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拝啓、勇者さま ~勇者と幼馴染の手紙の記録~  作者: 文月 ふな


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3 王国暦376年7の月2の週 ククへ

 ククへ。


 クク、手紙ってすごいのね! あなたに手紙を送ってからまだひと月も経っていないのに、もう返事が届いたわ! 嬉しさのあまりすぐに次の手紙を書き始めてしまったわ。返信の速さに驚かないでね。


 王都の暮らしは田舎者には大変なことも多いんでしょうね。でも順調に暮らせているようで安心したわ。


 王都の騎士団というと、精鋭揃いだと有名よね。そんなところに混ざって訓練をしているなんてすごいわね。村ではククが一番強かったけれど、騎士団と一緒だとやっぱりもっと強い人もいるのかしら? 魔王を討伐できるだけの能力を身につけるには、日々の厳しい訓練が欠かせないのね。あなたが強いことは充分知っているけれど、あまり無理はしすぎないようにね。


 ククと一緒に魔王を討伐しに行く予定の仲間たちのことはとても気になるわ! 勇者と共に旅立つ人たちだもの、きっととても優秀なのでしょうね! どんな人たちなのか聞かせて欲しいわ。また時間のある時に教えてね。


 同封されていた手紙は、きちんとおじさんとおばさんの手に渡ったわよ。おじさんたち、とっても嬉しそうだった。……けど、もうちょっと長い手紙を書いてあげてもいいんじゃない? あなた本当に近況報告だけしか書かなかったでしょ? おばさんが拍子抜けしていたわ。まあ、「ククらしい手紙だ」って言って笑っていたけれど。

 多分おじさんたちからの返事も今回の郵便に同封されると思うから、きちんと心を込めて返事してあげてね。


 ……書きたいことがたくさんあって、つい長くなってしまいがちね。

 とにかくククが元気そうで良かった。村のみんなも変わりなく元気だから、安心してね。


 ちなみに、私がお転婆なのは否定しないけれど、別に村の中を駆けまわったりなんてしてないわよ。私ももう十七歳ですもの、ちゃんと分別のある行動を取っているんだから。ククが村に帰ってくる頃には見違えるほど立派なレディになっている予定だから、驚くといいわ。


 それでは今回はこの辺で。


 村の淑女リリーより。

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