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カラトとプルランの家

「もう大丈夫」


エナルは心配そうに放浪人の顔を覗き込む


「まあな。おまえはもう大丈夫みたいだな」


子供達と楽しそうに笑うエナルを思い浮かべ


放浪人は胸をなでおろした。


「うん。この町の人みんないいひと


うちとすぐ仲良くなれた」


「流石にはじめて見た時は天の使いがきたと思ったわよ」


プルランの両腕に何人もの子供達が楽しそうにぶら下がり


ちょっとしたアトラクションのようにまわっている。


スゲーな…


「あ…あの…助けてくれてありが…」


すると一人のエナルより遥か年下の男の子が近づいてきた。


「兄ちゃん気が付いてよかったよ」


「おまえは…」


放浪人はそのあどけない顔に見覚えがあった。


「その子が君を見つけてくれたんだ」


足もとに群がる少女たちに囲まれながらカラトはこたえる


「そうか。ありがとな」


放浪人は子供に微笑みかけ頭を撫でた。


男の子はヘヘと笑顔。


「ムー」


礼が言えなかったエナルはその隣でムスとした表情を浮かべた。


「おーい先生。小僧が目を覚ましたんだって」


声と共にムキムキの男がぞろぞろ入ってきた。


「おう元気そうじゃねえか!よかったな生きてて」


「そうそう。まさか空から落ちてくるなんてな」


「若いな!羨ましいぜ!俺も昔は…」


「なにいってやがる!


おめえは嫁さんの尻に敷かれてるじゃねーか!」


「ちげえね!ガハハハッ」


村の男達の暑苦しさに放浪人は言葉がつまる


「もうみんな病人の前よ静かにしないと」


プルランは入ってきた男達に笑いかける。


「これはこれは先生の奥さん。いつも子供達が世話になってるな」


「へへ相変わらずいい体してるね」


「もう。それセクハラ!」


プルランは笑いながら軽口叩いた男の肩を


叩いた。バスンって


「ワハハ!いい叩き!今日も気合入った」


特に気にする様子もなく男どもは笑う。


「父ちゃん!」


男の子が一人の男に駆け寄ると父ちゃんと呼ばれた


男は子供を抱き上げ肩に乗せた。


「おお。いい子にしてたか」


「うん」と男の子は笑顔。


それを見ていたエナルは


「いいな」っとつぶやいた。


それから暑苦しい男達、子供たちに絡まれ


放浪人はときおり苦い顔を浮かべながらも歓迎された。


「はいみんな!放浪人ちゃんもまだ治ってないから


あんまり無理はさせちゃだめよ」


プルランが手を叩く。


「おっと悪いな」


「さてもう帰るか」


「またな」


「兄ちゃんたちまたね」


そういうと男達と子供達はそれぞれの家に帰っていった。


するとカルトは


「熱烈な歓迎だろうー僕もそうだった」


放浪人に耳打ちをした。


「皆さんいいひとですねマスター」


「そうだな」


ログの意見に同意した。


それからしばらくして


放浪人は体が痛みに慣れはじめ少し動きを


はじめた。


「すごいな。もう歩けるのか」


カラトは驚いた。


「これぐらいは慣れているんでな」


「うちの嫁みたいなことをいうな」


あの剛腕の肉体確かにすごい。


「もうダーリンたらー」


プルランは嬉しそうな表情を浮かべ


料理を運んできた。


「おいしそう!」


エナルは鋭い犬歯みせる


こんがり焼けたチキンにバターのような物がおかれ


炒めた野菜や米のような物…家庭的!


その匂いに釣られ放浪人も唾をのんだ。


「さっごはんにしましょう」


プルランの食事の席に放浪人とエナルそれぞれ座る。


カラト、プルランが遅れて席に座った。


「それではいただきましょう」


そういうと放浪人とエナルは勢い良く食べ始めた。


「そんなに急いで食べなくてもなくならないぞ」


カラトはゆっくり食べながら告げる。


「まあまあ。育ち盛りだもの沢山食べてもりもり


元気にならなきゃ」


プルランは腕を曲げもりもりと筋肉を出した。


「すごい」


エナルは感心する。


「どうやってそこまで鍛えたんだ。


うちの世界の女性でそこまでの筋肉を


持っている獣はなかなかいない」


「フフフありがとう。でもわたし本来は


こんな素晴らしい筋肉をもっていないの」


プルランは心なしか残念そうな表情をうかべた。


「これは肉体強化魔法の副作用なの」


「魔法?」


聞き覚えのある単語に放浪人の食べる手がとまる。


「そうプルランは数年前に激しい戦闘をしてね


結構無理したみたいなんだよ」


「ええ。本来は。強化魔法は一時的ですぐ


元の体に戻るんだけど…わたしは副作用が原因で


体が魔法をため込んだままの状態ってわけ」


「ちなみに元の体はこれ」


カラトは写真をとりだす


放浪人とエナルは写真を見る。


そこに写っているのはさっき棚に置いてあった


写真の美しい女性と知的の男性。


知的の男性は若かりしカラトだろう。


しかし美しい女性はほっそりしてスタイルがよい


とても今現在のプルランと似ても似つかない。


「もうダーリンたら。懐かしい写真だしてー」


キャーという感じでプルランは顔を赤らめる


放浪人とエナルは啞然としたが。


「いつ戻るかわからないけど


わたしこの体気に入ってるのよ。重いもの沢山持てるし


子供達から大人気!」


「まあ。僕は君のすべてを愛してるから気にならないけど」


二人は笑顔でラブラブするも


「「だけど魔法が解けるまで子供が…」」


ダブルで落ち込んだ。


異様な空気に放浪人とエナルはなんとも言えない


「あっえーと」


察したのかプルランはパッと明るい顔に戻り


「それで放浪人ちゃんは今後予定はどうするの」


と切り出した。


「セインエイツに行く予定だ」


放浪人が応えるとエナルは不服な顔をした。


「えーなんで。うちと一緒に西の森にいかないの」


「悪いがまたあそこの道を戻るのは遠慮したいところだ」


放浪人は頬をかいた。


「カッコつけて出てきたばっかりですからね」


ログが静かに点滅する。


「セインエイツはエナちゃんの仲間がいる西の森の反対だもんのね」


プルランの言葉にエナルは身を乗り出す


「じゃあ!うちもセインエイツに行く!」


「いや。きてもしょうがないだろ


俺がセインエイツについたらなんとか


クライアバル王国の知り合いに連絡して迎えに向かわせるから」


「でっでも」


興奮するエナルの肩にプルランは手をおいた。


「落ち着いて。エナちゃん。大丈夫」


プルランがエナルをなだめてくれる


そう思った放浪人だったが…


「女の子を泣かす輩は成敗するから」


筋肉を盛り上げゴリゴリと指の関節を鳴らすプルラン!


(こいつ…できる)


「戦闘レベル上昇してます」


異様なオーラに放浪人とログは警戒した。


「頼みから食事中は静かにしてもらえないか」


「あらやだ★わたしったら」


カラトの言葉にプルランは正気を取り戻してへぺろ。


「でも難しいわね。放浪人ちゃんはセインエイツの学校を


目指してここまで頑張ってきてあとちょっと


かといってエナちゃんを同じ世界の仲間に合わせてあげたい」


「お互い目的地が反対となるとどちらを優先するか


難しところだね。まっ二人ともまだ治療途中だ


それまでゆっくり考えていくといい」


「そうね。二人とも好きなだけいていいからね」


プルランとカラトは二人に笑顔を向けた。


「フフフ。家族ができたみたい」


笑いながらリンゴのような果物をプッシャンと片手握り粉砕する


プルランであった。

筋肉は嘘をつかない

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