▼※ホラーは書けませんのでご安心ください。
かたん、と軽快な音を立てて屋敷の1番角部屋にある小さなテラスに降り立った。
「こんにちは。」
挨拶をすると引っ込んでいた白い手がニュっと出てきてまた、手招きをする。
「お邪魔しますね。」
暗幕のような遮光カーテンを潜り部屋に入ると、間接照明が焚かれていて予想より明るかった。真っ暗だったらどうしようと思っていたので。
「あなたは誰ですか?」
「あなたはだれですか?」
???
身長は私より低いから、アレクシスと同い年かもう一学年くらい下なのかもしれない。
声は多分おとこのこ。
「どうしてそんなこと聞くの?」
「どうしてそんなこときくの?」
なるほど。わかった。そういうことか。
「私はアリシア・ローランです。」
「ぼくは、ミッチェル・ディオンです。」
「ミッチェルに呼ばれたから来たよ。」
「おにいさまの、こんやくしゃさんに、あいたくて、よんだの」
にこーっとディオン家のお家芸のような、柔らかな笑みを浮かべたミッチェルに、出来る限りの笑顔を返すが、間接照明で届いている気がしない。私にオーラは無いのだ。
「ミッチェルが聞きたいこと聞いていいよ。」
うんうんと悩みながらチラチラとこちらを伺い伺い、彼は絞り出すように聞いた。
「おにいさまを、ころしにきたんだね」
予想はしていたがストレートな発言すぎて少し苦笑いが漏れてしまう。
「ミッチェルは、おにいさまを、ころしたいの。」
ドキンとする。
そういえば、エイベル様からこの2年、ミッチェルの存在を聞いたことがない。
「アリシア、ミッチェルとおにいさま、ころそう。」




