旧校舎
バンドに表示されている地図を頼りに放浪人は
海沿いにある建物を目指してあるいていた。
人が多くいた街並みを抜け今度は自然豊かで
人が少ない見晴らしのいい道。
5分くらい歩いて行くと放浪人はある違和感を覚えた。
前には誰もおらず後ろを振り向いても誰かがついてくる気配がない
(妙だなミツザワ達は自分よりもっと前に出たのか?)
念のためバンドを確認するも記述されている
場所はこの先の崖沿いの建物で時間も9時30からとなっている。
疑問に思いつつ放浪人は歩いた。
進むにつれ民家もなくなり木や雑草が生い茂る道。
すると放浪人が立ち止まった。
足跡が2人分しかなかった。
明らかにおかしい
先に行っているなら4人分の足跡がないといけない
放浪人はしゃがみ込み足跡を確認した。
二つともまだ新しい一つは小さな足跡。
そしてもう一つは大きな足跡この足跡は小さな足跡に
踏まれいるのを予想すると一番先に来たと予想できる
放浪人はもう一度後ろを向き確認するも来る気配がない
(少し急いで行くか)
地面を蹴り静かな道を放浪人が走る。
少し経つと海の匂いが鼻につく
そこに古びた建物がポツンと立っている
ここか……益々放浪人の疑惑は強くなった。
どうみても随分使われている様子もない。
もう一度バンド確認するも表示はここを差している。
時間は9時を少し過ぎたところ…
放浪人はため息をつき重苦しい鉄製のドアを開けた。
中も表、同様古びた内装で薄暗く。
床が埃だらけで湿気った匂いが充満している。
それどころか人の気配すらない
(本当にここなのか)
バンドの矢印はまだ表示されており奥の廊下を差していた。
先の先客が通ったのか床には小さな足跡が奥に続いている。
「誰かいるか」
声を上げるも返答は返ってこない
「いないのか!」
繰り返し声を上げるも返答はない。
放浪人はため息をつきしかたなしに床についている足跡に続き歩きはじめる。
廊下にはところどころ写真が飾っており写っているのは
この学校の制服だろうかみな同じ上着を着た楽しそうな
若い男女と小じわが目立つ男。
何枚か飾られていた中に昔だろうか綺麗だったこの
建物と廊下が写っている
(どうやらここは、昔の使っていた校舎みたいだな)
空き部屋の小窓を見ると理科の実験室で使われる
大きなテーブルにいくつか割れたビーカーや
スポイトが置きっぱなしに置いてある。
かつては楽しい思い出を作る場所だったここも
今は見る影もなくさびれていた。
そんな寂しい校舎の廊下を横切ると廊下のつき辺りに
上にはついていたプレート痕が残る2枚ドアが見えた。
そこから微かだが光が漏れている。
下についている足跡もここのドアを開き入った
形跡がしっかり残っていた。
(さーて、先に来たのは誰だろうな。足跡から察するに
ユオかアムだが…アムだろうな)
そう予想してドアを開けた。
しかし部屋はもぬけの殻。
中央にさびれた机と奥には何も入っていない本棚があるだけだ。
誰もいない部屋に放浪人は辺りを見渡しながら入っていく。
「誰もいないのか?」
返答はない。声がむなしく響く。
しかし放浪人は何かを感じ取った。
「いるのはわかっている。出てこい」
放浪人が窓を見た。彼の目に映るのは青色の海だけだ
「出てこないなら。こちらから行くぞ」
そう言うとズンズンと窓際に近づいていく
すると微かだが窓の近くにあった机がガタンとなった。
すかさず放浪人は手を伸ばす。そして何か見えない物を掴んだ。
「あっ」見えない所から声が漏れる。
途端に放浪人の掴んでいる所から肩、手足、体、そして顔が姿を
現した。
黒い瞳に全体的朱色に黒が混ざり合う肩まで伸びた髪の少女だ。
「……何故わかった」
少女は疑問の顔を浮かべる。
「気配と足元」
放浪人は下を指さした。埃被っている床に不自然に通った跡が
わかるぐらいの足跡があった。
「…うっかり」
少女はガクリとうなだれた。その腕には放浪人と同じ
バンドがつけられている。
「おまえ、受験所にずっといたやつだな」
少女はこくりと頷いた。
恐らくリクトリが姿が見えないというのは
透明になっていたせいだろう。
「なんで姿を消した」
少女はジッと放浪人の顔を見る。
「……つい。危険を感じたから」
「危険?」
「もうすぐ時間なのに誰もこの部屋に入ってこないから」
「確かにそうだな」
現在の時刻は9時15分いくら何でも誰もいないのはおかしい。
「だがお前もこのバンドに記された通りに来たんだろ
ということは会場はここで間違いはないと思うが…」
納得いっていないのか少女はもう一度バンドを操作し始めた。
放浪人はため息をつき適当に椅子を手前に引っ張り
座り込んだ。
すると廊下からコツコツと誰かが近づいてくる音が聞こえた。
少女が身構え机の角に隠れる。今度は透明にならないようだ。
足跡はドアの前で立ち止まるとドンと勢いよく開いた。
入っていたのは何度も顔を合わせた受験生の人間ではなく
身長がかなりでかくガタイもいい黒ずくめのサングラスを
かけた見るからに怪しい男が入ってきた。
男は腕についている黒いバンドを確認し放浪人ともう一人の
少女を確認すると口を開く
「どうやら。これで全員のようだな」
その言葉に放浪人は眉をひそめた。
「全員だと?何を言っているまだ4人きていないぞ」
放浪人の言葉に黒ずくめの男はフンと鼻で笑うと
バンドをもう一度操作し画面と交互顔を確認する。
「おまえが放浪人だな。なるほど話通り生意気な男だ。そして」
男は放浪人から離れた席の角に身をひそめる少女を見る
「顔は確認できないがここにいるということは
お前がリノアス・カークか、そこで隠れてないで出てこい」
男は偉そうに首を上げ命令すると。
リノアスはおずおずと机から顔を出した。
その様子に男はもう一度鼻で笑い
「なるほどな」と納得したようにうなずいて見せた。
「間違えてはいない。これで全員だ」
男が教壇の前へ移動し二人を見た。
「俺達だけで試験をするのか?」
「いや違うね」
放浪人が訪ねると男はほくそ笑みバンドを確認すると
放浪人たちを見て口を開く
「お前らは試験の試験はもう終わったんだ」
「なんだと」
放浪人は思わず机に身を乗り出し
離れた席にいたリノアスも流石に反応を示す
「理解できんか?お前たちは不合格だ。だから
試験を受ける必要はないということだ」
「いきなり出てきて不合格とはどういうことだ!
貴様ふざけているのか」
「ふざける?フン。ふざけてなどいない
俺の名はブラゴフ。お前らみたいな落第者に通告する為にここにいる」
するとグラゴフと名乗った男はバンドを操作して
放浪人たちが見えるように文字を表示した。
放浪人は目を疑ったそこには
セインエイツ学園の試験結果と記され
そして放浪人とリノアスの名前そしてその下には
不合格という記されている。
「これで分かったか。お前らの試験結果はもう出ているんだよ」
勝ち誇った顔で笑うブラゴフだった。
なんで匂いがする物って死体ばかりなんでしょうね
プランクトンとかダニとか




