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小さな丘の町を目指して

見やすく書くには…

早朝。雲の間から照り付ける日差しが放浪人の目を刺し


軽い痛みを感じ目を覚ました。


(太もも…なにか熱い)


放浪人はチラリと薄目を開けて確認。


そこには放浪人の膝を枕にして静かに寝息をたてて


寝るエナルイン。


(やはり夢じゃなかった)


放浪人は脱力した。


もう一度エナルを見る


(子供だな)


放浪人はゆっくりエナルの頭に手を伸ばす


「ウーン」


エナルは小さな寝返りを打つ。


その顔は会ったころと違い毒のない純粋な寝顔


放浪人はため息をつき


(起きるまでまってやるか)


伸ばした手を引っ込め目をつむり起きるまで待つことにした。


しばらくたち少し眠りについた放浪人が今度は耳の違和感で


目を覚ました。


「なにやってんだ…」


エナルが放浪人の耳を触っていた。


「うちのより小さい!毛が薄いし変な肉の塊がある」


放浪人の耳たぶをぷにぷに触る。


「うっとおしい」


放浪人はエナルの手を払い立ち上がる


するとエナルは後ろに回りこむと尻をペタペタと触った。


「やっぱ尻尾ない!」


「だから触るな」


放浪人はエナルの手をさらに払いのけ剣と皮袋をまとめて持ち


前へ歩くとエナルは後ろについていきながらジロジロと放浪人の背中を見続けた。


「なつかれましたね」


ログが点滅する。


「餌付けに成功しただけだ」


「朝食は?ある?」


放浪人は皮袋から食べ物と水を取り出し


エナルに渡すと嬉しそうな顔をしてそれを口にいれる。


「ログ。ここからどう行けばいい」


「北東の方角です。ここから半日かかります」


「半日か…少しの我慢だな」


ログが指し示した方向を見ながら放浪人は遠い目をする。


「なんだ。それ」


放浪人の腕についたログをエナルは興味津々みつめていた。


「獣人の子供は嫌いだ」


「嫌いなものが増えましたねマスター」


放浪人の悩みの種が増えた。


太陽が雲に隠れはじめ


二人は二つ目の緩やかな丘を歩く。前に進むたびどんどん険しい。


背の高い雑草。木が多く。土がぬかるむ


「あいつ元気だな」


放浪人は隣の木を見上げた。


その遥か上。木のてっぺんにエナルが立っている。


広がる雑草。今上っている木よりも大きな木


(ここがうちのいた世界と違う世界…


少し感じが違うけど似てる)


エナルはボーと先に広がる世界を眺めた。


故郷は自然と城がありそして自分の住んでいる街があった。


そこで買い物したり食事をしたり狩りをしたり


娯楽も楽しみもあった。


エナルの頬に無意識な涙が伝う。


「おい。なにしてる行くぞ」


放浪人の声で我に返り腕で涙をぬぐい


木から飛び降り。枝から枝へ飛び移り


最後のジャンプで数回の前転を加えた見事な着地!


しかしバランスを崩してしまい尻もちをつく。


(あれ…)


完璧に着地したと思っていたエナルは呆然とする。


「どうした。なにかあったか?」


放浪人に声をかけられ気を取り戻すと


首を振りながら「大丈夫」といいその場で


立ち上がり放浪人に駆け寄る。


「天気は最悪。雨が降る」


「やっぱりな。できるだけ雨がしのげる木が多い道を行くか」


放浪人は頭を掻き荷物を肩に背負い再度進み始めた


「ちょっと聞いていいか」


「おまえはさっきから聞きっぱなしだろ」


「だってわからないんだもん」


エナルはぷー垂れる。


「その人間って奴はみんなお前みたいな


耳が横で尻尾がないのか」


「ない」放浪人は即答する。


「ただエルフ族といわれる奴らはわからないがな


こう耳は人よりも長く尖っているし」


「ふーんエルフ族と人間は違うんだ」


「ちなみにお前らはここでは獣人って言われてる」


「獣人?なぜだ」


「大まかな体は人間のつくりと似てるが


獣のような耳と尻尾があるからだろ


詳しくは知らないが」


「確かに…じゃあホウロがうちの世界にきたら人獣だな」


エナルは笑う。


「行くことはないだろうがな」


特に気にする様子もなく放浪人が歩み続ける


エナルは後ろについて行きながらご機嫌で鼻歌を歌う。


かなり音がずれていた。


「なんですかこのずれた音は」


ログにノイズがはしる。


「獣人の鼻歌」


すると急にエナルの鼻歌が止む。


「なんだ別に続けても…」


「シッ静かに」


エナルは振り返る放浪人に警告すると


尻尾を地面につけしゃがみ目を閉じ耳を動かした。


「すごい速さでこっちに向かってきてる奴がいる」


放浪人は突然のエナルの警告に困惑する。


「なにが近づいてくるんだ?」


「わからない。なんか大きい生き物。


あそこからくる」


そう言うとエナルは草木を指さした。


指し示した方向を見た放浪人。特にかわったところはない


とエナルに言おうと口を開けた


瞬間!


草が揺れる音が聞こえ。


放浪人も小さな気配を感じ取る!


「きた!」エナルの叫びとほぼ同時に


草木をなぎ倒して3匹飛び出して襲い掛かってきた。


放浪人はいち早くエナルの首根っこを掴むと足で地面を蹴り


上にある木の枝を左手で掴みぶら下がった。


「こいつ気配を消してやがったな」


下を見ると狼のような顔立ちと大きな体つき


四つ足で鋭い爪と牙。毛むくじゃら。


「おまえの仲間か?」


「んな。わけあるか!うちのどこがモンスターだ」


放浪人が訪ねるとエナルは怒る


「コーバルウルフです。気配を消して


突如人を襲う危険なモンスターです


クエストにも記載されています」


「気配を消す?…エナルおまえ何故わかった」


放浪人がエナルを見ると先ほど首元をつかんでいた


エナルが消えている。


「ギャウ」と獣の断末魔が聞こえ声の方に目をやると


エナルが一匹のコーバルウルフの頭を踏みつけていた。


そのまま飛びエナルは狼と距離をとり地面に着地する。


狼の狙いは完全にエナルになり。


向きを変えじりじりとうなり声をあげ近づいていく


「まずい」放浪人は枝から手を放し


地面につくと背にある剣を鞘ごと引き抜きその後鞘から剣をぬいた。


エナルは地面に手をやる。


すると突然狼の足場の地面が盛り上がり砕けた。


狼はバランスを失い。


辺りを見回している隙をついてエナルが1匹の狼に


鋭い刃物のような爪で狼を切りつける。


すると狼は血を吹き出し切りつけられた


方向と同じように体が崩れた。


エナルは地面に足から着地すると


続けて追撃しようともう一匹に狙いを定め


飛びかかろうとした。が膝から力が抜け


ガクッと前のめりに倒れた。


狼はエナルにとびかかろうとしたその時


スカンと剣が狼の体を貫き地面に刺さった。


突然の痛みに狼は叫びパニック状態!


狼は謎の痛みに恐怖しもう一匹と林の奥に消えていった。


「こんなところで役に立つとは」


ジュゼスからもらった体を透き通るが痛みはある魔法の剣


放浪人は突き刺さる剣を引き抜き鞘に納めた


同時にポツポツと雨が降り始めた。


腕についているログに水滴が落ち始める。


「降り始めてしまいましてねマスター」


「当たり前だがこの世界でも雨が降るんだな」


放浪人はエナルに目を向けると先ほどから前のめりに


倒れたままだった。


「おい。いつまでねてるんだ。風邪ひくぞ」


声をかけるも反応がない。


おかしいと思った放浪人はエナルに駆け寄り倒れた体を


抱き起した。


体が熱いそして顔も赤く呼吸も荒い。


意識朦朧という状態!


「おいしっかりしろ!おい」


エナルに呼びかける放浪人の声をかき消すように


放浪人が異世界にきてはじめての雨が容赦なく


襲い掛かるのだった。

読み返すと誤字脱字多いのなんの

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