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拝啓、勇者さま ~勇者と幼馴染の手紙の記録~  作者: 文月 ふな


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29 王国暦376年13の月4の週 ククへ

 ククへ。


 騎士団の人たちは三日かけて近隣の魔物避けをして、次の地域に向かったわ。王都でのククの様子を聞けて楽しかった。

 とりあえずククが村でどんな子供だったかは話しておいたわよ。喜んで聞いていてくれたけど、話しちゃダメだったかしら。でももう話しちゃったからしょうがないわよね!

 ククこそ、私のこと話したでしょ? 貴族の三男だって言っていた彼、自己紹介したらなんだかしたり顔してたわよ。一体何を話したの? 変なこと言ってないでしょうね。


 村の周りの結界ってマルク爺さんに教わったの? 結界の点検をしていた神殿の人が完璧な結界だって驚いていたのよ。マルク爺さんの教えがすごかったのかククの結界魔術がすごかったのか、どっちなのかしら。どっちも?


 騎士団の人たちが滞在してる最中に丁度行商もやって来て、なんだかいつも以上に村が賑わってたわ。

 行商から買った新しい王都の新聞に、勇者たちのことが書かれていたわよ。勇者たちの旅の様子ですって。魔物を討伐したり復興支援の手伝いをしたり、ちょっとした憩いの時間を過ごす勇者たちの様子だったり。

 特に書かれてたのが、勇者と聖女である王女様の話。しばしば勇者と王女は二人きりで親密そうに話し込んでいて、割って入れないような空気があるとか。魔王の討伐が終わったら王女は勇者に下賜されるかもしれないとか。……別に、だから何っていうわけじゃないけど。書いてあったわよっていう報告! それだけ!


 リリーより。

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