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遥か彼方の放浪者 ~The one chosen   作者: Fuyu
第一章
71/321

受験前夜

夜。受験宿舎の大広間に明日の受験を控えた


5人が集められた。


相変わらず1人は来ていない。


「それでんは、皆さん明日はわが校の試験は


悔いが無いように頑張ってくださいん」


ロドベル教頭が手を後ろに組み受験の説明を終える。


「それではー今からん。皆がつけているジャーバンドをん


回収するのん。代わりにこの由緒正しい受験者用の


ジャーバンドを渡すのんね」


そう言うと一人一人のバンドを回収して


代わりのバンドを渡していく


「ちょっとの別れだな」


放浪人はログを外しながらつぶやいた。


「がんばってください。マスター」


「ああ。わかっている」


教頭は怪訝な顔で放浪人を見た。


「何をブツブツ言っているん」


「何でもない持っててくれ」


「ホント敬語使わんのね!」


教頭は放浪人からログを無理やりひったくると


代わりのバンドを渡した。


「ん?あと一人いないんね」


教頭は辺りを見渡す。すると彼の頭上にジャーバンドが


振ってきた。


「いて」と辺り慌てて頭上を見るとそこにはもう


姿はなかった。


「くううこのおおん」


文句を言う相手もいなく唸ることしかできなかった


「ふん。とんでもない非常識なやつん!そんな奴に


子の受験者用バンドは…あれん」


気づくと教頭の手に持っていたバンドはなくなっていた。


「なくなっているん……っは!」


するとプカプカと浮きながら放浪人達の前を横切り


二階の塀から手だけ出してバンドをひらひら見せびらかした


「くうう。なんてズボラな奴なのん!」


怒りに手を震わせるも諦めて先ほどいた台に上った。


「ひゅーいかすねー」


「そうだな」


放浪人とユオは感心した様子で上を眺める。


「降りる気はないのかなー」


「いやいやまだ謎の人物やってる方がカッコいいじゃん」


「もうユオちゃんったら」


アムはため息をつく


「あいつ放浪人と同じ非常識なやろうだな」


「しかしムーブ魔法の精密さはすごいな」


「おまえ誰でも感心するな」


それぞれ喋る受験者達に教頭はゴホンと強く咳ばらいをした。


「いいですかんーそのつけているバンドに明日の


受験規約や受ける場所、時間帯などん細かーく記されていますん


それぞれチェックするように」


「あのちょっといいですか」


「はい。ミツザワ」


教頭が指さすとミツザワは画面を表示させた。


「記されてない項目があるのですが」


そこには受験規約だけで場所や時間は記されていなかった。


「おう。これは失礼今夜までにデータを送っておきましょうねん」


ニヤリと何か悪だくみを含んだ笑いをした。


「何かよからぬこと考えてすって顔だよ。あれ」


「フフ。わかりやすいよね」


双子は顔を見合わせる苦笑いした。


「ぬあ!べ、別んに悪いことなんて考えてないん!


人聞きの悪いん」


ぷんすか怒る教頭。その姿にミツザワは首をかしげた


「それにしても試験担当って確か教頭じゃないはずだが」


「あー確かに模試を受ける時きた先生だったなー


あのいかつい顔した」


彼らは知らないその先生は謎の病気で布団の中で寝込んでいることを


「それでわーん!皆明日の試験頑張ってくさいん


ヌススススス」


気味の悪い笑いをするとドアを開き足取り軽く


出て行った。


「ふう。いよいよ明日だな。みんな大丈夫そうか


特に放浪人」


ミツザワはポンと放浪人の肩をたたく


「まぁなんとかな」


「そうか。ちゃんと準備はしていたんだな」


ミツザワが安堵の表情を浮かべた。


「アム、ジャーバンドの使い方わかる?」


「うん、大丈夫。基本操作は覚えてるから」


「そろそろ自分のジャーバンド持ちなよ」


「学園に合格したら契約する予定しようかなって」


双子の会話をだらしない顔でリクトリは眺めている。


「あーいい。とてもいい可愛い女の子の会話」


「ブツブツ何を言っている?気味悪いぞ」


「うっうるせーな。お前に言われたくないわ!このむっつりやろう。


ログがいなくて寂しーじゃないかー」


放浪人はフンと息を漏らすとそっぽ向いた。


「あらら。結構図星みたいね」


「うーんわたしもログさんみたいなジャーバンドがいいな」


アムは羨ましい気に自分のついているバンドをいじくった。


ミツザワは緊張してないみんなの様子に明日の試験の自信が持てた。


全員メンタルは強い。手を叩き自分に注目させると


「みんな!明日は全員で合格しよう」と笑った。


その言葉にそれぞれ頷いた。


「全員っていっても一人は一回も顔合わせてないけどねー」


ユオはチラリと2階を見るとそこにはもうすでに腕がない


どうやら部屋に戻っていったみたいだ。


「未だに一言も話せませんね」


「色々事情があるんだろう。いずれにしても明日の試験は


サボらないだろうしその時会えるさ」


するとユオは首をかしげた。


「結局ミッツとリックはあったことないの?」


ユオの言葉にミツザワは頷いた


「俺がここに申し込んだ時にはすでにいたらしいからな


だからあったことがない。けどこいつは一回見たことがあるらしい」


「えっマジ!」「ホントですか」


双子の声が合わさる注目されてリクトリの顔がニヤついた。


「まっまあな」バンダナで目を深く隠しながら照れるリクトリ。


「ハッキリ見たわけじゃないんだが。二人が丁度ここに来た日のことだな」


---


飯を食い終わってから演習所の筋トレ道具を借りよう廊下を歩いている時


図書室から物音がしたんだ。最初はミツザワと思ったんだが


丁度ミツザワがジョギングに行っていたことを思い出したんだ。


宿舎には知る限り俺とミツザワ、それと受付の人間しかいない


受付の人はいつもあそこにいるから当然違うし


講義もその日はなかったから先生もいない


となるとそこにいるのはもう一人の謎の受験生ぐらいだ。


俺はそっと気づかれないように図書室のドアを開けた。


中に入ると本が何冊か適当に平済みされていて薬品の匂い


明らか誰かいた形跡があって本棚の奥から


本を探している音が聞こえた。


俺はあいさつ代わりに驚かしてやろうと


抜け足差し脚で本棚に近づいて角まできた


そして音が止まったと同時に本棚の裏を見た!


----


リクトリは息をためて固まった。


「それでどうしたのさ」


「いや。ここまでだが」


「「ええー」」


遂に双子の声がハモッタ。


「なんでさ。普通ならそこから出会いの瞬間じゃん」


「いやーバッと覗いた瞬間いなくなってたんだよ


気配がばれちまったのかな」


「何も見えなかったのですか?」


「いやー一瞬チラッと見たような感じはするんだよなー」


タハハと笑うリクトリ。皆呆れた様子。


「俺はもう行くぞ」


放浪人はため息をついて踵を返した。


その言葉にユオとミツザワは同意し


「さて試験の情報でも待つか届き次第すぐ予定をたてないとな」


「そうだねー明日試験あるしたまには早くねよー


ほらアムも行くよ」


「えっユオちゃんまってよ」


そう言うとミツザワとユオの手に引かれアムも


放浪人の後ろを歩いていってしまった。


「おいおい。放浪人ーミツザワーユオちゃん、アムちゃん


なんだよ。みんなつれないぜーはぁ」


大広間に残されたリクトリは寂しそうにトボトボ


階段を上がる。


受験生全員がそれぞれの部屋に戻っていくのを確認すると


その様子を窓から見ていた一つの影が


草むらから動いた。


(よしんよしん。これでオッケー。ククククク


今に見ていろん!クソン生意気んな二人目ん


お前らはわが校の試験すら受けられないことをおもいしれん)


ポチっと


その影は手につけているバンドを押すと


送信しましたという文字がデカデカと出た。


(ふふふん。明日が楽しみんです)


そう言うと影は草むらから飛び出ると気分よく


宿舎を後にするのであった。

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