崖下り!嫌な気
寄り道せずにむかえよ
村をを囲っていた森林を超え少し歩くと崖が見える
丁度放浪人がそこに差し掛かっていた。
ログが点滅する。
「先ほど教えられたルートを通りますと森林地帯に入ります」
「モンスターとのエンカウント率高そうだな」
「カラトさんがいうにはこの辺りはモンスターの住処に囲まれているらしいです
とりあえず教えてくれたルートは比較的少なく
森林地帯をすぐ抜けられるみたいなので大丈夫かと」
崖の上に立つと曲がりくねった森林を少し超えた先に
川が流れる平原。
真下にはこちらに気づいていないが大きな翼が生えた生き物が飛び回り
微かだが変わった陸上生物が見える。
「討伐クエストにのっている生物がいますねどうします?」
「無視する」
こちらから手を出さなくても向こうから襲ってくることが多い。
寄り道しないで今度は真っ直ぐセインエイツに向かおうと
思っていた放浪人は崖の下り坂を歩んだ。
足場はあまり好ましくなくゴロゴロと岩が転がっている。
放浪人が丁度坂の中間地点に差し掛かかったその時!
「クロロロロ!」
聞き覚えのある鳴き声が真横から聞こえてきた!
「マスター」
「わかっている」
放浪人は屈むと大きく鋭い爪が頭上をかすめていく
シームバードは再び攻撃しようと迂回してくる
「かわいくない鳥だ。なら正面から打ち砕いてやる」
シームバードは放浪人に狙いを定め
今度は鋭い歯でその首と喉をブチブチとかき切ってやるぜ
といわんばかりに口をサメの歯のような鋭い牙が並ぶ歯を
ヌッと突き出し回転しながら突っ込んできた!
地面すれすれの低空飛行回転の威力で地面がえぐりながら
放浪人に突っ込んだ
ガッシィィ!
シームバードの動きが放浪人の目の前で止まる!
「この程度か!」
放浪人はシームバードの頭部を右手で掴んでいた。
「クロロロロ!?」
予想外!そんな驚きの鳴き声を響かせる
メリメリと放浪人の右手の指がシームバードの頭部にめり込んでいく
「ぎょぺええ!」
ギリギリと頭部の痛みのせいか目を見開き口から
唾液じりのシームバードの奇声!
「今楽にしてやる!ひぃぃさっつ!」
これでとどめ!初の必殺技で決めようとしたその時!
-----グラウンドスマッシュ!-----
シームバードの胴体が地面に叩きつけられた。
胴体が叩きつけられたことでボキィと生々しい音
シームバードの首は折れダランと絶命!
胴体の上には見覚えある人影。太い尻尾があり獣ような耳
「エナルイン」
放浪人が驚きその名を叫ぶ。
「ヒーロー見参」
ドヤ顔するエナル。
「手柄とっただけだ」
放浪人はため息をつきシームバードの頭から手を放す
するとシームバードの体は地面に吸い取られるように
ジュクジュクと地面に埋まっていった。
「おまえ何しにきた」
ほんの少し前に別れたばかり驚くのも無理はない
「嫌な気を感じた」
「嫌な気?」
エナルの言葉に首をかしげる放浪人。
「シームバードのことかそれならたいしたことなかったが」
エナルは首を横にふる
「違う。もっと邪悪。地面の気が震えている」
「地面?とくに俺は何も感じないが」
「うちは、やな予感がするだから教えにきた」
「ふーんなるほど」
放浪人は試しとばかりに地面に手を置いたが
特に何も感じなかった。
「よくわからんがわかった注意していくよ」
「エナルさん。わたしのほうでも警戒していきます」
ん。とエナルは頭を縦に振る
「一応崖を下るまでついて行くプルラン達にも伝えてある」
「そうか。なら行くぞ」
「ちょっとまってー」
放浪人が歩きだすとついて行くようにエナルも歩みだす。
「それにしても地面の気ってなんだ?」
「はえーこの世界の人間は感じないのか?」
不思議そうな顔をしてエナルは首をかたむける。
「まったく」
もちろん本来ここの世界の人間ではない放浪人も感じていない。
「ならうちの世界だけなんだな…うち達、
人獣…いやここでは獣人?
地面の気を感じたり力を流したりできる」
「地面に気…」
さっぱりという感じの放浪人。
「気を流すことで地面をやわらかくしたり
質感を変えることができる」
エナルが試しにと地面に手をかざすとかざした所が
ジュクジュクと粘りが出てきた。
「なるほど先ほどのシームバードが地面に飲み込まれたのは
エナルさんの能力なんですね」
「そう。あの鳥みたいな奴に気を流してそのまま地面に埋めた」
すっとかざした手を引くと土はその部分だけ塊になる。
「獣人世界の魔法と解釈すればいいのか」
「カラトも同じこと言っていたから
多分それでいいうちよくわからないけど」
「だから高く飛べるし落ちても平気なのか」
「そうだ!すごいだろ」
エナルはそう言うと地面の質を弾力性のある土にかえ
その上にピョンと軽くジャンプすると放浪人の頭上を
軽々越えるくらい跳躍して見せた。
通常の人より少し優れた五感。伸縮自在な爪狩猟に適した体。
「便利だな」
俺のそれくらい使えてもいいだろうと放浪人。
こうしてびっくり人間…獣人ショーを説明されている
うちに気づけば崖を下りきっていた。
「じゃあうち戻る」
エナルはその場で立ち止まる
「帰りは気をつけろ」
「おまえもな。少しおさまったが悪い気まだ残っている」
エナルは森の方に耳を動かす。
「いまさらだ。なんだかんだ巻き込まれてばっかりだからな」
セインエイツに向かう途中で大抵。何かある不思議
「じゃあな!」
エナルは笑い地面を蹴るとかなり高く飛び村の方に去っていった。
放浪人はため息をついた
「別れたばかりでまた会いにくるなんて変な奴だ」
「きっと心配していてもたってもいられなく
なったんだと思います」
「村に顔を出す前にまた会いそうな気がする」
放浪人は森林の中に入っていった。
また出してしまうとは




