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遥か彼方の放浪者 ~The one chosen   作者: Fuyu
第三章
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リノアスは何処1

チグサは困惑した表情でバイツの授業を受けている。


いつも大人びている彼女がこんな顔をしているのが


珍しいのかサーナの顔からクスリと笑いがでる。


「なにかおかしな顔してるかしらわたし」


「あーそんなことない。珍しい顔してただけ」


眉を上げて言うサーナにチグサは察する。


「あなたにそんなこと言われる日がくるなんてね


一体なんなのかしらね」


「一言でいうならうーん。ネジ外れている人」


「悪く言うのは構わないけど貴方の知り合いでしょ」


チグサの言葉にウっとサーナは言葉が詰まる。


「でも武術は超一流。コウササソリを一撃で倒したのよ


こーう。シュッシュって」


放浪人の真似かサーナはパンチをして見せる。


「私の氷を見切るわ壊すわ。もう滅茶苦茶」


「彼と戦ったことあるの?」


「受験前にちょっとね。軽く手合わせしただけ」


そう言いながらヘエエと笑顔で応えるサーナ。


「それでどっちが勝ったの」


「わたし…だけどあいつ途中からよけなくなって


全部迎撃に専念してたから」


「まぁあなたの氷を回避するのは至難の業だけど」


「うーん。なんか体の動きが鈍くなっていったのよね


釈然としない」


サーナはうーんと腕を組む。


「それでもあなたの氷をそこまで壊せるなんてやはり実力はあるのね


だけど」


チグサは一呼吸置く


「それこそ目立つ行動は避けるべきだわ。進級チャンスを自ら


つぶしてしまうもの」


「わたしもまだ少ししかわからないんだけどそんなに


生徒会ってすごいの?それほどすごい奴がいるイメージないな」


「あなたは学園の手伝いにあまり参加してこなかったから同学年ぐらいしか


わからないかもしれないけど上級生のトップクラスはすごいのよ」


「そっそれぐらいしってるわよ。サイガとか私より精密な魔法を


使えたりするし」


その言葉にチグサはクスリと笑う


「サイガは別格よ。学園の勉強ではもう彼を教えられないから


そのかわりに研究室を自由にしていいとか言われるほど天才だし」


「えっあいつそんなにすごいの」


「むしろあなたなんで知らないのよ」


「だってあいつとは姉さんのことで悩んでた時声をかけてくれて


魔法を教えてくれたぐらいだから」


「まぁあなたその時成績は下の方だったからね。


たしかに余裕がないのも納得よ」


「いやーそれほどでもー」


サーナはニヤニヤしながら頭をかいた


「ほめてないわ」


「そこはよくここまで上り詰めたってほめてくれてもいいじゃない…」


「あなたは元々才能があったからよ。どんなものでも努力にも限界がある


特に魔法は才能ありきがから。貴方のお姉さん見ればよくわかるけど」


サーナは姉という言葉に反応する。


「うちの姉さんは今何してるのかしら…はぁ」


「……ずれたわね」


話が脱線したことに気付き。ゴホンっとチグサは咳払いする。


「とっとにかく私が言いたいのは上級生トップクラスの中でも


一目に置かれている生徒会長はかなりの実力者ということよ


もし彼がその実力を知った時果たして折れずにいられるかしら」


サーナは手を組み想像してみた。


放浪人がもし手も足も出ずに負けたところを……


「大丈夫じゃないというよりむしろ燃えるタイプ」


それは強く確信できるサーナであった。


---


広い校庭で各々制服から動きやすい格好になった


放浪人を含むパープルレッドの生徒たちは武術の授業を受けている。


「今日は身体能力を図らせてもらう。気負いしなくていい


そこから各個人のメニューを決めるだけだ」


クロンガが生徒の前に立ちいくつかの機材を持ってきた。


「はぁーなんかめんどくさいなー」


目の前に並ぶ機材にユオはかったるそうに肩を落とす。


「えー。わたしこういうの好きだけど」


ユオの言葉にアムが首をかしげた。


「そりゃー毎日早朝ランニングをするアウトドアな


アムなら好きなのはわかるよーでもわたしゃーインドアだよ


めんどくさくて無理無理」


「ユオちゃんの場合どっちも当てはまらないと思うなー」


アムは苦笑いをしながら頬をかいた。


「おーし。放浪人。俺の実力を見せてやるよー」


リクトリが腕を回しストレッチしながら気合を入れる。


「毎度毎度お前と比較されるからなーここはひとつ俺の


実力を…って聞いてんのか!ってツッコミを入れてしまった!」


辺りを見渡している放浪人にリクトリが頭を抱える!


「ん?なんだ?何か言ったか」


頭を抱えているリクトリに放浪人が気づく


「いや、だから今日こそは俺の汚名挽回を…」


「それより。リノアスが見えないな」


「ツッコミすらされない!?しかも話が通じてない!」


適当に流されたリクトリ。


「あーそう言えば。前の授業から全然戻ってきてないね


初日からサボりなんて見た目の割にやるね」


ハハーンとユオは顎に手をやり感心する。


「確かサーナちゃん達に呼び出されてからだっけ?


おまえ何か知ってるんじゃないか?」


リクトリが問いかけるも放浪人は肩をすくめた。


「しらん。俺は先に戻ったからな」


「ってことはあの流れでトップクラスの奴に啖呵切ったのか!


いったい何の話をしたんだよ」


「生徒会がに目をつけられてるとかなんとか」


「生徒会?なんでお前に」


リクトリが首をかしげる横でユオは納得するように頷いた。


「あーなるほどね」


「ユオちゃんわかるの」アムが問いかける。


「まぁねーホーロと話していた人がそうだよ。


初日にちょっとね」


「初日?もしかしてサーナさんに案内してもらった時」


「そーそ。別行動とったとき。ちょっとね」


ユオは放浪人にウインクする。


「おまえ。初日からすでに問題起こしてるのか


ていうか学園案内ってなんだその嬉しいイベント!


なんで俺に声をかけないんだ!」


「だってリックその場にいなかったし


そもそもホーロがサナーから道案内するって誘ったみたいだし」


「くぅぅ!くそなんでこいつばっかり。


それよりも初めて会った時もそうだったが


おまえとあのサーナちゃんどんな関係なんだ」


リクトリが放浪人に詰め寄るも


「あいつ一体どこ行ったんだろうな」


と無視してユオ達に訪ねる放浪人。


「えっ無視かよ!寂しい事するなよ」


リクトリがユオを見る。


「さぁー。ホーロが知らないとなると私たちも


知らないよ。寮でもあまり顔合わせないし」


「わたしも何度か部屋を訪ねているんですがいつも無反応で」


うーんと三人は腕を組んだ。


「えっ俺無視されてる!ツッコミ役ってつらいじゃん」


「あっと僕もしかしたら見てるかも」


悩むリクトリの隣の男子生徒が話かけてきた。


「えっ本当?」


「ああ。授業が終わって次の授業に向かうとき


廊下の窓から本を読んでるのを見た気がする。


見間違いかもしれないから特に気にはしなかったけど」


男子生徒の言葉に放浪人は確信が持てた。


「間違いなくあいつだ」


「あっやっぱりそんなんだ」


放浪人はため息をついた。


「やっぱりサボりだねーどうするホーロ声掛けとく?」


「ほっとけ。気がすんだら戻ってくるだろ」


そう言い放浪人は手首を動かした。リクトリは


そっと放浪人の腕に近づいた。


「なぁログちゃん。こいつやっぱりなんか冷たくない?」


「そんなことないと思いますよリクトリさん。


マスターは大体こんな感じですので」


「そうなのか?」


「むしろ最初の頃よりは大分…」


放浪人が腕を上げた。


「余計なこというな」


「了解しました。マスター」


ログが点滅する。


「あの。一応連絡メッセージ送っておきますね」


アムはバンドを操作し始める。


「さっすがアムちゃん!こいつと違って人間出来てるー」


「うるさい」


リクトリの言葉に反応する放浪人。


「それにしてもどこ行ったんだろうなあの子」


「おいおい。また目をつけられるのは勘弁してほしいぜ」


「でもちょっとすっきりした感じはあるよな」


っとまわりの生徒がざわめく。


しかし彼らは忘れている授業中だということを


「おまえら俺の存在忘れてないか…」


クロンガ名前と見た目の割に目立たない男。

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