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再開

長い5章終わりです長かった。

どこかの草原。


この世界にきて時が少し経った放浪人が


セインエイツを目指し足首ぐらいある草を


サクサクと踏み鳴らせていた。


「み、水…あと食料」


・・・喉の渇きと空腹に耐えながら


「だから言ったじゃないですか。一旦イドルさんの所で


休憩してから目指しましょうって」


「…うるさい」


放浪人はログの注意を無視してフラフラな状態で足を進める。


イドルと別れ数日。3日分の食料と水をもらい


セインエイツを目指して歩いたわけだが


ザガンとの死闘で困憊こんぱい仕切った体はなかなかしんどく


休み休み進んでいくうちに気づけば3日なんて


あっという間に過ぎていきまともに歩ける現在


空腹と水分不足に悩まされることになった。


足ものの雑草から食べられ物をチョイスして


なんとかしているもこの辺りは食べらるのは


ないとログが判断する。


「ここから少し離れたところに川がありますけど」


とセインエイツから逆方向にある川に行くよう苦言を呈するも


首を振る放浪人。


「あと少しなんだろ…このままいく」


「大丈夫ですかもうHP(体力)がもうないようなのですが」


放浪人は黙って歩き出す。


ギュルルルルと腹の虫が空腹を伝える。


少し遠くで鋭い角を生やした生き物がピョンピョンと


軽やかに跳ね回るのが見える


「遠すぎるな…」


体のだるさが襲いとても元気がない放浪人はため息をつき


ズルズルとログが記した方向に進んでいく。


「それより…本当にこの先なのか建物が全く見えないぞ」


「ここは高台ですからね」


「ちょっと待てこの後下るのか」


「そうですよ。急なくだりがあるので注意してください」


「気軽にいってくれる」


鼻で笑うと少し前のことを思い出す。


自分が最初に砂漠に降り立ったことおもいだした。


(あの時と同じ状況だな)


そんな気軽な気持ちなど忘れさせるくらい


自然が放浪人を襲う。


体力、空腹、暑さによる脱水。


そして雑草が生える草原で倒れた。


「…しぬ」


「マスターいい加減助け呼びましょうよ


あと少しでセインエイツの通信範囲なので


SOSの信号送りますよ」


「…うるさい黙ってろ」


維持になった放浪人は顔や体に泥や雑草をつけながら


這いつくばったがもちろんそこまでもつ


はずもなくその場で力尽きる。


「治安維持の方が通りかかるの待ちますか」


ログが心配そうな音声が流れる。


「お前。喋れるようになったな」


「あれから成長しましたから」


「だったら俺を運んでくれるくらいになれば


便利なんだがな」


「なるほど。では連絡優先にしましょうか」


「よくいう」放浪人は体を仰向けにすると空を見上げた。


青い空、白い雲眩しい日差し。草の香りが鼻につく


どこの世界でも同じだと実感する。


このくだりの下にはセインエイツがある。


目の前ゴールに手が届きそうなところ


(長くて短い旅だったな…まだついていないが)


それどころか死にそうだ放浪人。


自然に身をまかせ油断した生き物が


近づいてきた時捕えて最後の食事だ


(生肉で当たらないことを祈る)


しかし待っても何か動物が近づいてくる様子もない


変な虫は寄ってくるばかり。


「虫は食べれるか」


「お腹壊しますよ」


「神様は何故俺に苦行を強いるのか」


放浪人はつぶやき目をつむった。


その時!


「アウェー」


聞き覚えのある甲高い鳴き声とともに


どこから飛んできたのか


オレンジ色の鳥が放浪人の頭に止まった。


覚えのある爪の痛みに意識が戻る


「マスター頭上に…」


「わかっている」


チラリと薄目を開け鳥を確認する放浪人。


かなり見覚えある鳥だが同じ種類の生き物なんて


この世界に沢山いる。頭上の鳥を取って食おう


放浪人は意識を極限に消し両手で構えた。


(そこだ!)


全力で鳥をつかみにかかる!


「あまいわ!」また残念!


前回同様すれすれで回避され地味に届かない


高さまで羽をばたつかせ上空に飛ぶ


「くそ!またかこの種類の鳥はみんなこんな感じか!」


鳥はぐるぐると挑発するように彼の頭上を優雅に


飛びまわっている。


(前にも同じことがあったが。フン面白い


あれから俺はこの世界に来て死線を潜り抜けてきた


その成果!見せてやる)


自分に活をいれるかの如く立ち上がりマントを


はためかせる放浪人!


そのタイミングを見図るや否か鳥はそのまま飛んでいった。


「オドリャ!クソ鳥!」


腕を振り上げ放浪人は鳥を追いかけ始めた。


その鳥はセインエイツの方へ向かうも放浪人気づかない。


---


セインエイツの大きな門


陸からの入り口と出口を結ぶ門


そこにはサーナの姿があった。


塀の外に出て行ったシショウを追うため


門の外の前に立っていた。


「まったくシショウどこまで飛んでちゃったのかしら」


辺りを見渡すもどこに行ったのかわからない


「おーいシショウー」


大声で名前を呼ぶも帰ってくる様子もなくサーナはうなだれる。


飛ぶ前に聞いた鳴き声。確かに放浪人と叫んでいた。


(もしかしたらあいつがもうすぐ近くにいるってこと?)


そう考えたサーナは慌ててシショウを追いかけ


ここまで来たわけだが。全く姿が見えない。


(あの崖沿いの所からくるとか)


見える高い岩肌が見える崖しかし登り降りする


坂は逆方向普通はあそここら来るわけがない


(あいつに普通はないのよね)


サーナは少し眺めていると地面から振動が伝わってくる


(何か近づいてくるこれは……下!?)


地面に手をつくと一回転してその場から離れた


すると先ほどサーナがいた場所から大きなムカデに似た


生き物が飛び出してきた。


人を軽々丸吞みできる口と牙、赤く固そうな甲羅


(それより気持ち悪い足)ごもっとも


「レッドセンティピードか確か討伐クエスト出てたわね」


大ムカデはサーナを確認すると首を動かし狙いを定める。


「あらら完全にわたし狙いね」


サーナが頭をかくとその隙を狙うように襲い掛かる大ムカデ。


「あんた動きがもろばれだから」


サーナはクイッと指を上げると大ムカデの動きが止まる


焦った大ムカデはサーナから離れようとするが時はもうすでに


遅し大きな体はカチコチに氷漬けになった。


目の前で置物のように固まるモンスター。


「ってじゃま…」


横に回りこもうと歩いたその時だ


「ウエーイ」


いつも聞いている鳴き声と


「まて!俺の食料」


どこか懐かしい声が空に響くと同時に


地に二つの影が映る


サーナは上を見上げるとシショウだ。


凍っている大ムカデを横を通ってサーナの肩に止り


「ウハハハハ」鳴いた。


そしてもう一つの影!


「邪魔だぁぁぁぁ!」


影の人物は大ムカデの頭部を殴りつけた。


すると凍っていた大ムカデの体からヒビが入りそして


粉々に砕け散った。氷の結晶が辺りに舞い


その地に男が降り立った。


サーナは驚き目を見開いた。


目の前に立っている男。それは


「ほ、放浪人!」


思わず声がでたサーナ。


その声に気づくと放浪人はピクリと反応をしめすと


振り返りサーナと目が合った。


「おまえは……サーナか」


のんきで聞き覚えのある声。間違いない


サーナは近づいた。


「ちょっと何今の間!もしかして忘れてたの」


「…覚えてるよ」


だるそうに放浪人もサーナに近づくお互い目が合う


「……」


「ちょっちょっと何よ。ずっと見てきて」


熱い視線にサーナの顔は赤くなる。


(うう。久しぶりに顔を見てまたドキドキする)


ずっと見てくる放浪人


「あのさ…えーとその無事について。その」


妙な空気にサーナの口が開く


すると放浪人はサーナに向かってくる。


どんどん近づいてくる放浪人に大パニック


シショウは翼を広げ飛んで行った。


「ええちょっちょっと感動の再開だからっていきなり…」


が放浪人の体はサーナの横を横切りドサっと倒れこんだ。


突然のことで目が点になる。


「はっ腹減った」


サーナに助けを求める放浪人の目。


「もうまたーーー」


最初にあった時とさほど変わらない一言に


呆れたサーナの声が辺りに響き渡った。


シショウは羽を折り畳みセインエイツの塀に止まり


「フム。どうやら無事ここまでたどり着いたみたいだな


だが放浪人!貴様の試練はまだこれからぞ!」


とつぶやくといつものように鳴くのだ。


「フハハハハハハ 第5章!完だ!6章に続く!」

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