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第五十五話 天下統一の記念碑を作ると言われたので、全力で断った
ある日。
堺の商人たちが、俺の家を訪ねてきた。
「佐倉様!」
「はい」
「記念碑を作りたいのです!」
俺は固まった。
「……記念碑?」
「はい!」
「誰の?」
「もちろん、佐倉様のです!」
俺は頭を抱えた。
「……やめてください」
商人たちが驚いた。
「なぜです!?」
「恥ずかしいからです」
「ですが、天下商業連合を作った功績を残さなければ!」
俺は首を振った。
「そんなもの、必要ありません」
「しかし……」
俺は少し考えた。
そして言った。
「どうしても何か作りたいなら、学校を作ってください」
「……学校?」
「はい」
「記念碑ではなく?」
「はい」
俺は笑った。
「石に名前を刻むより、人を育てた方が役に立ちます」
商人たちは顔を見合わせた。
そして、一人が頷いた。
「……なるほど」
別の商人も言った。
「では、学校を作りましょう!」
俺は安堵した。
だが数か月後。
堺に、新しい学校が完成した。
その門には、大きな看板があった。
『佐倉新太郎商業学校』
俺は固まった。
「……名前を付けないでくださいよ」
源兵衛が大笑いした。
「はははは!」
俺はため息をついた。
「……まったく」
だが、校舎から聞こえる子供たちの声を聞いていると、不思議と悪い気はしなかった。




