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獣人!エナルイン

筆が進むときと進まん時があります。


筆じゃないけど

「ハッ」


娘は目を覚ました。


変な布がかぶさり


目の前には焚き火の火がゆらゆら燃え


自分の目の前には食べ物と…水!


すぐさまがっついて食べる。


米に似たスナック菓子を食べ水を流し込んむ


久しぶりの食事に味を感じる余裕はないはずなのに


おいしいと感じてしまう。不思議!


「気が付いたか」


少し離れた木にいた放浪人が声をかけると娘が顔を上げた。


「あっ!」


すると娘は慌てて後ろに下がるも木にあたる。


「落ち着け。ほら飯と水追加だ」


放浪人が娘の目の前に水の容器と同じ食べ物を放り投げるも


警戒して地面に落ちた。


娘は食事と放浪人を交互に見ている


「食べないなら俺が食べるぞ」


放浪人が手を伸ばすと


「食べる!」


娘は素早く食事を手に取った。


「なんだ喋れるじゃないか」


放浪人は安心して木に背を預けため息をつく


「なんとかコミュニケーションとれそうですね」


「だな。さてどう切り出すか」


ログと放浪人が相談している様子を


娘は食事を口にしながら怪訝にみつめた。


「…おまえ誰とはなしている」


放浪人に娘がビクビクしながら声をかけてきた。


「こいつだが」


放浪人が腕についているログをみせる。


娘はログを不思議そうに眺め


「こんにちは。獣人さん」


「うわぁ!なんだこれ?」


ログの声に娘は驚き木にすごい速さで登り


じっと放浪人をみた。


「…ログ…やっぱりおまえ黙ってろ」


「わかりました…スリーブモード」


ログは点滅し消える。


「俺は放浪人。おまえは…って名前あるのか?」


放浪人は木の上の娘に声をかけた。


すると木からするすると娘が降りてくる。


「名前ある。失礼な奴」


木にしがみついたままチラリと文句をいう。


「エナルイン・キアリーノ…うちの名前」


エナルインはそう答える。


「じゃあ。エナルでいいか?」


「どうでもいいホウロ」


生意気なガキ・・・放浪人はおもった。


「ここはどこ。それにおまえはだれだ」


「ここは、おまえの知っている世界じゃないことは確実」


「しっている世界じゃない…」


エナルは少し考え。


「異世界」とつぶやいた。


「少し前。行方不明者が沢山出てみんなパニックになった」


「おめでとう。おまえも被害者」


「ええ!そんな。うそ!」


エナルが木からおりて放浪人の目の前にきて


ジッと観察するように眺める。


「耳がない」


エナルは自分の耳を触りながら驚愕した。


「あるわ」


放浪人は耳元の髪を上げ耳を見せた。


「小さい耳が横にある!毛が生えてない」


ますます驚くエナル。


「フッ。頭にある方が驚愕だ」


放浪人が笑いながらつぶやいた。


「じゃあ尻尾は!服の下にあるんだよね!」


「ない。もとからない。抜けたわけでもない」


エナルはますます驚愕の顔を浮かべる。


「ええ!ってことは!ここは本当にうちのいた世界じゃない」


「冷静になれ。ほら食べ物」


「もらう!」


放浪人に差し出された食べ物を奪い取りかぶりつくエナル。


「どうしてこんなところに…友達と遊んでたら急に意識がなくなって


…気が付いたら知らないところで倒れて…」


「突然って感じか」


肩を落とすエナルに放浪人は同情した。


異世界に飛ばされる奴はみな突然!


どこの世界も変わらない!いい迷惑


「うん。あんたは?ここの世界の人間?」


「一応。複雑だが」


ここに転移させられた時からこの世界の人間として


生きると決めていた。放浪人にとっては自分は人間。


「ガガーン!仲間だと思ってずっとついてきたのに…」


ん?放浪人は首をかしげる。


「ちょっとまて。ずっとついてきたっていつからだ?」


「丘を登り始めるちょっと前あたりから


回りにおまえしかいなくて」


「だったら声をかければいいだろ」


「だって独り言ぶつぶつ言って気持ち悪かったんだもん」


「ち…ログ外すか」


悩みが増えた放浪人。しかし疑問がまだ残る。


「じゃあなんで攻撃してきた」


「攻撃するつもりはなかった…だから隠れながら近づいた!


おなか空いてそれで我慢できなくて…


皮袋の中身がしりたくて」


罪悪感を感じているのエナルは口を濁す


「お前の世界は他人の物を盗んでもいいと」


「もちろんダメ!だけどお腹空いてちょいと


拝借しようと」


「その気持ちはわからんでもない」


エナルの言葉に放浪人も頷く


「それにおまえ!うちのパンツ見ただろ」


パンツ?放浪人は思い出した。


捕まえた時足を持ち上げた。


彼女はドレス…まぁわかるよね。


「見ないようにしたから大丈夫だ」


「本当?うちがかわいいからって変なことしてないか」


「子供にそんなことするか」


エナルはムッとした。


「子供あつかいするな。うち大人」


「年齢は?」


そう聞かれるとウッと息詰まる表情するエナル。


「一と四」


「ガキ」放浪人は即答した。


するとエナルが放浪人を指さし怒る


「知らないのかーうちの世界では14は大人!


もう一人立ちしている」


「多分ここの世界ではガキ」


放浪人はエナルの小柄な体を見てため息をついた。


エナルは顔を真っ赤にしながら拳を握りしめたが。


少し冷静になり首を振り水を飲むと放浪人に詰め寄る


「そんなことよりホウロ!うちの他にもここにきた奴もいるのか」


「いるぞ」放浪人が即答すると


「本当か」と嬉しそうな顔をするエナル。


「ああ。俺は直接見たわけじゃないが


お前より毛深かったらしいが同じ耳と尻尾の連中」


「毛深い…コロトス獣!」


「コロ…なんだ?」


突然出た怪獣みたいな名前に放浪人は耳を疑った。


「コロトス獣!うちの住んでる国から少し遠い国のケモノ


間違いない。そこから中心に行方不明が出たって聞いたもん」


「じゃあそうなんだな」


獣人世界は違う進化をとげたんだなと


ダーウィンが喜びそうな解釈をし考えないようにしましょう


放浪人のように


「どこに行けばあえる!」


「西の森っていってたな。ここから丘に降りて北西方面に二日ぐらい」


「よしさっそくいくぞ」


エナルは放浪人の皮袋を持つと早速行くぞという


感じで丘を下ろうとすると


「断る」放浪人は皮袋の取っ手をグイと引っ張り


エナルを転ばせた。


「いててーおいなんでだ。助けてくれるんじゃないのか」


「一応、助けた。食料も水も恵んでやった。


何より盗んだことも目をつむっている」


エナルは何も言い返せず押し黙る。


「そこに行くんなら一人で行くんだな」


そういうと放浪人は再び木に背中を預け楽な体制をとった。


「そんな。冷たいぞ横耳獣!」


かわいくねえフレンズだ。放浪人はつぶやいた。


「悪いが俺はもう一つ先の丘の町に行く予定なんだよ。


すぐ近くらしいんでな」


するとログが点滅する


「あれ?マスター寄らないはずじゃあ…」


「食べ物がなくなった…だから補給が必要になったんだよ」


腕をあげため息交じりで放浪人がこたえると


聞き耳を立てていたエナルが近づいた。


「もしかして食料調達か…いつ行くんだ!


うちもいく!」


「エナルイン…好きにしろ」


放浪人はそのまま頭を下げ目を閉じた。

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