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The GUN  作者: 中井
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2人の剣士

犬神中尉の方は片付いたようだがこの真逆とも言える2人は終わっていない。


桜木大尉とドルニエの勝負だ。


2人とも刃物を使う、桜木大尉は完全なる日本刀の二刀流でドルニエは西洋の剣を一本。


2人の性格は対照的だ。

桜木大尉は完全なるDQN(キ○ガイ)、一方ドルニエは礼儀正しい。


ドルニエの戦い方はよくわからんが桜木大尉の戦闘スタイルはひたすら暴れる。

しかしこのスタイルが意外にもしぶとい。

攻撃が全て鋭く急所だけをついてくる。

まあいま考えたら不思議なことでは無い。


桜木大尉は射撃訓練に絶対に来ない。

そもそも銃を使わない。

そのぶん大尉は素振りを欠かさず1日に5000回以上繰り返している。

強さだけを求めた変態だよこの人は。


「私の名はドルニエと申します。」


「ドルニエ?クソみてえな名前だな!俺は桜木だ、手前を冥土に送り込む死神とでも考えてな。」


ジョークなのかガチなのかまるでわからないよこの人。


「私の名が糞?この名は我が主人ソドム・ギレ・ハンブラビ皇帝陛下が孤児だった私に唯一つけてくださった名だ。それを汚すなど無礼にも程がある、恥を知れ!」


キンッ!!


突然斬り合いが始まった。


「どうした桜木、腰が引けているぞ?」


「あいにく、これがサムライスタイルなんでね!」


ギチギチとなる剣の間で2人が喋っている。


「どうだい?日本のサムライは強いだろ?外国の人よお!」


「自らを強いと申すか、その傲慢さ、笑止。」


接近戦の大斬り合いだ、これまで流血したことのなかった大尉が既に血を垂れ流している。


しかし、傷が増えていくのはドルニエも同じだ。

互いの攻撃がかすり会うたびに血しぶきが飛び散り、断末魔のような叫び声が響き渡る。


「いってえなあぁぁ!」


「我が剣で滅びろ!」


両者が同時に体当たりを仕掛けていく。


攻撃がもつれ合い2人の顔が近づく。


「まさか、その剣の紋章は…。」


ん?

何かドルニエが桜木大尉の日本刀の紋章を見てビビり始めたぞ。


「その紋章は、馬鹿な…あり得ない!」


「お気付きかい?そうさ、俺は裏じゃ有名な石川道場の120回生だ。」


石川道場?

桜木大尉の通ってた道場か?

初めて聞くから俺にはわからない。


「あり得ない、もうなくなったはずだ…」


「道場は消えても先生がいたからなあ。120回生は俺しかいなかったしな。」


「あの道場は我が父が消したはずだ!」


「そうだったのかい?じゃあ道場がなくなって約20年越しの果し合いだなあ。」


「あのイカれた道場の門下生などに我が聖剣術の使い手が破れるはずない。」


「我が道を信じ進むことこそが正道、しかし我が道を信じぬことを邪道とし我らは正道を貫かん。

道場の教訓だ。俺はこれでいいと思ってる。だからこれは正道だ!」


殺し合いはさらに激化していく。


キンッ!!


「この邪道めが!滅びろ!」


「あの世へは手前だけで行って来いや!」


激しく剣同士がぶつかり合い甲高い音を奏でる。

しかし桜木大尉の日本刀が一本折れた。


「この程度で武具を失うか、所詮は三流の他にあらん!」


「そうか、それならあんたもど三流だな。」


「何!?」


ドルニエの剣にはヒビが入っている。


「ば、馬鹿な!!」


「獲物にヒビが入ってるな笑。」


あれは桜木大尉が一瞬にしてつけたものだ。

恐ろしいものだ、俺からしても何も見えなかったんだから相当やばいんだろう。


「さあて、俺も血を垂らしたのはガキ以来だ、もっと殺し合いを楽しもうや。」


「狂人め。」


ドルニエは桜木大尉を蔑んでいる。

普通のことか、だって人殺しに快感を覚える人だからな。


殺し合いは熾烈を極める。

そのうち擦り傷だけじゃなく結構深い傷もできてきた。

流血は激しく、いつの間にか何故動いていられるのが不思議なくらいの流血になっていた。


その斬り合いもついに勝負がついた。

ドルニエの剣が桜木大尉の刀を砕いたと思ったら桜木大尉の刀の鞘がドルニエの手を砕いていた。


「使えるものはなんでも使うのが石川流なんでね、悪く思うなよ?」


「何故だ、何故こんな志のない者に私が…」


「俺に志がないだと?戯言ばっかりほざくなよ、俺にも志や目的くらいあるさ。」


珍しく桜木大尉がまともに見える。

腹を壊しただけで発狂するような人が流血に動じていない。


「俺はこの世の中を変えてやる。」


「何故世の中を変える?この国でなくよのなかをかえるんだ。」


「俺は道場に通っていたんじゃない、道場に拾われたんだ。」


「なんだって?」


「俺は裕福な家に生まれながら家族の愛に育まれなかった。5歳で家を追い出され、道場に拾われたんだ。」


これは初耳だ。

桜木大尉がこんな壮絶な人生を歩んでいたなんて。


「師範代にすでになくなったはずの石川道場のやり方を叩き込まれた。それでも愛されないよりはマシだった。

師範代は学校にも通わせてくれた。でも学校じゃ

キチガイだサイコパスだっていじめられてきたんだ。」


桜木大尉がいじめられるってどんなところだよ。


「俺は強さを手に入れたが普通の生活だけは手に入れられなかった。どれもこれも無責任に俺を産んだ両親のせいだ!

性欲に任せて猿みたいに腰ばっかり振る糞爺と淫乱婆あのせいだ。だから両親を殺してやったよ、気持ちよかったぜ?悲鳴をあげて血しぶきを吹き飛ばす無責任なド糞野郎どもをみじん切りにして熊のエサにしてやったんだからな!

でもそれとともに自分に課された使命も感じた、俺みたいな不幸な奴を増やしちゃダメだって、それが俺の世界を変える目的だ。」


「そんな意思があるなら、何故ハンブラビ帝国の傘下に入らない。」


「お前らのやり方は好きにならねえ。」


「だからといってクーデターに参加するのは間違っている。」


「やかましい!無許可に攻め込んできたような糞が口聞くな!死ね!」


桜木大尉の振りかざした刀はドルニエの肩から心臓まで深々と斬り込まれていた。

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