いじめ下剋上
三月の早生まれという事もあり。身体が小さかった。
体が小さかったのには、他にも原因がある。父親は酷く気の弱い男だった。そのくせ、酒を飲むと母親に手を上げた。よくある酒癖の悪い男だった。
母親は、常に、おびえていた。そのおびえが、子供にも伝染していた。
おびえる子供は、食も細く、体は大きくならなかった。
それが私だ。
小学生では、学校の虐めの対象になった。誰も助けてはくれなかった。きっと、虐められて当然と思われていたのだろう。
それで、木村くんという人に、良く虐められた。もっとも、学年の半分は木村くんという苗字だったが。
今、思えば、虐めなどする奴は、そいつ自身もヒエラルキーの下にいて、頭も悪いし、自分よりも弱い奴を見つけて、うれしくて仕方なかったのだろう。こちらは、口はぼったいことだが、一番頭の良い子だったし。
さて、私は虐められていた。
休み時間で、生徒は皆、校庭で遊んでいる。一人で本を読んでいると、奴らが、やって来て、机をぐいぐい押された。
後ろの机と挟まれる様になる。ハンバーグという、虐めだった。
しかし、その時の私は、この瞬間を待っていた。ぐいぐい押して来る相手の頭が下がって来るところに、自分の頭を用意しておいた。
さらに、頭が下がったところを、頭で突き上げてやった。
奴が、鼻血を出す。
そして、泣き出した。
虐め下剋上、完成。腕力や、取っ組み合いで、体の小さい者が勝てるはずもない。
しかし、接近したところを、頭で相手の鼻を狙えば、鼻血ぐらい簡単に出る。
そして、虐めて来る奴を泣かしてやったという結果が残るのだ。




