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遥か彼方の放浪者 ~The one chosen   作者: Fuyu
第一章
76/321

実技試験

セインエイツ学園は午後の授業が休みで


各々自由行動をしていた。


普段なら真っ直ぐ寮に戻ったりもう一方は研究室や


部活動にいそしんでいる生徒が多い


しかし今日はほとんどがある場所に待機していた。


今回の補助生徒試験の会場。


中は中心を囲むように各階層ごとにスタンド席が設けたられ


中央には競技をするステージがある。


スタンド席にはまばらだが何人かの生徒がステージに


注目して見ていた。


集まる理由は生徒によってばらばらで


ただ何となく来ただけの生徒、


自分のライバルになれそうな人物か確かめるための生徒


入る生徒の実力を見る生徒


知り合いが受けると聞いて応援かねてくる生徒


自分が受かっている余裕の中必死に受かろうとする受験生を見て


優越感に浸りたいだけの生徒


と理由は様々


多くは実技試験の内容、目当てで来ている。


この学園にとってはイベントの一環


毎回変わる種目。面白いものもあればつまらないものもある


当たり外れもあるが教師自ら実力を測る実技試験もある。


普段実力がわからない教師がテストだからといえ実力の片鱗を目にすることができる。


今まさに今日が当たりの日


現在。普段教鞭に立つ教師が受験生と実技試験と称した試合が行われている。


生徒たちの注目しているステージでは魔法で作られた大蛇を体に纏わせ


正装した教官の姿とそれに立ち向かおうとする受験生。


「いくぞ受験番号2番ミツザワ・フェヌア!」


「はい!いつでも大丈夫です」


ミツザワは意識を集中すると炎の剣を作って見せた。


その姿に教官が感心する。


「ほう、固形でもない炎をそこまで形にするとは噂通りのようだね」


「ありがとうございます」


「でもしっかり実力を試さしてもらうからね」


「わかっていますよ。俺もこの程度ほんの一部分ですから」


「いいね。ではゆくよ!」


教官とミツザワの戦いが始まった。


「あれが噂のミツザワか。なるほど噂通りの実力みたいだな」


試合の座席で偉そうに座る生徒が鼻で笑う。


「すごいよな。教師からの評価も高そうだしお前と同じ


トップクラスになるかも」


「逆だ。あの程度ならせいぜいお前ぐらいだ。入学したら


俺のようなレベルの高い奴らにもまれるのさ」


「おうひでえな。お前も余裕こいてると抜かされるぞ」


すると威張る生徒の肩をもう一人の男子生徒が叩く


「おい見ろよ噂をすればトップクラスのお仲間がきてるぜ」


指さした先そこには友達と一緒に中央ステージを見ている。


サーナの姿があった。


「もうすぐ終わりね。今回はなかなか面白い人多いわね


ねっサーナ」


隣にいる綺麗な女性が訪ねるとサーナはボケっとしながら


応えた。


「あーうん」


「今試験しているミツザワ君にその前やっていたリクトリ君、


それに中等部の双子の子達。今年の中途入試はみんな優秀らしいわ」


「そうね」


「でもちょっと引っかかるのは双子の髪の短い子よね。


なんだかわざと手加減して試合を引き延ばしてる感じがしたけど…」


「のばしたんじゃない……」


「もう」


隣にいる女性が手を伸ばしサーナの頬を引っ張った。


「いててててて!」


涙目になりながら掴まれた手を振りほどいた。


「ファニするのよ!伸びるじゃない」


「伸びないわよ。何をボーとしてるの」


「ボーとなんてしてないわよ!」


「じゃあ今試合をやっているのは?」


「えっえーとえーと」


焦りぎみに試合に焦点を当てた。教官の蛇のような


固い岩石の応酬に炎の剣を纏った剣でいなし


華麗にかわしている。その顔は確か見覚えがある。


確か放浪人と一緒に受験生用の宿舎に来た時会った。


「あれは…リクトリね」


「ミツザワ君よ」


「えっ……ああミツザワね。アハハ」


隣の女性は呆れた様子で頭に手置いた。


「何か気になることでもあるの」


「気になることなんてないわ。うん」


「ホントに?ここに来るときは結構元気だったのに


しばらくしたらボーとしたりして


もしかして試験を受けている中に知り合いでもいるわけ?」


「そそ、そんなことない」


「そうかしら、そういえば実技試験これで終わりらしいわね」


「えっ嘘」


女性の言葉にサーナが慌てた様子で現在の試験番号が


表示されている電光掲示板を確認する。


その様子に女性はクスリと笑みを浮かべた。


「嘘よ。サーナあなた相変わらず隠し事できないタイプよね


素直というか」


「っち……ハメられた」


「それでなんでぼーとしてたのか教えてくれるのかしら」


サーナは口を尖らせすねた様子で試合の方に目を向けると


肩をすくませるも女性は特に気にする様子もなく視線を戻した。


試合はミツザワが有利な状態で進んでいっている。


炎の剣で蛇のような岩を一個一個確実に切断していく


教師の動きを見切り少しでも岩を追加しようものなら


生成する前に岩をぶつけ壊していく。


岩を確実に壊すたび生徒の関心も彼に注目が集まっていくのがわかる


「すごいのね。彼教官の動きを察知して行動しているし


確実に岩を破壊する攻撃。見事ね」


友達が感心している顔を横に


「あいつの方がもっとすごいわ」とつぶやくサーナ。


その二人の背後の方から近づいてくる足音


「なんだお前たちもきていたのか」


後ろからの低い声に二人が振り向く


回りの生徒たちと少し色の違う制服をスラっと綺麗に着こなした。


緑色の長い髪に矯正な顔立ちの男が立っていた。


「あら、あなたも来ていたのね」


女性が手を上げ挨拶をする。


挨拶に応えるように男も顔を縦に振り頷いて見せた。


「ああ。ちょうど研究もひと段落ついたところでな。


様子を見にきたんだ」


そう言うと男は感心した様子で試合を眺めた。


「あれはミツザワだな」


「知ってんの?」


サーナの隣立った男は頷いた。


「以前から教師の中で噂になっていた。学園内が出している難関クエストを


相棒のリクトリと共にこなした他、個人でもいくつか討伐クエスト


達成している実力者だ」


「じゃあ今後あなたのライバルにられる存在ってことかしら」


その言葉に男はフッ眉を上げ笑う。


「どうだかな。だが見ている限りいい動きをしている


少なくともこの実力ならすぐトップクラスに上りつめるだろうな」


丁度試合も佳境時。


崩れ去った岩の間に教官が肩で息をしながら


ミツザワに視線を合わせ笑っていた。


「はぁはぁ。やるではないかことごとく私の魔法を察知して


次の行動に瞬時に取れる。実戦経験も申し分ない


君ならもしかしたら学園のトップになれるかもな」


「お褒めいただきありがとうございます。けど自分は


まだまだです。それにもっとすごい奴はいますから」


そう言うとミツザワは炎の剣に力を込めるように強く握った。


「すごい奴?それは君の相棒のリクトリ君のことかな


確かに彼も優秀だが君ほどでは…」


いえっとミツザワは首を振った。


「確かにリクトリは自分の相棒で頼りになれますが違います」


「ほう、では誰かね」


そう言うと教師はヒッソリと背中に蛇のような岩を生成して固めていく


だがミツザワがその様子を察し身を屈め笑う


「そいつはですね。今どこで何をしているか知りませんが


きっと先生のお目にかなうことでしょう」


「ほうほうそれはたのしみです……ね!」


瞬間教官の背中から岩でできた蛇が現れると長い尻尾の


ようなものでミツザワ目掛けて振り下ろす。


しかしミツザワは鼻で笑うように剣を引くとそのまま教官


めがけて走った。


「早いがその程度ではこの岩は崩せませんよ」


そう言うと教官は自分の目の前に岩蛇を戻し再び攻撃を


指示したその時!岩蛇はボロボロと崩れていく。


「なに。どうしてだ」


教師が驚く顔。しかしミツザワは余裕な顔で


「知っていましたから」というと


剣を前に出すと炎の渦が教官を巻き付けそのまま


天井に火柱があがるくらいの威力の炎が上がる。


そしてその一瞬で教官の頭上にある大きな掲示板に


表示されている顔写真の下に添付されているHPと


記述されているバーがどんどん減っていき


最後はバーの表示が消えた。


すると試合を終わらせるブザーの音が部屋中鳴り響いた。

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