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拝啓、勇者さま ~勇者と幼馴染の手紙の記録~  作者: 文月 ふな


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31 王国暦377年1の月2の週 ククへ

 ククへ。


 すごい魔道具ね。こんな魔道具を作れてしまうなんて、ケイン様って天才? 旅の間に魔道具を作るなんて、並大抵の魔術師ではできないと思うんだけど。

 一応魔道具を使ってこの手紙を送ってみたけど、ちゃんと届いてるかしら。


 そうよね。新聞の記事には脚色も含まれてるわよね。もちろん全部を信じたわけじゃないけど、本当のところはどうなのかなってちょっと気になっちゃっただけ。だけどやっぱり事実じゃないのね。よかった。


 パトリシア様ってアドリー様が好きなの? 喧嘩が多かったのも気になるからこそ素直になれない、みたいなものだったのかしら。気になる展開すぎる!


 いよいよ魔の森に入ることになるのね。じゃあそこからは完全に四人だけの旅になるということね。騎士団の支援は完全になくなるのよね? 不安だわ。これまで騎士団が支援してくれていた分もククたちだけでやらないといけなくなるのよね。あまり無理はせず、というわけにはいかないと思うけれど、どうか滞りなく進めますように。何度も言うけれど、どうか無事で。


 魔の森に入っても手紙を送ることができるのは嬉しいけど、四人だけの旅になるということは今までよりも大変になるということだし、私が手紙を送ったら邪魔になってしまわないかしら? どう?


 リリーより。

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