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赤い神殿内部!

神殿の前に差し掛かった放浪人とイドル。


神殿の回りには囲むように水路が張り巡らされ


入り口用の橋が神殿の門のまで伸びていた。


驚くのは神殿だ。白いレンガが積み重なり


レンガとレンガの間に金色の物


そう本物の純金だ。神殿の屋根


角、水路の回りに張られていた。


「金をそんな風につかうなんて…」


イドルは驚きを隠せないでいた。


「ここで突っ立ててもしょうがない。いくぞ」


放浪人は気にせず。神殿の門に繋がる橋を歩いて行く。


よく見ると橋の節々にも金が使用されている。


「これだけの金をどうやって手に入れたのでしょう」


「魔法で金は作れないのか?」


「はい。金は魔術の道具として使用しますが


作るなんて無理ですよ


土から掘り起こしたのを時間をかけて綺麗にするだけです」


金は我々の世界と同じ採掘してとれる。


「それにしてもこんな贅沢に金が使われるなんて


この歴史的な建物なんでしょうかね」


異様な光を放つ金の橋をわたり扉の前にたつと


右と左に取り付けられた雄牛のドアノッカーが


入るのを拒むような眼。


気にせず放浪人は両方の取っ手に手をかけ手前に引っ張った。


ギギギギギ。


重量感ある音とともに扉が開いていく。


扉の先には…


「うわっ」イドルは驚いた声を上げる。


扉の先見えたのはおびただしい赤い液体が流れる大広間。


中央の階段の先から伸びる透明な管から流れていた。


「ここ、これ血ですか!」


動揺を隠せないイドルは放浪人の後ろに屈み隠れた。


放浪人は気にせず部屋に入る。赤い液体はさらさらしている。


赤い液体は大広間を回るように一周しながら最後にはまた管を通り


何回か地中をミミズのように地面に潜りったり出たりしながら


だんだん赤色が薄くなり最後は透明な液体になっていく。


「どうやら外の水はここから出た水のようだな


いや…液体か」


そう言うとログを赤い液体に近づけた。


「マスターこれは赤く染まったアルコールのようです


濃度は14%ほどで飲んでも人体に影響はあまりありません


むしろ同じような飲み物があります」


放浪人は赤い液体が流れる水路に手をいれすくい上げた。


血の匂いではなく葡萄の香り


「血ではないのですね」


イドルは胸をなでおろし安心した様子で放浪人に近づいた。


「イドルおまえ火の魔法は使えるか?」


「えっ」とイドルはキョトンとした表情を浮かべ


「使えますけど」


遠慮しながら答えた。


すると放浪人は地面に落ちている木の枝を拾い


ここに火をつけろと頼む。


イドルは手をかざして小さな魔法陣を作る。


すると木の先に火が灯る。


「あのそれをどうするんですか」


イドルが訪ねると放浪人は


「まあみてろ」


そういい火を眺めた。


ゆらゆらと変わらず燃える火


そしてその火がついている木の枝を


水のような透明になっている液体に近づけた。


火は液体に少しあたるもジュウと軽く蒸発するだけ。


放浪人はそのまま火のついた木の枝を液体に突っ込んだ。


すると火は消えて先が焦げた木の枝はゆらゆら


流れていった。


「…やはりこれは普通の水か」


放浪人は透明な液体をすくい匂いを嗅ぐも無臭。


「どうしたんですか。この水が…確かに赤い液体が


透明な水に変わるのはとても不思議ですけど」


「魔法であの液体を水に変えれるのか?」


「やったことがないのでなんとも」


「そうか。まあやる必要ないもんな」


科学の蒸留実験で赤ワインを


エタノールと水に分解する実験を思い出した。


もちろんそうなると透明な液体は純度の高い


エタノールになり薬臭いにおいを放つ


そして留出された残りは色が残った赤い水。


しかしあそこに流れている


透明な液体は水だったことに悩む放浪人。


自分が知らない他の方法があるのかはたまたは


この世界だとこれが普通なのか…


放浪人は部屋を見渡す


中は赤い液体のせいか淡い光を放ち


岩でできた柱が入り口から33本で支えている。


床には赤いカーペットが張り巡らされていた。


「すごいですね。やっぱり歴史的なものなのでしょうか」


辺りを見渡しながらイドルはつぶやいた。


「ログ。こういった建物って他にあるのか?」


放浪人は腕を上げ確認するも


「すいませんがこの辺りでこういった建物がある


という情報はありません」


ログにもわからないようだ。


「随分騒がしいと思ったら。俺様の住処に客人がきていたな」


聞き覚えのある声と共に奥の扉が開いた。


ズズズズズと音がなり扉が開いた時その隙間から


「ピイーー」


鷹…いやグリフォンが鳴き声とともに飛び出してきた


グリフォンは大広間の天井ギリギリまで飛び


入り口ガラスの飛び出している木の上に止まった。


そしてグリフォンに続きザガンが扉から現る


「あん?招待してない奴もいるな。巻き込まれたのか」


そういい、イドルを見下して指を下にさすと


グリフォンがイドルめがけて急降下!


前足の鉤爪を前に出し襲い掛かる。


「うわぁ」


イドルは頭を抱え放浪人の所に飛び込みしゃがみこんだ。


放浪人はマントをグリフォンの前に投げ体を屈める。


すると頭上を飛び越しグリフォンはザガンの近くに止まった。


「ククク悪い悪い。俺様のペットは侵入者には厳しいんだよ」


ザガンは笑いながらグリフォンの頭を撫でた。


「おい。ザガン!ここはどこだ説明してもらおうか」


放浪人はザガンを指さしながら睨む。


「いいぜ。教えてやっても減るもんじゃねーしな」


ザガンはニヤリとわらう。


「ここはな俺様の実験所さ」


「実験?」


ザガンの言葉に放浪人は首をかしげオウム返し


のようにつぶやいた。


「そうだ。実験所だぜ。俺様はここであの異世界に


繋がる扉を作るのさ」


「いっ異世界繋がる扉!」


イドルは驚いた表情でザガンをみた。


「作るなんて聞いたことありません。


あれは神様が作ったといわれているのですよ!」


「ふん。所詮てめえらみたいないい子ちゃんの


下っ端脳みそじゃ。そう教えられた通りの


解釈するしかできねえみたいだな」


ザガンは馬鹿にした感じで肩をすくめた。


「まぁ本物は確かに作れねえ。なんせ


見たことがないんだからな。でもよ偽物は作れるんだよ」


「偽物だと」


「そうさ偽物だ。エルフ族の所にあった扉と同じやつのな」


ザガンはニタリと笑い続け扉の奥に歩んでいく。


「放浪人!てめえをここに招待したのはよ


俺様の実験の材料候補のためさ」


「ザガン!貴様」


放浪人はザガンを追うため階段をかけると


グリフォンが鳴き声を上げ放浪人に襲い掛かる。


咄嗟にグリフォンの飛ぶ軌道を読み横に飛ぶ


グリフォンは放浪人の横を過ぎ去っていく。


扉の前に差し掛かった時!


壁から斧が飛び出してきた。


「なに!」


放浪人後ろに引き回避した。


「ザガン…さま…あそこにいる放浪人を殺しても」


そう言いながら頭に牛の角をはやした大きな人間が


現れザガンに膝をついて頭を下げた。


「いいぜカシバシ。もっともその程度で死ぬような奴は


俺様の実験にいらねえからな」


「ありがとうございます」


カシバシと呼ばれた雄牛の角で剛毛な男は立ち上がると


斧を持ち放浪人に近づいた。


「今はおまえなど相手にしてる場合じゃな…」


「マスター。後ろです!」


ログの声!放浪人は身を屈める。


「うわぁぁ」


叫び声が頭上を通っていく。


「しまった!イドル」


グリフォンの爪にイドルが掴まれていた。


そしてそのままザガンのいる部屋に入っていく。


「ククク。ダンナが来る間は暇だからな。


こいつで暇つぶしさせてもらうぜ」


すると部屋の扉がズズズと締まり始めた。


「まて!」放浪人は扉に飛び込もうとするも


「いかせん」


角の生えた男の斧の攻撃で行く手を阻まれた。


「また後でな放浪人生きてたらの話だけどな!ハハハハハ」


ザガンの笑い声と共に扉は固く閉ざされた。

実験懐かしいです。

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