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第8話『目覚めた悪魔!なぜお前が生きている!?』

さて、武田死亡《たけだしぼう》から2年後《ねんご》――。


神帝国建国後《しんていこくけんこくご》、政治《せいじ》はイディオットに任《まか》せっきりにしていたアナスタシアですが…。


最近《さいきん》イディオットとの間《あいだ》に娘《むすめ》が誕生《たんじょう》しました。


人《ひと》を人《ひと》と思《おも》わない彼女《かのじょ》も、どうやらイディオットにある程度《ていど》は情《じょう》を持《も》ったようです。


あと自分《じぶん》の魔法《まほう》が通《つう》じないことをもし知《し》られても、優《やさ》しいイディオットなら妻《つま》であり母《はは》は殺《ころ》せまいという判断《はんだん》です。

というか殺《ころ》す理由《りゆう》もないし。


そんなことも知《し》らず娘《むすめ》のおむつを替《か》えているイディオット。


――さて、政治《せいじ》をしたことがないイディオットですが、彼《かれ》は意外《いがい》と善政《ぜんせい》を敷《し》いていました。


知識《ちしき》がある小市民《しょうしみん》であった彼《かれ》は洗脳《せんのう》された官僚《かんりょう》たちの力《ちから》を借《か》り


『こうしてくれればいいのに』


『こうだったらどうだろう』


という政策《せいさく》を相談《そうだん》しながら打《う》ち出《だ》し、国民《こくみん》からはそれなりに好評《こうひょう》でした。


予算《よさん》の都合《つごう》もありますが、そのなかでやりくりしています。


「お金《かね》だったら魔法《まほう》でいくらでも出《だ》せるわよ」


というアナスタシアですが…。


「インフレするから駄目《だめ》です」


とやんわりとイディオットは断《ことわ》ります。

2年《ねん》経《た》って父《ちち》となったせいか、すこしはアナスタシアにも物申《ものもう》せるようにはなりました。

もっとも敬語《けいご》は抜《ぬ》けませんが。


「じゃあ金持《かねも》ちから奪《うば》いましょう」


「そ、それもダメです」


「ふーん。めんどくさいのね」


――さてそんなある日《ひ》…部下《ぶか》の兵士《へいし》が山賊《さんぞく》が現《あらわ》れたことを報告《ほうこく》に来《き》ます。


「わかりました。では兵《へい》を…」


「私《わたし》が行《い》くわ。最近《さいきん》刺激《しげき》が足《た》りないし」


「だ、駄目《だめ》ですよ!神皇帝《しんこうてい》自《みずか》らがそんな!」


「なんで?私《わたし》無敵《むてき》じゃない。私《わたし》が行《い》くのが一番《いちばん》話《はなし》が早《はや》いわ」


「…まあ…確《たし》かにそうですね」


そんなこんなで久々《ひさびさ》に暴《あば》れられる機会《きかい》があったアナスタシアは喜《よろこ》びます。


そしてイディオットと1歳《さい》の娘《むすめ》を連《つ》れ、報告《ほうこく》のあった山《やま》に山賊退治《さんぞくたいじ》にいきました。


――さて場面《ばめん》代《か》わり、帝国《ていこく》の地下《ちか》にこっそりと潜《ひそ》む荒《あら》くれ者《もの》ども。


アナスタシアの統治《とうち》によって、彼《かれ》らは窮屈《きゅうくつ》に過《す》ごしていました。


力《ちから》こそすべての世《よ》の中《なか》になると思《おも》っていたのですが…。


予想外《よそうがい》にもイディオットが善政《ぜんせい》を敷《し》き、彼《かれ》らは地下道《ちかどう》に追《お》いやられてしまいました。。


頭《あたま》も性格《せいかく》も見《み》た目《め》も悪《わる》い彼《かれ》らの生《い》きる場《ば》はこの世界《せかい》になくなってしまったのです。


その中心《ちゅうしん》…。


なんと死《し》んだはずの武田《たけだ》がサイボーグ化《か》して喋《しゃべ》っています。


「いいか?俺《おれ》たちがこんな日陰暮《ひかげぐ》らしをしなければいけないのも、全部《ぜんぶ》イディオットってやつのせいなんだ!」


武田《たけだ》の半身《はんしん》は機械《きかい》でできていました。なぜこの世界《せかい》にそんな文明《ぶんめい》が…?


――――――――――――――――

担当《たんとう》から作家《さっか》あてのメッセージ:

「言《い》わば第二部《だいにぶ》ですね。


育児《いくじ》に政治《せいじ》と洗脳《せんのう》、愛《あい》と打算《ださん》、そして山賊《さんぞく》にサイボーグと先生《せんせい》らしさが良《よ》くも悪《わる》くも全部《ぜんぶ》出《で》ている気《き》がします。

一《ひと》つの鍋《なべ》で煮《に》るにはちょっと素材《そざい》が多《おお》すぎる気《き》がしますが。


また、アナスタシアとイディオットの掛《か》け合《あ》いも第一部《だいいちぶ》より身近《みぢか》に感《かん》じて微笑《ほほえ》ましいところです。

内容《ないよう》はこの作品《さくひん》らしい強烈《きょうれつ》さですね。


あと武田《たけだ》が完全《かんぜん》に先生《せんせい》のオモチャになっていて微笑《ほほえ》ましいですね」

――――――――――――――――


さて、山賊狩《さんぞくが》りに山《やま》へ来《き》たアナスタシア、相手《あいて》を見《み》て驚《おどろ》きます。


透《す》き通《とお》ったきれいな肌《はだ》、かつては麗《うるわ》しかったであろう見《み》た目《め》、己《おのれ》を恨《うら》むように見《み》つめる眼《め》…。


「あれ?これ、昔《むかし》の私《わたし》の国《くに》の末裔《まつえい》じゃない。国《くに》の名前《なまえ》忘《わす》れたけど。うーん、ゴミがゴミらしく、みっともなく生《い》き延《の》びていたのね」


「おのれバケモノめ!また我々《われわれ》から命《いのち》を奪《うば》うのか!?」


そう叫《さけ》びながら山賊《さんぞく》の一人《ひとり》がアナスタシアに襲《おそ》い掛《か》かりますが…。


案《あん》の定《じょう》アナスタシアに簡単《かんたん》に吹《ふ》き飛《と》ばされました。


そして始《はじ》まるアナスタシア無双《むそう》。イディオットももう慣《な》れました。


娘《むすめ》はきゃっきゃと喜《よろこ》んでいます。


「うーん、さすがあの母《はは》の娘《むすめ》」


そんな中《なか》、イディオットの足元《あしもと》に吹《ふ》き飛《と》ばされた山賊《さんぞく》が、息《いき》も絶《た》え絶《だ》えに問《と》います。


「さ、さてはお前《まえ》があの災厄《さいやく》の封印《ふういん》を…お前《まえ》はいったい何者《なにもの》なんだ…」


「さあ?僕《ぼく》にも僕《ぼく》のことはちょっと…」


「た、頼《たの》む…お前《まえ》なら止《と》められる…封印《ふういん》を解《と》いた者《もの》にはあの災厄《さいやく》の魔法《まほう》はきかないのだ…お前《まえ》なら、あいつを倒《たお》せる…た、たの、む…」


「そうですか。でもお断《ことわ》りします。僕《ぼく》にとっては大切《たいせつ》な妻《つま》なので」


「ああ…勇者《ゆうしゃ》さえ取《と》り込《こ》まれてしまった。希望《きぼう》は、もう…」


そして山賊《さんぞく》は死《し》にました。


――そこに散々《さんざん》暴《あば》れたアナスタシアが帰《かえ》ってきました。


「あら…知《し》ってしまったのね」


「知《し》りました。でももうあんまり関係《かんけい》ないです」


「あら、ふふふ」


――一方《いっぽう》その頃《ころ》、神帝国《しんていこく》の地下《ちか》…。


武田《たけだ》が荒《あら》くれどもを率《ひき》いて決起《けっき》しました。


「野郎《やろう》ども!今《いま》はアナスタシアがいねえらしい!今《いま》だ、国家転覆《こっかてんぷく》を起《お》こすぞ!」


ウィーン、ガシャンガシャンとうるさい武田《たけだ》が先陣《せんじん》に立《た》ち地下《ちか》から街《まち》へでました。


なんとサイボーグ化《か》した父《ちち》『ファック・ザ・ガッデム』もついてきています。


――同時刻《どうじこく》、また別《べつ》の場所《ばしょ》では世界《せかい》の端《はし》の平原《へいげん》を二人《ふたり》の武者《むしゃ》が駆《か》け抜《ぬ》けていきます。


その二人《ふたり》こそ、三国志《さんごくし》の英雄《えいゆう》『関羽《かんう》』と『張飛《ちょうひ》』でした。


「関羽兄者《かんうあにじゃ》、劉備《りゅうび》の兄貴《あにき》はどこに行《い》ったのかな?」


「うむ、探《さが》せども探《さが》せども見《み》つからぬ…無事《ぶじ》でいてくれればよいが」

――――――――――――――――

担当《たんとう》から作家《さっか》あてのメッセージ:

「出《で》ましたね関羽《かんう》と張飛《ちょうひ》。出《だ》さなくても良《よ》かったと思《おも》いますが。

まああと少《すこ》しなのでおまかせします。


山賊《さんぞく》の最期《さいご》は少《すこ》し後味《あとあじ》が悪《わる》いと思《おも》いますが、この漫画《まんが》を読《よ》んでいる奇特《きとく》な読者《どくしゃ》ならあまり気《き》にしないかもしれません。

やりたいようにやってください。


ガッデム一族《いちぞく》もまた出《で》てきましたね。これは面白《おもしろ》いと思《おも》います。

第一部《だいいちぶ》であっさり消滅《しょうめつ》したぶん、少《すこ》し面目躍如《めんもくやくじょ》を期待《きたい》したいところです。

でもガッデム一族《いちぞく》なので無理《むり》かもしれません。


あと、アナスタシアとイディオット、そして娘《むすめ》の一家団欒《いっかだんらん》と会話《かいわ》は良《よ》かったです。

虐殺《ぎゃくさつ》の現場《げんば》ということを除《のぞ》けば、ですが」

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