格差の紋章
放浪人とユオは学園の廊下を闇雲に歩いていた。
「 ちょっとーホーロどこに行くのさ 」
「 気配がしたから見に行くだけだ。 別について
来なくていいぞ 」
「 いやー私も寝るところ探すからいいけどさ 」
ユオは頭に手を置き笑う。
「 マスター。 先ほどサーナさんからどこにいる連絡が入ったのですが」
「 後で返すって送っといてくれ 」
「 わかりました。目的地に着いたら場所を教えときますね 」
ログの返しに放浪人は少し考えたが頷いた。
廊下の部屋を横目で確認しながら奥に進んでいく二人
「 ところでさー。 ホーロとサナナーってどんな関係? 」
「 なんだ急に 」
「 いやートップクラスの知り合いがいるってなかなかないじゃん
ちょっと気になってさー 」
「 あいつとは砂漠で偶々出会ってからの仲だな 」
「 砂漠? なんでそんなところにいたのさ 」
「 色々ある 」
フーンっとユオは眉を上げ
「 ログなんか知ってる?」
ログに問いかける。
「 私がマスターを登録する前ですので残念ながらよくわかりません」
ログが何やら残念そうな音声を流す。
「 別に隠し事はしていない 」
「 本当に砂漠であっただけの仲? 」
「 まぁ強いて言うならサーナのおかげでこの学園を目指して来れたからな
そういう意味ではあいつは恩人かもな…ってなんだその目は」
「 いやいや。 なんでもー 」
ニヤっと笑うユオに放浪人は不審感を覚えた。
廊下の角を差し掛かった時
キンキンっと鉄がぶつかり合う音が廊下に響く。
放浪人がそれを耳にすると光に向かう虫のように音の方向に向かう。
「 気配ってこれのこと? 」
「 多分な 」
速足で歩く放浪人に対してユオは小走りで後ろについていく
「 音はそこの左を曲がったところです。どうやら
目的地に着いたみたいなのでサーナさんに連絡いれますね 」
「 ああ。そうしてくれ 」
チラリとログを見て頷いた。放浪人は
ログの言う通り途中で二つに分かれている廊下その一方の音のする方向
に進んでいくと大きな室内運動場が見えた。
それも実力テストで行われたステージより
遥かに大きい面積に大人数で座れそうな客席(vipルーム付き)
「 へーすごいね。 流石セインエイツ学園って感じ何もかも広い 」
広大な会場に放浪人とユオは驚いたように見渡す。
すると会場の中心で制服を着た二人の男が剣を交えて
闘っていた。テストの時と同様HPが表示されている。
一人は角刈りもう一人はモジャモジャのパーマの男
二人共ミツザワと同じ橙色と黒の制服を着ていた。
「 どっちもあまりかっこよくわないね 」
「 だが、 なかなかいい動きをしている 」
「 言うと思ったよ 」
呆れながらユオが笑う。
テストの時と違うのは時折立ち止まり下に落ちている
小さな赤色の宝石を拾う。他にもいくつか
回りに宝石が散らばっている。
「 あれはなんだ? 」
「 あの宝石? あれは魔石だよ。 あれを使うと
一時だけだけどその色にあった魔法が使えるようになるんだよ
魔術や魔法が使えない人や対等に戦いたい時に
発動するんだよ。やっぱり高等部にもあるんだね」
懐かしむようにユオは眺めた後放浪人の腕を掴んだ。
「 ねーねー私たちも使わない? 武術を使わない縛りで 」
「 それ俺が不利だろ 」
「 ヘえー逃げんの」
「 断っていない。 別に構わん 」
「 おっしゃ。 決まりだね。 私の実力見せてあげるよん」
放浪人とユオが会場内に入っりステージの階段に差し掛かった時
先ほど闘っていた二人は動きを止めた。
「 おい見ろよ。 パープルレッドだぜあれ 」
「 ああ。 しかも女連れとは生意気な 」
そう言うと男達は放浪人達に近づいた。
「 おいおい。 ダメだぜここにパープルレッドはここに来ちゃ 」
「 そーそ、 デートなら他でしな 」
その言葉に放浪人は首をかしげた。
「 どういうことだ 」
「 ここは、 お前らみたいな底辺が来るところじゃない
これを見てみろ 」
そう言うと男は宙に画面を表示でするとオレンジ色のライオンとガチョウ
そして隣には黒と青そして緑の色の三つ首の狼の紋章が表示された。
「 なんだその変な生き物は 」
「 えっホーロ知らないのこの学園クラスの紋章だよ
因みに私たちクラスの紋章は 」
ユオは隠れて画像を表示させた。
それは、黒紫の狼と赤い鷹そして翼の紋章。
男が表示させた中にはその紋章がなかった。
「 わかったかー。 この通りお前らパープルレッドは
ここに無断で使ったらいけないんだ」
「 わかったら帰りな。 でもそこの嬢ちゃんはいてもいいけどな
男は出ていきな 」
しっしと虫を追い払うように男二人は手を払う。
「 だってさ。 ホーロ帰れってどうする帰ろっか 」
「 ……いや 」
そう言うと放浪人は階段を上り
「 だったら。 お前たちどちらか俺の相手をしてくれ
それならいいだろ 」
といい壇上に立った。その態度に男達はイラっとしたが
放浪人の顔を改めて見てハッとする。
「 こ、こいつ教頭に勝った。受験番号6番の奴じゃないか! 」
「 ああ。 そういえば! しかも隣にいるのは
中等部から飛び級してきた双子の1人か! 」
男二人は驚いた顔で二人を交互に見た。
「 双子の1人ユオだよーなになに。 私たち有名人ー。 いやー照れるな
あっサインと握手はまた今度で 」
ユオは照れくさそうに頭をかいた。
「 おい。そこで何をしている 」
客席扉から一人の男が階段から降りてきた。
茶色い髪のトップグリーンの制服を着ている男。
「 誰だあいつ 」
放浪人が訪ねると角刈りの男が嫌な顔をする。
「 あいつは、 シーズニング。 最近トップクラスに上がった奴だ」
「 俺達と同じミドルオレンジだったころは、 トップクラスに
ヘコヘコしてたんだが。 最近上がって調子こいて
俺らを馬鹿にするようになったんだ 」
パーマの男の男が付け足すように告げた。
「 何かいったか? 」
「「いや何も」」
男二人は首を振る。
「 それで、 我が学園の神聖な決闘施設にお前たちミドルオレンジなら
まだしも何故パープルレッドのゴミが入ってきている 」
シーズニングと呼ばれた男が放浪人達を指さした。
「 ゴミって随分失礼な奴だな 」
ユオは不機嫌な顔でシーズニングを睨んだ。
「 っと。 よく見ればこの間の予備試験の受験生じゃないか 」
「 そうなんだ。 シーズニング!こいつこの間実技テストで
教頭を破った男だ!しかも隣のこいつは中等部からの飛び級した
双子の1人ユオだ」
角刈りが前に出て説明するとシーズニングはニヤリと笑い客席の前に出た。
「 おい、 おいそこの6番とそしてユオ。 ここに何の用だ
まさかそこにいるミドルオレンジと戦おうとしているのか 」
角刈りとパーマの男を顎で指すシーズニング。
もちろんその態度に二人は拳を握りしめて怒っている。
「 ああ。 そうだ。 ちょうどその話をしていたところだ
そこの二人に俺の相手をしてくれってな 」
「 私は違うけどね 」
放浪人は拳を握りやる気満々で笑う。
「 なるほど。 確かに教頭を倒したお前がパープルレッドってのは
不服かもしれないからなーミドルオレンジに勝って早く昇格したいってところか 」
シーズニングは放浪人たちを見下しほくそ笑む。
「 いいんじゃないか。 お前たち相手をしてやれよ 」
「 てめえ!シーズニング! さっきから舐めた態度取りやがって
たまたまトップクラスに上がれたからって調子こいてんじゃねーぞ! 」
角刈りは唾を飛ばしながらシーズニングを怒鳴り散らす。
するとシーズニングは少し怒ったのか手すりからステージに降りてくると
角刈りの胸ぐらをつかんだ。
「 あまり俺を怒らせるなよー。 俺のバックに誰がついているか
わかってんのか 」
ギッと睨みつけると角刈りは口をつぐむ。すると
パーマが二人の間に割って入った。
「 いや。 スマン。 最近ちょっとこいつ機嫌が悪いんだ。
そうだよな。 アハハ」
「 ぐっぅ! 」
角刈り男何も言い返せないのか歯をギリギリとさせている。
「 あいつら急にどうしたんだ 」
シーズニング達のやり取りに放浪人が指を差すと
ユオはさぁっと肩をすくませた。
「わたしが教えて差し上げましょうか?」
すると放浪人とユオの後ろから声がかかる。
二人は後ろを振り向くとステージの上の客席から
飛び降りてきた。橙の制服を着た女生徒だ。




