた。
「さぁ、皇帝様?最近の不思議な現象にはあんたが関わっているんでしょ?」
「なんのことですか?私には存じかねます。」
「なんのこと?レイテ沖の海底から武蔵の残骸が消えたことですよ、諜報部の話では横須賀の造船所が最近ドッグに改造されたそうじゃないですか。」
「そのことですか、いや〜いいオモチャを手に入れましたよ。」
「おおかた、大和は爆散して修復に時間がかかるから沈没時に爆散しなかった武蔵を選んだんだろ?」
「我がハンブラビ帝国の財力の前には戦艦を持ち上げるだけのことは余裕です。」
「虐殺した日本人の財産をひたすら没収しまくったんだろ?」
「人聞きが悪いですね。」
「その余裕っぷり、大型戦艦を使用可能にするだけじゃないだろ。」
「よい感です。我々は近々クーデター殲滅作戦を開始する。そのために皇都を日本から再び移動させねばならないのです。」
皇都を日本から移動?
「!!」
気がついた、それほどのことをやらかすのか。
「テメッ…まさか、この島国に死の爆煙を振りまく気か!?」
「なんとも鋭い感、大変羨ましい。」
「ニヤついてんじゃねぇ!俺は割とガチで言ってんだ、核を…使う気か。」
「ええ、そのとうりです。」
「俺が言えたことじゃないが…狂ってるぞお前。トチ狂ってる。」
「高校生にして国防軍フェンリルコンバット大隊にまでのし上がった戦場の殺人狂がよく言えましたね。」
「ふざけるな、通常兵器ならまだしも核を…」
「ふざけるな?私からすればふざけているのは貴方です。商談の席に着こうともせずに武力で国を取り返すなど蛮行に値する。」
「席に付かなかったんじゃない、つけなかったんだ!手前らみたいなエゴの塊が俺たちを人と見て商談の席に座らせるはずがない!手前らの中では俺たちは蛮族、奴隷、畜生レベルなんだろ?それなら武力でなんとかするしかないだろ!」
こんな言い合いしに来たんじゃないんだが…
「挑戦せずになにが…」
「黙れ亡者が…」
ズドンッズドンッ
不意打ちでも直撃はしない。
どうなってるんだ。
「不意打ちですか、小賢しい。」
「やっと一発かすったな。かすったってことはお前も所詮は人間だ、隊長を倒したからと言ってお前も所詮は人間なんだよ。」
俺はそう言ってスモークグレネードを使った。
「逃げますか…」
あんな奴でも単体で相手をするのは危ない。
それにあいつはここを消すつもりだ、ここで死んだらこの情報も役に立たない。ここは安全策でいかせてもらう。




