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崖をのぼれ!見せろ根性

前書き

後書き

思いつき

激しい雨が降り注ぎ


木々を濡らし地面がぬかるみ


濡れた岩はツルツルと滑りやすくなっている。


そんな崖を放浪人が登っている。


腕に剣と皮袋を巻き付け意識を失ったエナルを


マントでくるみ背中に結び背負い


少しずつ滑る岩に手をかけ上を目指す。


「まさか町に行く道が完全に塞がっているなんてな」


「すいません。これは予想外でした」


「しかたない」


町までの道が岩や泥で完全に塞がれ通れなくなっている


エナルを背負ったままだと困難と判断した放浪人は


崖を登った先にすぐ町があるということで。


やむなく崖を登ることにした。


「ログ。エナルの様子はどうだ」


「良くありませんね。どんどん体力(HP)が落ちてます」


「原因はわからないのか?」


「状態に関してはウイルスと表記されよくわかりません」


「よくわからん状態か。レティがいればなんとかなったんだがな」


放浪人はレティを思い出す。


手を治して時見せた青い光。


(あれが使えれば便利だ)


頭を振り崖を登っていく。


崖の微かな窪みを見つけそこに手を置き


登り続ける。まさにロッククライミング!


懐かしいなこの感じ


----


「これを登るんですか」


神が指さした山…といっていいのか


断崖絶壁!


「そうだ登ってみせろ」


「フン。舐めないでくださいよ!


鍛えてきたんです。これぐらい大したことありません!」


「ウハハハハ!その自信はよし!ではいけ!」


神の言葉と共に男は早速登りにかかった。


「ぬ!」


凹みがない!いや微かにある指一本ギリギリ入れられる!


「なんのこれしきぃぃ!」


男は辛うじて指をひっかけ登る。


が上がるにつれどんどん指の置き場がなくなる


それどころか


「すべる!」


手を滑らせ滑り落ちる。


「何をやっている!早く登らんか!」


神は隣を登りすごい速さで登っていく


ついでに男の首に紐を巻き付けていきながら


「ぐええ!」


男の首が締まり苦しくなる


「はやく登らんか!じゃないと苦しいぞ!」


神の鬼のような叱咤に男は慌てて


登る。見事に滑る!


ああ神よその心に愛はありますか


----------


「あの時と比べればこれしき!」


生きてた時でも死んだ後でも


崖を登り続けた放浪人にとって


子供と荷物を抱え崖を登るのは容易いことだった。


幸い革の手袋が滑り止めの変わりになり幾分楽になり


雨と泥が目に何度入ろうとも放浪人は登り続けた!


「マスターもうすぐです」


ログの声が聞こえ放浪人も少し安心する。


あと少しエナルもまだ息はあるこのまま


一気に登ってやると意気込んだ時


「クロロロロ!」


下から鳴き声が聞こえた。


鳥のような奇声…


「崖の下から何か近づいてきます」


「いやな予感がする」


ログの忠告を聞き恐る恐る下をのぞく


放浪人の目に映ったのは大きな黒い翼、大きな鉤爪


サメのような鋭い歯が並ぶ牙!


「大型キメラばっかりだな!この世界は!」


直上に飛びながら放浪人に向かってくる


「シームバードです!気を付けてください」


放浪人は身を屈め攻撃を躱す。


シームバードは放浪人の上を飛び去り遥か上空に飛ぶ


崖よりもはるかに高い姿を見て


「飛べたら楽だよな」


放浪人が愚痴った束の間シームバードは上空で体を翻し


今度も放浪人に狙いを定め滑降してきた。


放浪人は鞘を横にし剣を引き抜くとそのまま岩に突き刺し


そのまま手を岩から放すと剣の持ち手を掴む。


体を反らしギリギリのところでシームバードの攻撃を


再びかわす。


「緊急事態だ!その背中借りるぞ」


放浪人は剣を引き抜きシームバードの背中に乗る。


当然シームバードは暴れた。


振り払おうと翼をばたつかせる!


「クロロロロ!?」


雨に濡れ滑りやすい羽根を


辛うじて掴んでいるとログが点滅する。


「なにやってるんですか!マスター


飛び乗るなんて危険です」


「いいからみていろ」


放浪人はひたすらシームバードのを背中ひたすら掴む


シームバードは滑降したり暴れる。


なんとか振りほどこうとする。


「ほらお得意の上空に逃げたらどうだ!」


そう言い放浪人は剣を突き刺した。


当然傷はないが痛みはある


シームバードはその場で悶えると


そのまま上空に上っていく。


「よし!いいこだ」


シームバードが崖を超えた!


その先には雨で見えずらいが木がまわりにある


小さな町が見える。


「これが狙いだったのですね」


ログが感心するも


「でもどうやって降りるのですか」


「……考えてない」


放浪人は雨と共に冷や汗かいた。


「マスター勘弁してください」


するとシームバードは上空で暴れた。


ぐるぐるとその場で回り始めるシームバード!


「おい!プレゼントだ!」


放浪人は持ち手をギリギリまで伸ばした


皮袋をシームバードに投げつける。


皮袋はシームバードの首をぐるりと回り持ち手が首に絡まった。


ますます暴れるシームバード!


放浪人はダメもとで皮袋の持ち手を引っ張った。


「グゲエエエ!」


首を絞められ苦しみ悶えながら降下し


少しずつ町に近づいていく。


「このまま町にいってもらう!」


放浪人は皮袋を引っ張り上手く誘導していく


小さな明かりが見え始めた。


「あと少しです。このまま!」


ログが激しく点滅。


町が段々近づいていく。


「……お父さん」


意識朦朧の中エナルがつぶやいた。


「……俺はおまえの親父じゃない」


放浪人はため息をついた。


このままいけば無事到着する!が!


世の中そううまくいかないシームバードは


またその場で首と体をばたつかせ再度もがく


すると皮袋の中身が落ちていった。


持ち手がするりと外れると途端に


シームバードは自由になる


すると上空で迂回し始めた。


「そうかい。じゃあここまでだなお疲れさん!」


放浪人は剣を抜くとシームバードの背を蹴った。


放浪人が重力に引っ張られ町の方へ落ちていく。


「理解不能!理解不能。どうするんですか」


「賭けだ。町の近くに木があった!それをクッション代わりにする」


「うまくいくはずがありません!」


「やってみないと分からん」


放浪人は背負っているエナルを前に


持っていき頭を守るよう胸に抱く。


そして放浪人の背中に木の枝、葉が当たる


バキバキ!木の枝が折れ落ちていった。


「ぐっ!」


強烈な激痛が放浪人を襲う。


骨が砕けてしましそうな痛みに


歯を食いしばり耐えながら落ちていく。


「マスター!」


ログの心配の声と共に放浪人は地上に落ちていく…

ポケモン世代赤

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