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拝啓、勇者さま ~勇者と幼馴染の手紙の記録~  作者: 文月 ふな


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26 王国暦376年13の月1の週 リリーへ

 リリーへ。


 旅を始めてから、行く先々で人々が感謝をしてくれる。中には既に小さい魔物被害が出てしまった街もあったけど、それでも魔物を倒したら感謝されるんだ。役に立ってよかったという気持ちと、もっと早く俺たちが着いていれば被害も抑えられたかもしれないのにという気持ちがあって、なかなか難しいな。

 でも一歩ずつ前に進むしかないんだよな。一人でも多く救う為には、進むしかない。


 旅が進んできたからか、少しずつ随行騎士団の人数も減ってきた。人員も無限じゃないからな、魔物退治後の各地の復興要員を確保しようとすると、やっぱり少しずつ減っていく。

 でも騎士団員の安全の為にはその方が良いと思う。魔の森が近づくにつれて、どんどん魔物が強くなっていってる実感があるんだ。中型よりも大きい魔物も増えてきた。俺たちに随行するってことは、強い魔物と戦わないといけないってことだから、やっぱり騎士団員にも危険が及ぶ可能性が否定できない。できることなら安全なところで離脱して欲しい気持ちもあるんだ。


 旅は確かに訓練かもしれないな。最初の頃よりも魔物も強くなって、でも問題なく倒せるようになって。戦闘面はだいぶ成長したと思う。それだけじゃなくて、人間関係でもだいぶ成長できてる気がする。

 パトリシアとアドリーがほとんど喧嘩をしなくなったんだ。その代わり、最近は間に入って相談を受けることが増えた。俺も大人になったもんだよな。一回りも二回りも成長して村に帰れそうだ。


 あの爺さん、今度は旅に出たのか。本当にいつまでも元気だな。マルク爺さんは殺しても死なないような人だから、心配しなくても大丈夫だろう。満足したらそのうちひょこっと帰ってくると思うぞ。


 ククより。

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