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四十四話 集う魔力


 魔族の襲来は街へ混乱をもたらした。ノクティアとティーナの周辺でも、人々が我先にと王城へ逃げていく。図書館の中は先ほどまでの静寂は何処へやら。利用客の悲鳴や怒号に包まれ、整理途中の床に積まれた本は避難する人間に蹴飛ばされ、踏みつけられる。


「どけ!くそガキ!!」

「痛いっ……!」


 大人が子供を押し退け脱兎の如く逃げる姿は見苦しい事この上無い。背後から強引に転ばされた少年は、手をついた際におかしな方向へ手首が曲がってしまった様子。ノクティアは駆け寄り


「そこの君、大丈夫!?」


 少年の手を取り、冷静に患部を観察する。


「大丈夫じゃない……痛いよ。手が動かない……」


 骨折か。動かそうとすれば相当の痛みを伴うようだ。平時ならともかく、この緊急時に手を自由に動かせないのは命取りになる。逃げるにせよ、避難生活をするにせよ、大きな枷となるのは間違いない。


「……任せて。すぐに治してあげるから」

「治すって、あんた治癒術師だったのかい?!」


 ティーナが目を丸くする。


「ううん、違うよ。でも似たようなことなら」


 ノクティアは目を閉じ、集中して魔力を指先に集約させた。身体を構成する魔力は手を通じて空間へ放出され、少年の手を包み込む。


(大丈夫、ただ壊れた骨を元に戻すだけ……!慎重にやれば可能よ……)


 主に神官が使用する治癒術とは違い、外科的な処置に近いノクティアの処置。手術して折れた骨をプレートで固定するように、魔力を用いて骨を整形し固定した。神官の魔法は聖なる白き光で治療するが、ノクティアが生み出したのは黒い、禍々しい光だった。いや、闇と言うべき外見だ。その光景に、ティーナは僅かに顔を痙攣らせる。

 人間の身体に注入された魔力は馴染むまでは軽い麻痺のような感覚を生じさせる。これが良い具合に麻酔の役割も果たしてくれた。


「これでどう?まだ痛む?」


 痛みはあるだろうが、全く動かせない程ではなくなったはずだ。少年は折れた腕をおっかなびっくりと動かして、処置前後の違いに興奮気味に答えた。


「凄い!痛むけど、さっきよりは大丈夫!ありがとうお姉ちゃん!」


 拳を握っては開く少年。ノクティアは安堵し


「そう、良かった。じゃあ早いところ逃げましょう。魔族がいつやって来るかわからないよっ!」


 少年の頭を撫でて、避難すべき現実へと引き戻す。


「そうだった……!お姉ちゃん達は逃げないの?」


 少年がノクティアとティーナを交互に見る。


「すぐ追いかけるから、先に行ってて!」

「……うん。またお城で会おうねっ!」


 骨折しているのを感じさせない足取りで、少年は先に避難を開始した。


「さあティーナお姉ちゃん、私たちも逃げよう!」

「……あー、そうだね。ただその前にノクティア……あんたの出生について聞いちゃダメかい?」


 治療の際に見せた黒い魔力。あのような力は人間では扱えず、ティーナはここ最近頻発する魔族の襲撃で似たような闇に人間や街が破壊される瞬間を何度も見てきた。


「……やっぱり、今のを見ていたら気になっちゃうよね」


 質問は治療する前から覚悟していたらしく、ノクティアは悲しげに微笑む。


「気にはなるさ。でもね?勘違いしないで欲しいの。私はあんたがどこの誰でも構いやしないんだ。私にとって、ノクティアはノクティアでしか無いんだからね。ただ、あんた自身が望まぬ事態に巻き込まれないかだけが心配なんだよ」


 もしもティーナの予想が当たっているのなら、ノクティアは街に攻め込んで来た存在と関係があるだろう。


「ティーナお姉さん……本当に変わった人ね」

「あまり舐めて貰っちゃ困るよ。ちょっとやそっとの事じゃ、貧困街で暮らす人間は動じないっての。あそこには色々な奴らがいるからね」


 あえて言葉には出さない。それでもノクティアが魔族か、それに準ずる何かであるのは間違いない。図書館での歴史書を見るに、ティーナにとっても魔族は恐るべき存在だろう。だとしても目の前のノクティアを種族だけで判断しない度量を見せてくれた。それだけにとどまらず、同族が街に攻めて来ているノクティアを心配する素振りまで。


「お姉さんに会えて、良かった。ほんとに……」


 その言葉に、ティーナは少しだけ照れくさそうに笑った。


「なんだい急に。気味が悪いねぇ」

「だって、本当のことだもん」

「……ったく」


 頭を軽く小突かれる。


 それが妙に心地よくて、ノクティアは小さく笑った。


 人類は愚かで、滅びないよう管理してやらなければならない。前魔王の考え方はノクティアの実体験を持って否定されるべきだと判明した。


「さ、変な事聞いて時間取らせて悪かったね。とっとと王城に逃げるとしよっか」

「うん!」


 二人は図書館から脱出する。


 焦げた臭いや血生臭さが合わさった戦場独特の刺激が鼻をつく。遠くの家屋は燃え、黒煙を立ち上らせる。


「うっ、酷い臭い……」


 ノクティアは堪らず鼻をつまんだ。


「この辺は中心街だからまだマシさ。王城から離れれば離れるほど状況は悪いだろうね。戦火が迫らないうちに安全な場所まで行こう。……とはいえ、王城でさえ絶対に安全かはわからないけどもね」


 ティーナはノクティアの手を強く引いた。


「離れるんじゃないよ!」

「……うん」


 その手の温もりに、ほんの少しだけ力を込め返す。


 無論ノクティアはもっと早く駆けられるが、ここはティーナを護るためにも速度を合わせた。魔王の娘と共にいる人間ならば突然襲われたりもしないだろうと考えて。


「あちこちに怪我人がいるけど、一人一人助けてる時間は無いからね。わかったかいノクティア」


 息を切らせて走り続ける。


「うん……。可哀想だけど、今は自分たちが巻き込まれないのが最優先だもんね」

「そうさ。図書館ではあんたが人を救えるとは知らず止める間も無かったけど」


 ノクティアにとって、既にティーナは他の人間より大切だ。怪我人を救うにしても、まずは彼女を城へ送り届けてから。


(魔族が……私の仲間がこんな悲劇を作り出しているのね)


 前魔王はこれまでに何度も王都へ攻め込んだらしい。多くの人間や魔族が苦しんでいたと考えると胸が痛くなる。


 ……いや。唐突に、実際に胸が痛んだ。


 ノクティアは酷い悪寒に膝をつく。


「ノクティア!?大丈夫かいっ!!」


 ティーナは顔を青ざめさせ、両手をノクティアの肩に置く。


「こ、この痛みは……っ!」


 街のあらゆる場所から湧き上がった魔力が、見る見るノクティアの小さな身体に吸い込まれていく。強烈な不快感に目の前が暗くなるほど。感覚としては父親……前魔王が死んだ時と酷似しているが、あの時は体調は悪くならなかった。

 自身に適応しない他人の魔力が無理矢理流し込まれるような、そんな感覚。


「苦しい……!なんなのよ、これは……!?」


 激しい炎が上がる方角から、特に多くの魔力が流れ込んでくる。吐き気、痺れ、頭痛……平衡感覚さえ狂い、ノクティアは立ち上がるのも困難だった。


「しっかり、しっかりするんだよ!王城はもうそこさ。私がおんぶしてやるから、気をしっかり持ちな!!」


 言うや、ティーナは小柄なノクティアを背負う。一歩一歩。転ばないよう慎重に進む。その間ずっとノクティアは痛みに襲われ続ける。


(違う……これは……ただの魔力じゃない……!)


 流れ込んでくるそれは、ただの力ではない。怒り、恐怖、絶望。断末魔のような【何か】が混ざっている。


(まさか……これ……戦いで死んだ魔族の……!?)


 吉田によって、強制的に書き換えられた特性。他の魔族が死んだ時、強引にその魔力がノクティアに引き寄せられる。本来は血の繋がりが無いと発揮されない能力なのだが、無理矢理捻じ曲げている為尋常ならざる苦痛がノクティアを襲っていた。


 体内で他者の魔力が暴れ回り、身体を内側から分解されてしまいそうだ。時間が経つほど、戦況が激化するほど、流れてくる魔力が増えてゆく。

 

「くそっ、なんだってノクティアが苦しまなきゃいけないのよ!王城に行けば、きっと詳しい人がいる……もう少しの辛抱だよ!!」

「……ぅん……ありが……とぅ。でも、ティーナ……お姉さんだけでも……にげて」

「はんっ、あんた一人軽いもんさ。こう見えて私は力持ちなんだ。任せておきなってば」


 背中に感じる少女の確かな体温で、自分に鞭打つティーナ。人をおんぶして長距離歩いた経験は無く、想像よりもずっとキツい。それでも置いて行く気はさらさら無い。短い付き合いだが、ノクティアといる時間は何年かぶりにティーナへ安息を与えてくれた。もしこの戦いを生き延びても、元々死んだように生きていたティーナにとってノクティアがいない世界は色褪せて見えるだろう。


 膝が笑い、腰は軋む。しかしようやく眼前に迫った王城の門に、疲れはにわかに消え失せた。


 ……その時だった。


「動くな!!」


 鋭い声が響く。王城の門前。

 そこに立っていたのは田中だった。抜き放たれた豪奢な剣が、真っ直ぐノクティアへと向けられる。


「その魔力……何者だ?貴女の背中の少女は」


 視線は鋭く、迷いがない。ノクティアの周囲に渦巻く異様な力を、完全に【敵】と認識していた。田中は【伝説の剣】の恩恵で魔族の探知をある程度可能だ。ノクティアの身につけるローブによって、ノクティアそのものが魔族だとはわからない。しかし、集う魔力が異常なのは認識できた。


「ち、違うんだよ!この子は……!」


 ティーナが叫ぶ。


「いいから、まずは離れてください!その子は危険です」


 即座に返される田中の怒声。ティーナは勿論離れない。


「……離れてと言っているんです」


 剣先が僅かに動く。

 一歩でも近づけば斬る……そんな圧があった。


「……っ!」


 ティーナは歯を食いしばる。だが、足は動かなかった。


「離れないよ」


 はっきりと、言い切る。


「そうかい。……その剣、あんたが【タナカ様】ってかい?……この子を殺すのなら、私ごとやりな」


 王都の色々な掲示板で田中の特徴は周知されている。黒髪に黒目、いかにも高価そうな大剣。王城にいる事からも、目の前の少年が【英雄候補】なのだろう。


「……やめて」


 かすれた声が、ティーナの背中越しに漏れた。


「ティーナお姉さんは……関係ない……」


 苦しげに息を吐きながら、それでも顔を上げる。


「私が……危険なら……」


 視線を、まっすぐ田中へ向ける。


「……殺すのは私だけで、いいんでしょう?」


 もしもいきなり魔力が流れ込んでこなければ。

 装着する者の正体を隠せるローブで上手くいったかもしれない。が、ここまで怪しまれてはノクティアと一緒だとティーナまで危険だ。吉田の身勝手な野望の為、今まさにノクティアはピンチへと陥っている。


 背中から降りて、どうにかノクティアは直立する。未だに王都周辺から魔力は流れ続けており、脳は碌に働きはしないというのに。


「ノクティア、あんたは黙ってなさい。私がこの坊やを説得してやるからさ。英雄候補様なら、王国民を簡単に斬れやしないだろう?」

 

 ノクティアを隠すように、両手を広げて立ち塞がる。


「そうですね。でも、その少女が俺の【目的】であるのなら……斬ります。誰が邪魔しても」


 田中には魔王の娘を倒し、生き返って祖母へ会う目標がある。ローブに身を包んでいてハッキリしないが、魔族の少女だとすれば魔王の娘の可能性はゼロでは無い。


「というか、その少女が魔族なら襲撃して来ているって事ですし。倒すしかありませんよね」


 いずれにせよ殺しておく他選択肢は無い。まさか魔族を王城で治療するなんて出来るわけが無いのだし。魔王の娘では無い、これが確定ならば見逃して王都から脱出させるくらいは構わないが……


「私は……王都から、離れます。それで……構わないですよね?」


 フラつきながらも、王城とは反対へ歩き出すノクティア。


「……いや。何故君に魔力が集まっているのか、その原因がハッキリしてからじゃないと逃してあげられないよ」


 城の中には神官や、魔族を感知するアイテムがある。すぐに手配してテストしなくてはと、田中は近くの兵士へ連絡を頼む。

 当然そんな事をすればノクティアが魔王の娘だとバレてしまう。


「さようなら、ティーナお姉さん。私は……ここにいちゃダメなんだ」

「そうね……このままじゃまずそうだ。だったら、貧困街へ行こう。あそこは身を隠すのにうってつけ、魔族だって真っ先に狙いにくる場所じゃ無いし」


 二人が出会った場所。あの辺りならティーナに土地勘がある。王城がダメとなれば、もうそこくらいしか無かった。


「待て……!今神官を呼んだ。テストが済むまではここにいてもらいます」


 ゆっくりと離れて行く二人の背に田中が叫ぶ。


「うるさい英雄候補様だねぇ。こっちに構ってないで、とっとと前線へ行けってぇーの。そのご立派な剣はお飾りかい?」

「……なんですって」

「あんたの仕事は最前線で戦うんじゃなく、弱った女の子を優先する事なんだね?ご立派だこと」


 吐き捨てるように。


 田中はこれから前線へ出ようとしており、その直前でノクティアを発見したに過ぎない。確かに優先度としては今すぐに戦いへ合流することだが……


「お姉ちゃん、どうしたの!?凄いつらそうだよ!」


 そこへ。図書館で骨折した少年が現れた。


 田中が少年へ聞く。


「……君はさっき避難して来た子だね?そのお姉さん達を知ってるのかい?」

「うん!図書館で本を読んでたよ。突然警報が鳴って、逃げる途中で手の骨が折れた僕を治してくれたのっ!」

「なるほど。そうだったんだね」


 田中は考える。


 図書館は王国民しか入れない。そして、見ず知らずの少年を治療する精神。魔王の娘ならば、図書館にも入れず人間を治療するわけもない。


「あの、タナカ様。そろそろ前線へ参りませんと」


 兵士達が数名、田中の元へ集って来た。


「………んー。わかりました、とりあえず俺は戦いへ行かなくてはなりません。お二人はここにいて、神官が来たらテストを受けてください。良いですね?」


 ティーナとノクティアへ軽く指差して


「あの、門番さん。この二人が逃げないよう見張っててもらっていいですか?」


神官が来るまでの見張りを門番へ依頼した。


「かしこまりました、タナカ様!」


ここで逃げる隙を与えてくれない程度にはノクティアを警戒しているようだ。


「では、お願いしますね」


 田中は兵士を引き連れて出て行く。


「ありがとう、少年」


 ティーナが骨折した少年を撫でる。


「どうして?助けてくれたのはお姉ちゃん達なのに」


 お礼を言うのはこちらだと、少年が首を傾げる。


「ノクティア。なんとか神官が来る前に離れよう」

「……うん、そう、だね……」


 田中を相手するよりは門番の方が楽そうだと判断し、二人はヒソヒソと逃げの算段を立てる。しかし、田中よりはマシと言うだけで正規兵には違いない。どうしたものかとティーナが思考を巡らせていると。


「怪我人が通ります!道を開けてください!」


 続々と、怪我した兵士や町人が簡易的な担架に乗せられて王城へ運ばれてくる。

 二人を見張っていた門番は傷ついた仲間や、護るべき住民の悲惨な怪我に目を伏せて


「魔族どもめ……。そこの二人、神官は治療を優先するので待ち時間が長くなると思う。タナカ様の言いつけなので我慢して貰うぞ」


 ノクティアの正体を確かめるのは二の次。治療が本分の神官達の手が空いたらやってくると言う。


「はいはい。神官様はお忙しいですもんね」


 ティーナはそれをチャンスと捉えた。


「ノクティア……、まだ猶予はありそうだ。必ずどこかで逃げるタイミングが来るはず。意識をしっかり保つんだよ」

「ん……」


 もう、気絶していないのがおかしいくらい消耗して見えるノクティアは


「ちょ、ノクティア!?」


 ふらふらと怪我人の方へ歩いていった。門番も慌ててノクティアと怪我人の間に割り込むと


「何をするつもりだ!?」


 槍を構え威嚇する。


「何って……すぐに治療しないと、その人死んじゃいますよ」


 脂汗を流しながらも、ノクティアは重症の兵士を治療すると言う。確かに、誰が見ても怪我した兵士は迅速な処置が必要だ。腹部からの出血が止まらない。城に運んでから神官に見せる頃には息絶えていてもおかしくなかった。


「治療……出来るのか?」


 兵士は信じられないと驚きながらも、ノクティアを制止しようとはしなくなった。


「たく、あんた自身治療が必要だってのに。お人よし過ぎるんだから……!」


 ティーナは怪我人の元へ歩くノクティアに肩を貸してあげる。


「ここの血だけでも止められれば……神官さんに見て貰うまで、延命出来るはずだよ……」


 半信半疑の兵士が見守る中。ノクティアは患部へ手を伸ばし、魔力を流し込んだ血を止めてみせた。


「なんということだ……!一瞬で血が止まった」


 門番は驚嘆して。


「……すまないが、あっちで寝かせている怪我人もお願い出来ないだろうか……!」


 目の前で見た神の如き力。刻一刻と死に近づく仲間の命、田中からの言いつけを守りつつも頼ってしまうのは仕方の無いことだった。


「……もちろんです!重症の人から……案内してください」


 兵士の申し出を、ノクティアは当然のように受け入れる。


「本当に、ノクティアときたら。逃げなきゃいけないって、わかってるんだろうね……!」


 呆れながらも。ティーナはノクティアへ寄り添い、間違っても自分だけ逃げ出すような真似はしなかった。


「こっちにも重傷者がいる!」

「待て、順番に……!」


 ノクティアによる応急処置を目にした兵士や担架持ちが一気に集まり、門前はたちまち騒然となる。誰もが助かる見込みのある命へ縋りつき、門番でさえ持ち場を離れて負傷兵の誘導に追われ始めた。


「こっちにも重傷者だ!急いでくれ!」


 呼ばれるまま数歩進んだところで、ティーナが小声で囁く。


「今だよノクティア。左の搬入口、見えるかい。あそこは裏通りへの抜け道になってる」


 ノクティアは苦痛に顔を歪めながらも、僅かに頷いた。


「次の重症者を診るから、道を開けて!!」


 ティーナがそう怒鳴ると、周囲の兵士達は慌てて二人の前を空ける。そのまま二人は担架隊の陰に紛れ、王城正門脇の搬入路へと滑り込んだ。

 ノクティアの足元は今にももつれそうで、ティーナが支えなければその場に崩れ落ちていただろう。


 

 

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