風VS風(自力)!
やっとバトルオワッタ!
ジュゼスは小刻みに震えていた。
「フン!自分の奥義が破られて戦意喪失したか」
剣を前に回し挑発する放浪人にクエセレンは怒りながら
舞台をたたいた。
「ちょっとあなたなんですの!はしたないあれはたまたまです!
ジュゼス!…様!もう一度奥義をやつに…」
クエセレンはジュゼスを見てハッとする!
「いいえ、姫様この男にもうあの奥義は通用しないでしょう」
なんとジュゼスは笑っていたのである。
「ジュゼス…」
いままで見たことがないジュゼスの表情にクエセレンは
啞然とする。その肩にレティは手を置いた。
「あの子があんなに楽しそうな表情をするなんて
はじめて…ジュゼスにとって放浪人さんは大きな存在なのね」
レティは嬉しそうジュゼスを見つめる。
「お見事です。今の奥義を破った者は今までいません」
ジュゼスは放浪人に向かい頭をさげた。
それをみて放浪人は肩を落とした
「なんだ降参か。とんだ肩透かし…」
「いいえ。降参ではありません感謝です」
「感謝?」
放浪人が聞き返すとジュゼスはニヤリと笑い
剣を構えた。すると再び風が吹き始める。
「あなたならわたしの限界を引き出せる
好敵手にふさわしいとはじめて感じました」
風がジュゼスだけではなく放浪人の体にまとわりつく
(なんだ?後ろにも風がある何をする気だ)
放浪人は風の動きに違和感を感じ
見ていたクエセレンもその異常に驚く。
「ジュゼス…あなた一体なにを…」
するとジュゼスはクエセレンを見て微笑みかける
「クエセレン姫!見ていてください。わたしの華麗な勇士を!」
「ジュゼス…はいこの目でしかと拝見いたします!」
クエセレンの応援で力が入ったのかますます風が強くなる。
「次の技はエルフ族伝統ではなく!わたし自身が編み出した技!」
「いいだろう!ならば!打ち破ってくれる!」
放浪人は二本の剣を手にジュゼスに対して構えた。
「「勝負!」」
二人の声が重なった瞬間風と共にジュゼスが突っ込んできた。
「さっきと同じかならば!」
放浪人は向かってくるジュゼスに風ごと切る勢いで剣を振る!
しかしそこにはジュゼスはいなかった。
「こっちですよ!」
後ろから聞こえる声に放浪人は咄嗟にもう一本の剣を動かすと
ガキン!と剣身が当たる音が響く。
後ろを向き追撃を狙うも剣は空を切る。
「こっちです」
「右か!」
放浪人は右に向かって剣を突く!しかし
「残念ながら外れです」
後ろ上からジュゼスが現れ突きかえす!
「くそ!」
体をひねりジュゼスの突きをかわそうとするも
肩に当たり放浪人のメーターがゴッソリ減る。
「こんの!」
放浪人は剣を広げ一回転して振るが全てかわされてしまう。
ジュゼスの猛攻は止まらない右!左!後ろ!正面!斜め!
切る!突きなどが放浪人を襲いメーターの数値も奪い
痛みが増していた!
「すごいまるでハリケーン!こんな技今まで見たことがありません
これがジュゼスの本気!美しい」
その光景にクエセレンは息を吞む。
「うーんピンチですね…放浪人さーん怪我しない程度に頑張ってください」
レティはのんきに旗をふった。
「どうですか!放浪人わたしの奥義!」
----ラッシュハリケーン!-----
ますます激しくなるジュゼスの攻撃!
「ならこの風の流れにのってやる!」
放浪人は風の流れる反時計回りに体ごとまわる
ジュゼスは笑う。
「わたしの風の動きに合わせて対応するとは!」
「これぐらい抑えてくれる!」
言葉通りジュゼスの攻撃を防ぎはじめる放浪人!
「ああ…そんなせっかく押してましたのに
また振り出しですわ」
思わず熱くなりレティにしがみつくクエセレンしかし
「いいえ。姫ジュゼスが優勢なのはかわっていません。
放浪人さんに疲れが見えます。おそらくジュゼスの攻撃を防ぐ
だけで精一杯のようです」
手をおきながら諭すレティ。
実際放浪人も息が乱れはじめる。
「疲れがみえてきましたね。そろそろ限界ですか」
ジュゼスの風はますます早く回りはじめた。
放浪人は足を止め回るのを辞めた!
「そこ!」ジュゼスはすかさず剣を振り放浪人にあてた
メーターはまた減る。
(よしこれで放浪人は虫の息!次の一撃でラスト!)
「ジュゼス!おまえがハリケーンなら!俺は台風のぉーー目!」
すると放浪人はまたその場で回りはじめた逆に!
時計回りに!
「この流れに逆らおうというのですか!?」
現に放浪人の動きは鈍くなっていた。
すかさず突きの攻撃をするジュゼス
だがガキン!と鈍い音と共に剣身がはじかれる!
(クッ自分の流れに持ち込みはじめている!)
ジュゼスは動揺した。そんなさなか放浪人は思い出す!
------修行時代
風を起こす神がちょうど遊びにきていた
そこで神はこういった
「やつの風に勝て」
「は!?」
突然のことで男崖の上で足の親指をひっかけながら腹筋をしバーベルを
持ち上げていた男は驚いた。
それを聞くや否や風の神は目の前でハリケーンを作りだす。
「いけぇ!消し飛ばしてこい!」
「無理です!死にます吹っ飛ばされて!ミンチにされて!」
「恐れるでない!貴様が新たな目となるのだ!」
神は容赦なく男をハリケーンに投げ飛ばした!
この後数ヶ月どうなったか想像にお任せする!
--------
「とおおおおおおおおおおおお!」
----バーストタイフウ!-----
放浪人はドンドン早くなっていく!
まるで先ほどの風を切り新たな風を起こすように
ジュゼスの流れも変わりはじめた。
「しまった流れが!放浪人に!」
するとジュゼスの体は風に飲み込まれ時折くる放浪人の
斬撃を受け始めた!ジュゼスのメーターが減っていく!
因みに外では
「いやあああ!巻き込まれる!」
「お嬢様!しっかりわたしの手を!」
レティとクエセレンも巻き込まれていた。
「くっ!」
ジュゼスの鈍りを放浪人は見逃さない
「もらった」
放浪人は右下をついた!…が外れる!
急にジュゼスが視界から消えた。
「ここです!」
放浪人の真上からジュゼスが勢いよく落ちてくる!
「その台風の目!つぶしてあげましょう!…はっ」
ジュゼスは驚いた。放浪人の動きは止まっており自分を見ていた!
「そこに来るのを待っていたぞ!」
放浪人は左手の剣を構える
「なるほど一騎討ちですか!」
「こい!」
ジュゼスは勢いよく落ちそして放浪人に向かって渾身の突き!
しかし頬をかすめる。
「俺の勝ちだ!」すかさず放浪人もジュゼスを突いた!
きまった!…が
「お見事です!わたしじゃなければ今ので完全にあなたの勝ちでした」
頭上に放浪人が突き刺したと思ったジュゼスは消え!
そして放浪人の左下から現れた!
「きまりましたわ!これでジュゼスの勝ちです!」
お嬢様はボロボロになりながら思わずガッツポーズ!
「これでおわりで…」
ジュゼスは体制を崩しながら最後の突きを繰り出した。
そのとき放浪人は右手に持っていた剣を手放し
「まーけるかーーー!」
するとジュゼスに向かって右手で掴みか…
「ストーーープ!」
・・・
突然のレティの大声で全ての動きが止まった!
「放浪人さん!あなたは棄権させます!」
するとレティは舞台に上がり動きを止まっている
放浪人の右腕を抱きかかえた。
「ちょ…放せ!まだ終わっていない」
「ダメです!手を使おうとしたじゃないですか許しません!」
レティと放浪人のやりとりにジュゼスはため息をつき
埃をはたきながら立ち上がりクエセレンに歩み寄る
「興がさめました。姉上に免じて引き分けということにしましょう」
「おい!まて逃げる気か!」
剣を立てかけ舞台を降りるジュゼス。
「ていうか何言ってますの!あなたの反則負けじゃないですの!
ジュゼス様の寛大な心に感謝しなさい」
クエセレンの指摘にグヌとも何も言い返せない表情をする放浪人
情けない放浪人!それを見てレティは笑いかける。
「では治療の続きをしましょうか」
すると突然ドアが勢いよく開くと兵士が真っ青な表情で入ってきた
「たたたた大変です!」
ジュゼスはクエセレンを抱き込み怒る。
「姫の前でドアを乱暴に開け大声を上げるなど失礼です」
「すすすすいません!ジュゼス様!クエセレン姫!」
男は折れる勢いで頭を下げるもすぐ顔を上げる!
「ですが聞いてください大変なんです!実は獣人がまた現れたのです!」
「なんだと!」
ジュゼスは目を見開き驚いた。
あと少しあと少し




