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▼受胎告知
魔法が跋扈するこの世界で、精霊が崇め奉られる存在なら、『魔女』はその対極にある。
曰く、数千年前に『人間』のまま魔術の生け贄として捧げられた生娘が、その大き過ぎる呪いを身のうちに吸いきって生まれたのが『魔女』の始まりとされている。
彼女たちは一定の魔力を貯めると、生殖なしに身に子を宿し、綿々と子孫を紡いできたものとされているが、現代においてその子孫は殆ど確認されておらず、
子供に引き継がれる呪いのせいか、我が子を愛すことが出来ない性質でその遺伝子は殆ど消えかけたものと言われている。
その魔女が、リオ・ディオンであるというのだ。
魔女の特徴は、その溢れる魔力量を誇るような黒に近い程の赤い髪と眼、そして美貌だ。
傾城を謳われる彼女たちだが、一度人間の男性と交われば、燃えるように命が尽きてしまう。
「そんな、魔女は人間の子供を身篭れない筈…エイベル様は?」
「それが契約だよ、アリシアちゃん。」
苦しむような目で肖像画を眺めながらミッチェルが言葉を紡ぐ。
「リオは、俺と契約して、エイベルを産んだんだよ。」




