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イマジナリゼロ  作者: 加賀美彗
終わる世界と始まる世界
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最期の願い

 道化師を倒してから海の氷が完全に溶け、止まっていた船は再び進み始める。刻矢達も部屋に戻りゆっくりと休む事にした。部屋に戻るとクロエとノエルが刻矢達を出迎える。刻矢は二匹の無事を確認すると、クロエ達を抱えて二段ベッドの頂点へと向かった。

「ところで、ディエス・イレってあと何人居るのですか?」

「十人だ。俺やサルヴァトーレが裏切り、四人が倒されたから残りはネオを含めた四人だな」

 悠翔の言葉を聞いて刻矢はやはりなと考える。祖父の輪廻の言葉でそれくらいは居ると予想はしていたからだ。

「親父達がそのうち一人を海に沈めたらしい」

「沈めたのは倒した部類に入るのかしら?」

 全員が考える。海に沈めただけで本当に勝てるのかと。特に刻矢はドラゴン――クリストファー・ハーネックが沈められた程度で死ぬとは到底思えなかった。インフィニティコードの力で不滅の身体を本当に得たのならば、そもそも誰も彼を本当の意味で殺せないのではないか。様々な技と防御力まである相手があっさりやられるものなのかと。

「多分奴は生きている。下手をすればネオより強いかも知れない」

 周囲がざわめく。そのため、刻矢は敵の正体を仲間へ話す事にした。

「死体化ではなく、インフィニティコードを使って願いを叶えたナイトメアですか。厄介ですね」

「おまけにコード製作者で約二十年も宿していたと。とりあえずナイトメアにされた俺より余計にたちが悪いじゃないか」

 望んでナイトメアになった上に力の使い方を熟知している。おまけにインフィニティコードの願いによる補正付きときている。そんな化け物相手にどう勝てば良いのか刻矢は解らなかった。

 もしネオがクリストファーと同じくインフィニティコードを手に入れたら、イマジナリゼロが通用しない正真正銘の化け物になってしまうだろう。通常時でも苦戦するレベルの相手だ。早く倒さないと取り返しのつかない事になる。

「恐らく、ネオとクリストファー以外の二人もかなりの強さだろう。今回も勝てるかどうか解らない」

「勝つわよ。あたし達があんたをネオまで送り届ける」

「ああ、絶対に勝つさ」

 刻矢達は勝利を誓い合う。ネオを倒す事が目標だからだ。それでも刻矢はある事を考えていた。クリストファーの言っていた、ネオも被害者だという言葉の意味を。ナイトメアの力や姿はエゴ――願いに由来する。刻矢の場合、最期にもう一度だけ姫陽達との再会を望んでカラドリウスとなった。ならば、ネオの願いとアークという姿は何なのかと考えるが答えは出なかった。


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