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▼好奇心は猫を殺す
「……。」
参った。
婚約者の元へお見舞いに来て、あっという間に追い返されてしまった。まぁ、毒をもったと思われているようなので仕方が無いし、8歳児にアナフィラキシーショックのなるたるかの講演はできないから黙るしかない。
一瞬しか会えなかったが、伝えないといけないことは伝えたし、牛乳にしろ卵にしろアーモンドにしろ何かしらのアレルギーを持っているのなら、原因らしきものを食さねばいいのだ。
好き過ぎて摂りすぎてアレルギーを発症してしまう悲しい事例も少なくないから、エイベル様もそのパターンかもしれない。
それにしても、8歳児が毒を盛るという発想がナチュラルに受け入れられるこの世界は修羅ですか。
こわやこわや、くわばらくわばら、と呟いていると目の前をチカッチカッと光が眩しく光った。
「な、に?」
光が飛んできた方へ首を回すと、ディオン家のまどが1部空いている。
そこから透き通るように白い手がニュっと伸びて、手招きをしている。
時計を確認すると、ローラン家の前に停めた馬車を降りてからものの数分しか経っていない。こんなに早く帰れば、逆に心配されてしまうだろうし、なにより好奇心に負けた。
猫をも殺すのだ、なにがあるかわからないが、出てきた屋敷の敷地に向かって歩き出した。




