ンーナス町の変わった夫婦
筋肉トレしても続かないね
ンーナス町。
崖の高台にある小さな町。
人工は少なく民家は数十件ほど
みなほとんどが受給自足の生活のせいか
店は一つしかない。
男の子が外を眺めていた。
外は雨。明日は晴れてほしいと願いながら
すると鳥の声が微かに聞こえる。
「父ちゃん。鳴き声が聞こえるよ」
男の子が父親に訪ねると
そんなわけがないと笑われる。
「なんどもいっているだろう?
この木はモンスターを寄せ付けない匂いを出しているんだ
それにこの雨だ誰かがくるわけない」
父親はそう説明するとその場で寝息をたてて眠りにつく。
男の子はまた窓を眺めると今度はバキバキと木の枝が
折れる音が聞こえる。
音はこちらに近づいてくるように聞こえた。
(なんだろう)
男の子は気になって雨を防ぐ傘を手に外に出た。
音がしたのは自分の家の前の木々
外に出ると激しい雨の音にかき消されながら
枝が折れる音がやはり近づいてくる!
そして木の上からドサっと自分の家の前にある草の塊に
人が何かを抱えて落ちてきた。
「……うっ」
声がする。恐る恐る近づきながら耳をたてる。
「生きてますか」
機械の音声が聞こえその問いに
「たぶんな」と応える男の声。
男の子は勇気を出して近づき
「誰?」と声をかける。
すると男は首を上げ男の子を見た。
「ここの子供か?」
彼の問いに男の子は首を縦に振る。
「悪いけど大人を呼んでくれるか体が動かない」
男はニヤリと笑うとプツンと何かが切れるように
ガクンと気絶した。
「父ちゃん!父ちゃん!こっちきて!へんな人が倒れてる!」
雨降る中男の子は声を上げ家に入っていった!
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(ん…ここは)
放浪人は目を覚ました。
木が入り組んだ天井が見える
体を起こそうとすると全身に痛みが走る
(くっ流石に無理しすぎたか)
首を動かし、かすれる目で辺りを見る。
ベッドの斜め横の窓の前の棚には写真が飾ってあり
とても美しい女と知的そうなメガネの男が写っている。
その先には…
「あら。目を覚ましたのね」
とてもゴツイ体の女……なのか!放浪人は困惑する。
緑色の髪筋肉ムキムキの女性(多分)
「あんた誰だ」
放浪人が訪ねると女性?は
放浪人の目を腕に着けているバンドのライトで
照らし出す
「なっなにをする」
放浪人が体を動かそうとしても痛みで全く動かず
女は顔を近づけチカチカとライトを当てた。
「うん。瞳孔もしっかり動いているわね!
体は…まだ。だめみたいね」
「いきなりなにを…」
「ああいきなりごめんなさい。わたしはプルラン
ダーリンの助手をしているわ」
「助手?」
「ええ。大怪我をしたあなたをダーリンが治療をしたのよ」
「ダーリン……?」
放浪人はハッとする。
「エナルインはどこだ。俺ともう一人いたはずだ!」
「もう一人…ああ。エナちゃんのこと?エナちゃんなら」
プルランは窓を指さした。
疑問の表情で窓をみる放浪人。
その光景はエナルが自分より年下の子供達と
笑顔でボールを追っかけている姿。
「あの子すぐに元気になってああやって地元の子供達と
遊んでいるのよ。フフいい娘さんね」
「娘?」
「いいの。わかっているわ。獣型モンスターとの
禁断の愛の結晶なんて言えないものね!
でも貴方が倒れていた時エナちゃんの頭をしっかり手で守っていた。
まさに娘を落下から守る父親!感動的よ」
「違う」
放浪人が否定するとプルランはいたずらっ子ぽく笑う
「フフノリがわるいわねー知っているわよ。
ログちゃんに全部きいてるからダーリン。
放浪人ちゃんが起きたわよ」
プルランは声をかけると奥から
眼鏡をかけた白衣を姿の男が
髪を上げながら入ってきた。
「起きたようだね。具合は?」
「最悪だ」
「そうみたいだね」
笑いながらダーリンと呼ばれた男は放浪人にログを投げつける。
「無事でなによりです。マスター」
放浪人の手の中でログが点滅する。
「事情はそのジャーバンド…いやログから
話は聞かせてもらったよ。随分冒険したんだね」
「エルフ族と獣人の関係もちゃんと説明しました」
助かると放浪人はログに礼を告げる。
「わたしの名はカラト。この村で医者と研究をしている」
カラトと放浪人は握手をかわす。
「それにしても君も無茶をするもんだ
君の手袋がなければ死んでいたぞ」
「手袋?」
放浪人が手を確認すると革手袋がなかった。
「ごめんなさい。びしょ濡れだったから
今乾かしているわ」
プルランが指さした先。窓外の竿に干してあった。
「あれがどうかしたのか」
「あの手袋にはヒールとキュア効果があったんだ。
そのおかげで君はそれぐらいで済んでいるし
エナルインのウイルスも除去できたんだよ」
「そんなことできるのかあの手袋…」
あの時レティがいればと思った放浪人は手を眺めた。
「だがウイルスってなんだ」
その様子にプルランはゴツイ胸を張り
人差し指を揺らす。
「ウイルスは、昔エルフ族と一部の人間で流行っていた感染症の一種よ
この世界に住んでいる人間ならほとんどが
免疫をつける魔法をかけてるから大丈夫だけど
エナちゃんみたいな外の世界から訪れた人は
免疫がないからすぐ感染してしまったのね」
「感染すると体のだるさ、発熱。意識混乱
ひどいときは死にいたる怖い病気さ」
カラトの言葉に放浪人は驚いた。
「エナルのやつ結構ピンチだったのか」
「でも手袋の効力である程度完治しているから
安心して大丈夫」
「ある程度?」
「このウイルスは潜伏期間があるんだ。
症状が収まっても油断はできない」
「なるほど」
カラトの言葉に放浪人が頷く。
他人事の表情をする放浪人にプルランは呆れたという顔をする
「ちなみに貴方も感染してたのよ」
「そうなのか」
「ええ。少し前までウイルス用の治癒魔法をかけた形跡があったの
あなたの場合完全に完治したみたいだけど」
「気づかなかった…」
「ということはあなたの場合症状が軽かったみたいね」
放浪人は思い出したあの時気絶したのはそれが原因。
「でも流石はエルフ族。短時間で症状を無くして
手袋に治癒魔術をかけてアフターケアも十分していた
素晴らしいよ。レティという方にぜひ会ってみたい」
カラトは感心している。
(だからレティの奴やたらと俺にくっついていたのか…)
てっきり手だけ治療していたと思っていた放浪人。
「さて。放浪人ちゃんが目を覚ましたことを
エナちゃんやみんなに伝えないとね」
そういうとプルランは窓を開け
「みんなー放浪人ちゃんが気づいたわよ」
楽しそうに遊んでいるエナルに声をかけた。
声に振り向いたエナルは窓から見ていた放浪人に
気づくと笑顔で手をふった。
(やれやれ……いい笑顔しやがって)
放浪人は照れくさそうに頬をかくと
力を抜き目を閉じた。
電動歯ブラシの効果




