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第13話『災厄の研究者、ついに堕つ!そして…戦場の神!』

さあ、フールザガッデムの自爆特攻《じばくとっこう》により大破《たいは》した研究所《けんきゅうじょ》。

そこから、ミスター・ヘイトが命《いのち》からがら逃《に》げだします。


何《なに》があったのか彼《かれ》にはわかりません。

なんとか先祖代々(せんぞだいだい)の研究資料《けんきゅうしりょう》だけはもって逃《に》げ出《だ》しましたが…。


瀕死《ひんし》の体《からだ》で逃《に》げ出《だ》した先《さき》にいるのは…。


なんと、先祖《せんぞ》からの宿敵《しゅくてき》アナスタシア(と脇《わき》にいる夫《おっと》と娘《むすめ》)。


――もはや万事休《ばんじきゅう》す。


しかし、ここで死《し》んでなるものか!と彼《かれ》はなりふり構《かま》わずアナスタシアに土下座《どげざ》します。


「アナスタシア様《さま》!これは何《なに》かの間違《まちが》いです!私《わたし》は貴方様《あなたさま》に逆《さか》らうつもりなど毛頭《もうとう》ありません!この事態《じたい》はあの武田《たけだ》なる者《もの》が我《わ》が研究《けんきゅう》を奪《うば》い勝手《かって》に…」


と必死《ひっし》に謝《あやま》り続《つづ》けています。


(武田《たけだ》が悪《わる》いのは確《たし》かだろうけど、よくもまあここまでへりくだれるものだな…)


イディオットはそう感心《かんしん》してしまいます。

小市民《しょうしみん》だった昔《むかし》の自分《じぶん》でも、ここまでではありませんでした。


しかし、アナスタシアは何事《なにごと》か呪文《じゅもん》を唱《とな》え始(はじ)めました。


すると、光《ひかり》の渦《うず》がヘイトを包《つつ》みます。


そして、その光《ひかり》はゆっくりイディオットに流《なが》れていきました。


「ん?なんですかこれ」


「いいから、ふふふ」


と笑《わら》うアナスタシア。


すると…。


イディオットの頭《あたま》の中《なか》に、人間機械化《にんげんきかいか》の設計図《せっけいず》が浮《う》かんできます。


驚《おどろ》くイディオット。

どうやらこの魔法《まほう》はヘイトの先祖代々(せんぞだいだい)の研究記録《けんきゅうきろく》を他人《たにん》に移植《いしょく》できるようです。


「なんでもありですね」


「いまさらでしょ?」


きゃっきゃと喜《よろこ》ぶ娘《むすめ》。


ともかく、これがあれば復興作業《ふっこうさぎょう》もはかどります。


罪人《ざいにん》やアナスタシアに逆《さか》らったものを機械化《きかいか》し意思《いし》を消失《しょうしつ》。

作業《さぎょう》にのみ従事《じゅうじ》させる意思《いし》を持《も》たないロボットにできるのです。


かなり倫理《りんり》に反《はん》するなと思《おも》ったイディオットですが…。

それもまあこの世界《せかい》では綺麗《きれい》ごとです。


それに、自分《じぶん》は妻《つま》と娘《むすめ》を護《まも》るため地獄《じごく》まで堕《お》ちようととっくに決心《けっしん》しています。


その内心《ないしん》を知《し》ったように笑《わら》うアナスタシア。


さて…観《み》るとヘイトは小《ちい》さな芋虫《いもむし》になってしまいました。


「ふふふ、あなたは蝶《ちょう》にもなれない人《ひと》の意思《いし》を持《も》った芋虫《いもむし》として一生《いっしょう》を生《い》きなさい。せいぜい食《く》われずに生《い》き延《の》びることね。まあ、生《い》きても死《し》んでも地獄《じごく》でしょうけど」


と高笑《たかわら》いするアナスタシア。


この人《ひと》にだけは絶対《ぜったい》に逆《さか》らってはいけないとイディオットは改《あらた》めて認識《にんしき》しました。


まあ自分《じぶん》にこの手《て》の魔法《まほう》はきかないらしいのですが…。


――――――――――


一方《いっぽう》、さすがの関羽《かんう》張飛《ちょうひ》も2万体《まんたい》のバーサーカーマシーン相手《あいて》では大変《たいへん》です。


一体一体《いったいいったい》は相手《あいて》ではありませんが、倒《たお》しても倒《たお》してもキリがありません。


「ちくしょう!いったい何匹《なんびき》いやがるんだ!」


という張飛《ちょうひ》ですが…。


「我《われ》ら生《う》まれた時《とき》は違《ちが》えど死《し》す時《とき》は同《おな》じ時《とき》を願《ねが》わん!張飛《ちょうひ》!兄者《あにじゃ》を見《み》つけるまで決《けっ》してくじけるでないぞ!」


と青龍偃月刀《せいりゅうえんげつとう》を薙《な》ぎ払《はら》うと、一気《いっき》に500体《たい》ほどが吹《ふ》き飛《と》ばされました。


「へへっ、ちょっとした愚痴《ぐち》だぜ!この張飛様《ちょうひさま》がこんなやつらに負《ま》けるかってんだ!」


と蛇矛《だぼう》を振《ふ》り回《まわ》し、また500体《たい》ほどを一気《いっき》に片付《かたづ》けます。


しかし残《のこ》りはまだまだ多《おお》く!負《ま》けるな関羽《かんう》!負《ま》けるな張飛《ちょうひ》!


――――――――――――――――

担当《たんとう》から作家《さっか》あてのメッセージ:

「山賊《さんぞく》だった末裔《まつえい》は憎《にく》しみむき出《だ》しで先祖代々(せんぞだいだい)の宿敵《しゅくてき》に襲《おそ》い掛《か》かり惨殺《ざんさつ》されたのに、ミスター・ヘイトは必死《ひっし》の命乞《いのちご》いというのが彼《かれ》の執念《しゅうねん》を表《あらわ》していますね。


もっとも、その末路《まつろ》はかなり悲惨《ひさん》なものですが…ここは普通《ふつう》に怖《こわ》いです。


また、イディオットの悲壮《ひそう》な覚悟《かくご》も伝《つた》わってきます。


なぜかこの話《はなし》だけ妙《みょう》に重《おも》い気《き》がしますが…。

そこを吹《ふ》き飛《と》ばす関羽《かんう》張飛《ちょうひ》の無双《むそう》ぶりがアクセントになっています。


良《よ》いか悪《わる》いかはわかりませんが、あと2話《わ》、先生《せんせい》のやりたいように突《つ》っ走《ぱし》ってください。

ここまでくると、なんだか私《わたし》も結末《けつまつ》が気《き》になってきました」

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