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その後4

セインエイツの街は若者でにぎわっていた。


休日。学生も普段働く大人もここぞとばかりに


羽を伸ばす。それはどこの世界でも同じ!


肩に鳥を乗せ街の商店街を考えもなくぶらぶら歩く


サーナの姿があった。


(どうしよかな)


立ち並ぶ店を物色するように喫茶店や服屋、本屋


武器屋を入るわけでもなく眺め歩いている。


元々は友人と遊ぶ約束をしていたのだが


学園の急用でダメになってしまったのだ。


相変わらず賑わってるわ

サーナは辺りを見渡すと自分より少し年下の子や見慣れない人間も歩いている。

この中の人間はほとんど学園の生徒だろう。

まぁ顔見知りなんてろくにいないけどね!

ため息を付き肩に乗っている鳥シショウを撫でた。


「あいつ本当に来るのかな」


あいつとは放浪人の事だろう。最後に別れてからそこそこ時間が流れている。

ルート検索でサラーガからここまでの道のりを何通りか検索を

かけたがどのコースもとっくについてておかしくない。

テレポートの事件も人から忘れられはじめそれ以降彼に対するニュースもない。

それどころかニュースの更新も最近止まっており治安維持の組織が何か隠していると噂が立ち上る。


(あいつがいくら馬鹿でも治安維持の人間に関わるとは思えないけど)


サーナは肩を落としため息。

もしかしたらセインエイツには、こないのかもと考えがよぎる。

ここに来る予定はなかったっぽいし

もしかしたら名前通り風の吹くままどっか違う所を

目指したのかもそう考えた矢先ある人物を思い出す。


(姉さんもどうしてるんだろ…というか似てるのよね)


思い立ったらすぐ行動しフラフラと自分を置いてどっかにいってしまう。そんな姉に放浪人を少し重ねてしまったかもしれない。


(っていやいや。天才で自慢の姉さんがあんな全くもってダメダメな奴と一緒だなんてありえないから)


サーナはチョイとアホみたいに黄昏た自分を振り払うかごとく目立たないよう小さく首を振る。


「大体あいつカッコつけて『金必ず返すからな!』って言ったんだから早く返しに来いって感じよね。まったく」


苛立ちながら歩き近くの店の屋根の前に立ち止まりジャーバンドを操作する。新しいニュースは今だに更新されていない

盗賊の抗争の件もあれから情報もこないあれに巻き込まれたのか?


しかし放浪人が盗賊に負ける姿など想像できない

むしろボコボコにしてるくらいだろう。強いぞ放浪人!


「まっあいつは野垂れ死ぬ以外死ななそうだから大丈夫よね」


シショウを撫でながら笑う彼女だったが手が止まる。


(あれ…どっちかっていうとそっちの方が死亡率高くない)


今ごろどこかに野垂れ死ぬ放浪人を想像するサーナ


残念ながら容易に想像できた。悲しいかな放浪人


「安心せんか!安心せんか!奴は大丈夫だー」


シショウが鳴く。


「そうだよね。いくら何でもそんな自己管理がなってないことありえないよね」


言葉と裏腹にサーナの足取りは街の出口の方へ足を進めようと


したその時


「あの!ちょっといいですか」


すると誰かに声をかけられた。


サーナが振り向くと彼女よりも少しばかり年下の少女が


地図を片手に声をかけてきた。


「なに?わたし」まわりを確認して


自分を指さすサーナに少女は激しく首を振り同意する。


「セインエイツ学園の試験受付所がどこにあるのか教えて


欲しいんですけど」


「受付所?…ああ」


サーナは去年自分が迷っていたことを思い出す。


「あそこわかりにくいのよね。えーと地図を見せて」


少女は首を縦に振ると手にしている地図をサーナに差し出した。


「えーと受付所はこの通りの角を右に曲がって行くと緑色の看板が見えるからそこを目印に…」


地図を指さしながら道を教えるサーナに少女は真剣な顔をして頷いた。


「あっそうなんですか。わかりました!ありがとうございます」


少女は納得したのか嬉しそうな表情をして深々とお辞儀する。


「どういたしまして」少し照れくさそうにサーナは頬をかく。


少女は顔を上げるとサーナの肩に乗っているシショウを眺めた。


「あっ珍しい鳥ですね」と何やら興味深そうにみていた。


「これ?この子シショウっていうの」


サーナはシショウを撫でる


「フハハハハハハ」と鳴きだした。


少女は鳴き声に驚くも


「すごい鳴き声ですね」益々興味深そうに眺めた。

「みたいね。なんか学園の先生もみたことないって驚いてたし」


是非欲しいとねだられたがシショウが


「十年はやいわ!」と鳴きそれ以来何もいってこない。


「あっいけない」


すると少女は何かを思い出すようにハッとした表情をした。


「人を待たせてるの忘れてました」


少女は地図をたたみ鞄にしまい込んだ。


「あっとそうだ。よかったら…」


サーナはよかったら受付所まで送ろうかと声をかけようとした時。


「放浪人!放浪人!」シショウが鳴き自分の肩から


飛び立った。それは街の出口の方を目指して。


「…放浪人?」サーナは聞き覚えのある声に


動きがとまる。まさかここに放浪人が近づいているのだろうか


(そういえばあいつと初めて会った時…)


シショウと一緒に出会った時を思い出す。


「あのーシショウ行ってしまいましたけど」


少女の言葉に気を取り戻すと


「ごめん。わたしちょっと追いかけてくるね」


サーナは少女に片手で謝るとシショウを追って


街の中を走った。


「はい。頑張って追いかけてください」


少女は走るサーナを見送るように頭を深々と下げ


笑顔で見送るのであった。

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