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イマジナリゼロ  作者: 加賀美彗
プロローグ
13/104

天空の王

「なるほど、人間を襲おうとしていたつもりがまさか相手が同族だとはねえ。フェニックスはこの事を知っていたのだろうか?」

 三人のうちの一人――紫色の光を纏った男が刻矢の変異を冷静に分析する。

「力に溺れた三馬鹿だと思っていたが、ナイトメアコードに飲まれても案外冷静な奴もいたのか。喰った物吐き出して風紀活動してれば良いものを」

「選ばれた強い存在が世界を支配するのは自然界では当然の摂理だと思うけどねえ? それに、他人の心や記憶は一度喰らったけどつまらないから戻したよ」

 先程撃たれたとは思えない程に紫の男が饒舌に話す。よく見ると傷口が完全に塞がっており皮膚に付いた血が無くなっている。

「確かに」

 刻矢は男の言葉を肯定する。カラドリウスに変化した刻矢は、この姿を見ても物怖じせず冷静に答える男に興味と関心を抱いていた。旅をしてきた刻矢でも見た事など無いがこの男はナイトメアコードに耐性を持っているのかと。刻矢は力に溺れた紫の男の事を勿体無い奴だと思っていた。ナイトメアコードに心を喰われなければ自分とは別の方向で強い存在になっていたかも知れないと。

「おい錐彦! あいつ、俺らの事を三馬鹿と言ってたぞ!」

「落ち着きなよ足立君。冷静さを失ったら奴の思うつぼだよ」

 足立と呼ばれた緑の光を纏っている男が紫の男――錐彦の言葉に嫌々ながらも従う。

「認めたくないが、錐彦の言う通りだ足立」

 青の男が、不服ながらも冷静に諭す。

「海人も錐彦の味方かよ。しゃーね、三人で片付けるか」

 三人がそれぞれ右手を前にかざす。すると彼等の目の前には紫色に輝く『Scorpion』と青の『Bat』、緑の『Spider』の文字が出現する。同時に景色が激しく揺らめき始める。

「コード・オン!!」

 三人がそれぞれのナイトメアコードに応じた色の激しい光を放ち夜の世界を一気に飲み込んでいった。

 鳥の肉体に変化している刻矢は光が大体消えた頃に瞬膜と下からの瞼を開く。辺りを見回すと、景色が星空を穿つ摩天楼の群とそれらを蝕む様に木々や草花が生えたジャングル。下の部分が、起伏のある砂漠の砂に埋まった状態になっている。

 刻矢とクロエは、現在最下層の砂漠に立っている。但し、空間ではクロエにも変化が起きていた。外見は普段の美猫のままだが、全体の大きさが人を頭一つ分超えているという点で明らかに異なっている。

「これがあいつらの空間か」

 刻矢は大きくなったクロエを爪で引っ掻かない様に撫でつつ警戒する。辺りからは何かが蠢く音が聞こえ、刻矢とクロエをいつでも狙える様に円陣を組んで蠢いている。そのためか、周囲から多くの気配と殺意を感じる。

「確実にしとめろクロエ」

 刻矢の言葉に対し誰に言ってるのと言わんばかりに強く鳴く。クロエのやる気に安心した刻矢は自身の背中を預ける。

 刻矢とクロエの戦闘体勢に反応したのか、人間大の怪物達が一斉に襲い掛かってくる。上空からは巨大なクモとコウモリの大群。地面からはサソリの群れが出現する。刻矢とクロエはそれぞれ散ると一匹ずつ叩き潰していく作戦を実行した。

 刻矢は七対の翼を生やし一気に上空へと飛翔していく。今襲い掛かってくる何物よりも速く高く空にいる敵を素手で叩き潰しつつ空を貫いていく。

 クモが地上に降り注ぎコウモリが向かってくるところで空中制止し、全ての翼を開き純白の羽根が豪雨の如く降り注ぐ。

 すると、空中に存在するコウモリとクモ全てや大半のサソリの肉体を無数の羽根で穿つ。三種類の化け物共は一気に青と緑、紫の光へと霧散して消えていく。刻矢は敵の消滅を確認すると、新たな七対の翼を生やし地上へと急降下した。

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