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遥か彼方の放浪者 ~The one chosen   作者: Fuyu
第二章
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学園案内

放浪人はドアを閉め階段を下ると丁度


ユオとアムの二人が談笑しながら階段を


降りたところだった。


「 あ、 放浪人さん」


アムが気づいて声をかけてきた。


放浪人は手を上げて挨拶を返す。


「 いやいや。 アム、 ここでは放浪人じゃなくて六番だよ 


ねっロック」


「 あだ名付けるな 」


放浪人はため息をつきながら階段を降り切った。


「 ところで丁度よかったよ 」


「 丁度良かった? 」


ユオとアムが放浪人に近づいてくる。


「 今から歓迎会まで学園を回ろうと思うのですけど 」


「 ホーロも一緒にどうよ。 リノも誘ったんだけどさ


やることあるからって断られちゃってさ 」


その誘いに放浪人は顎に手をやり少し考える。


「 あれ、 もしかして用事あった? 」


「 いや、 俺も今から学園を回ろうとしていたところだ 」


「 おお。 いいねじゃあ行こう行こう 」


そう言うとユオは放浪人の腕を引っ張る。


「マスター 良いのですか? 」


ログの言葉に放浪人は肩をすくめる。


「 いいんじゃないか。 ついでで 」


「 どうしたのログ? 何かあるの 」


「 微妙なところですけど 」


ログの答えにアムは首をかしげた。


----


「 なるほど。 だから来たのね 」


学園のエントランスで青と緑色の制服を着たサーナが


頭に青筋たて腕を組んで立っている。


思いのほか機嫌が悪そうだ。


「 ついでだからな。 まぁ俺一人案内するのも三人案内するのも


変わらないだろ」


放浪人は特に気にせずカラっとこたえる。


「 確かに変わらないけど! 」


サーナは深くため息をつきバンドのメッセージを確認する。


放浪人が寮である程度片づけをしていた時。


ログにサーナからメッセージが入った。


その内容が学園を案内するという内容。


「 アムです。よろしくお願いします 」


「 ユオでーす。 よろしく 」


双子が挨拶する。


「……サーナよ。 よろしく 」


納得いかないっと思いつつもサーナも挨拶を返す。


「 まさかホーロに学園の友達がいるとは驚きだね 」


「 そうだね。 しかもトップクラスだよ。 すごいよね 」


アムが嬉しそうな顔をする一方


ユオはニヤニヤしながらサーナを観察する。


「 ちょっとなによ。 私の顔に何かついてるの 」


「 もしかして。 私たちお邪魔かなーって思って 」


「 なっ! 」サーナの顔が徐々に赤くなる。


「 何言ってるのよそんなはずないじゃない! 私はただ


こいつが学園に迷わないように親切に教えてあげようとするだけ


ボランティアみたいなものよ! 」


「 随分ひどい言われようだな。 否定は出来んが


だが俺にはログがあるそうそう迷子になるなんてことは…」


放浪人がログを見せつけた。


「いくらログでデータをちゃんととったからって細かい


ことまでわからないでしょ!ね!ログ」


ズイっと詰め寄るサーナに気押されたログ


「 サーナさんの言う通りですマスター。 わたしも細かい所データは取れません


やはり実際通う生徒に聞いた方がいいと思います 」


「 そんなもんなのか 」


放浪人は頭をかいた。


「 じゃあ、 気にせず私たちもあやかろうかねー 」


「 ええ!あやかってもいいわよ。 ついて来なさい 」


サーナはそう言うと腕についているバンドを操作しながら


不機嫌そうに歩き出す。


「 あいつ、 何怒ってんだ? 」


「 突然ついてきたから怒っているのでしょうか 」


「 流石に連絡入れなかったのは不味かったか 」


アムと放浪人は顔を見合わせるついて行く


「 違う。 違うんだなー。 二人とも 」


ユオはため息をついた。


その上空をシショウが飛び回り


「アホーガー!アホーガ!」と鳴いていた。


----


セインエイツ学園の内部はとてもきれいで


多くの施設がもうけられている。


肉体を鍛えるトレーニングルーム。


様々な研究をするための資料や機材がある実験室。


多くの本棚が立ち並ぶ資料室。


勉学以外にも部活動が自由に行える大きなグラウンド。体育館。


サーナが一通り説明していく。


「 まだまだ施設はあるけど主に使うのはこの辺かしら 」


「 やっぱり中等部よりすごい。 来てよかった 」


アムは楽しそうに目を輝かせている。


「 そう言えばアムとユオは中等部からだっけ


なら基本授業の感じも同じだから安心していいわよ 」


「 それよりもさー。 サナナー。 昼寝できるところとか


授業サボれるところない? 」


ユオの言葉に隣を歩いていた放浪人もうんうんと同意する。


「 それは自分で探しなさいよ。 というかサボる気満々かい 」


サーナは呆れた顔で二人を蔑む。


「 すいません。 ここの青いマークがついている所はなんですか?」


アムは地図に表示されている青い三角マークの目印を指さした。


「 それはトップグリーン。 つまりトップクラス専用の施設ね


他にもミドルオレンジが使える施設もあるの 」


「 私たちパープルレッドは使えないんですか? 」


「 区分されている施設は使えないわね。 トップグリーンは逆に


全ての施設を使えるけどパープルレッドって使える施設が


最低限しかないのよね」


「 そうなんですか 」


「 学園側の主張ではパープルレッドはトップグリーンとミドルオレンジとの


実力差を兼ねてあえて差別しているらしいわ。 


けど生徒内はそうじゃないけどね 」


「 どういうことですか 」


「 生徒の中にはパープルレッドは落ちこぼれって立ち位置で見ているのよ


いじめもあったり同じ同学年の中でも敬語を使えと主張してくるわ 」


「 ええ。 そうなんですか。 いじめられないかな… 」


「 アムとユオは、中等部からの飛び級組だから問題ないから


安心していいと思うわよ。飛び級はそんなにいないから


すぐ有名になるしちょっと経ったらミドルオレンジに昇格できるしね


それに、 そんな絡んできた奴がいたら私が黙らせてあげるわよ 」


サーナは胸を張った。違いはわからない。


「 ありがとうございます。 トップクラスってだけですごいのに


サーナさんは優しいんですね。 今度魔法とか教えてください 」


アムは手を合わせ尊敬な眼差しでサーナを見ると


イヤーと顔を背け照れる。

 

「それぐらい、 いつでもいいわよ。 連絡先教えるわね。


それにしてもアムは、 いい子ね! わたし上しかいなかったから


妹が欲しかったしちょっとうれしい。 ね。 あんたもそう思う? 」


パッとアムから目を離すとそこには放浪人とユオの姿がなかった。


「 あっあれ? ユオちゃん? 」


アムも今気づいたらしいサーナの一緒に辺りを見渡した。


「 ちょっとあいつらどこに行ったのよー。 まだ説明してる


途中なのに! 全く」


「 すっすいません。 もしかしたらユオちゃん昼寝


できるところを探しに行ったんじゃないかと 」


「 放浪人もそれについて行ったのかも…


 参ったわね。施設表示の説明ちゃんと聞いてのかな


下手に施設に入ってトップクラスの人に見つかったら大変なんだけど 」


サーナは頭をかきながらため息をついた。


「 っていうか。 あいつ何わたしに黙って勝手に行動してるのよ


ホント自由奔放だわ! 」


「 サーナさんと放浪人って仲がいいんですね 」


「 えっ何よ急に 」


「 だってそういうふうに心配してますし 」


「 こ、 これは。 えーとそう!一応わたしの知り合いだし


何か問題があったら私の名前が出るじゃないそれが嫌なだけよ」


プイっと顔を反らし反応するサーナ。


「 はぁー、 なるほど。 私とユオちゃんみたいな関係なんですね」


「 い、 いやそれはちょっと違うかな… 」


アムの答えに若干不服そうな顔をする。


「 とりあえずログに連絡して探さないと。 もうすぐ歓迎会が始まる


時間だしね 」


「 そうですね。 私もユオちゃんに連絡してみます」


二人はバンドを操作した後放浪人とユオを探すため


一緒に施設を回るのであった。

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