↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
4/33

粘菌・覚醒・絶望

通報を受けて養豚場に駆けつけたのは、ジョージの古い友人でもある地元の保安官、ビル・マクレーンだった。

「おいおい、ジョージ……悪ふざけにしては悪趣味すぎるぞ」

ビルは射殺され、動かなくなったはずの「豚男」の死体を前に、顔をしかめていた。

人間の背中に豚の下半身が歪に癒着した死体からは、すでに血ではなく、腐ったキノコのような異臭を放つ黄色い粘液がじわじわと溢れ出し、地面の赤土を汚している。

「悪ふざけなもんか、ビル! そいつは後ろ向きに走って俺たちを殺そうとしたんだ!」

地質学者のアーサーが必死に訴えるが、ビル保安官は首を振る。

「とにかく、これは本署の鑑識に回す。お前たちは大人しく――」

その時だった。

ピキ、ピキピキ、と不気味な音が静寂を破った。

死体の傷口から、恐ろしい速度で「黄色いキノコの菌糸」が植物の根のように狂い咲き、ビルの足元へと伸びた。

「う、うわああああっ!?」

ビルの悲鳴が響く。死体だったはずの豚男の目がカッと見開かれ、関節をあり得ない方向へバキバキと折り曲げながら立ち上がった。いや、立ち上がったのではない。肉体が「裏返る」ように反転し、今度は内臓を剥き出しにした状態で、ビル保安官に飛びかかったのだ。

「ビル!!」

ジョージが叫ぶのと同時に、ビルの肉体は怪物にへし折られ、瞬時にその粘菌に侵食されていく。銃弾は効かない。物理的な破壊では、密度ゼロのマイナス物質が操る「ウラモドシの怪物」を止めることはできなかった。

「ジョージ、走れ! 街へ逃げるんだ!」

アーサーを連れて、ジョージは猛暑のテキサスを全力で走った。背後からは、肉体を乗っ取られ、後ろ向きに超高速で四足歩行するビル保安官のなれの果てが、不気味な咆哮を上げて迫ってきていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。