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拝啓、勇者さま ~勇者と幼馴染の手紙の記録~  作者: 文月 ふな


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27 王国暦376年13の月2の週 ククへ

 ククへ。


 村に騎士団の人たちがやってきたわ! やっぱりこの辺りの魔物避け結界の点検と補強ですって。


 騎士団の人たちがとても驚いていたんだけど、クク、あなた村に結界を張って行ったの? とても強い光魔術で頑丈な結界が張られてるって言ってたの。光魔術が使えるのは勇者だけだから、きっと勇者が張った結界だろうって。そうやって見えないところでこっそり良いことするのはズルいわ。でもククはそういう人よね。きっと村を守ろうとしてくれたんでしょう? ありがとう。


 それから、やってきた騎士団の人たちの中に王都でククと一緒に訓練をしていたという人がいたわ。貴族の三男だと言っていたから、前にククが手紙に書いてくれた人かしら? とても良い人そうだったわ。ククのこともめちゃめちゃ良い奴だって褒めていたわよ。


 それと、話の流れでマルク爺さんの話になったのだけど、マルク爺さんの名前を聞いて騎士団の偉い人が目を丸くしていたの。どうやらマルク爺さんって昔王都で神殿所属の魔術剣士をしていたらしいんだけど……本当かしら。だってあの偏屈なマルク爺さんよ? 魔術剣士なんてできるのかしら。今マルク爺さんは旅に出ていていないから、本人に直接確認することができないのよね。気になるわ。


 騎士団の人たちは二、三日この辺りの結界の補強をして次の地域に行くそうよ。ちょっと話をして、この人たちもきちんと無事でいて欲しいと思ったわ。私たちは守ってもらうことしかできないけど、全員無事に任務を終えられるように祈ろうと思う。


 パトリシア様とアドリー様は仲良くなったのね。良かったわね、クク。それにしてもククが相談役だなんて、想像がつかないわ。ちゃんと的確なアドバイスができているのかしら。


 リリーより。

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