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拝啓、勇者さま ~勇者と幼馴染の手紙の記録~  作者: 文月 ふな


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19 王国暦376年11の月2の週 ククへ

 ククへ。


 無事に倒せてよかった。怪我はないのよね?


 きっとその地域の人たちは、ククによって救われたと思う。騎士団が残って復興の支援もしてくれるなら、尚のこと。

 騎士団がククたちに随行して魔物討伐後の支援と防衛を担うのは、とても効率的な方法ね。多分勇者パーティーの護衛とかも兼ねてるのよね? とても計画的で、無駄がないように思うわ。

 でもその方法だと、随行の騎士団がどんどん減っていってしまわない? その辺りもしっかり考えられているのかしら。戦術を組み立てる偉い人の頭の中は私にはよくわからないから、きっと対策も組まれているのだと思うけど。


 魔物と戦うのって、きっと想像を絶する恐怖だと思う。私なんかには本当に想像も付かないわ。

 これから先は魔物もどんどん強くなっていくのよね……? それはとても心配よ。もちろんククならきっと負けないと信じているけれど。

 魔物と戦ったと聞いて動揺するようでは、私もまだまだね。最終的にはククは魔王を倒す予定なんだもの。魔物なんて片手でひねりつぶしてやるといいわ!



 刺繍の図案がとても難しくて、ちょっと練習に時間がかかってしまったわ。本当はもうちょっと早く渡せる予定だったんだけど。とりあえず渡せてよかった。

 その刺繍には私だけじゃなく、村のみんなの祈りも込められてるからね! どうか、ククが無事に帰りますように。


 リリーより。

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