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第四十五話 全国の関所を減らしたら、商人たちが金を使い始めた
関所の通行料が見直され始めた。
もちろん、すべての関所がなくなったわけではない。
領主の財政事情も違う。
治安維持の費用も必要だ。
だが、少なくとも、同じ街道で何度も通行料を取られる仕組みは改善されつつあった。
俺は帳簿を見た。
「……輸送費が下がっていますね」
源兵衛が頷いた。
「はい」
「商人の往来は?」
「増えています」
「市場の取引量は?」
「こちらも増えています」
俺は笑った。
「いいですね」
輸送費が下がれば、遠方の商品が届きやすくなる。
商品が増えれば、選択肢が増える。
商売が増えれば、人を雇う店も増える。
そして、収入が増えた人々は、別の商品を買う。
経済が回り始めたのだ。
ある村では、農民が新しい鍬を買った。
別の町では、職人が道具を買い替えた。
さらに別の町では、商人が倉庫を建てた。
俺はそれらの報告を読みながら呟いた。
「……戦争より、ずっと面白いな」
源兵衛が笑った。
「新太郎さんらしいですね」
俺は頷いた。
「商売は、誰かが得をすると、別の誰かにも仕事が生まれることがあります」
「はい」
「その連鎖を増やしたいんです」
そして、俺は次の計画を考え始めた。
全国の教育制度。
読み書き。
算盤。
商業知識。
「……次は、人を育てる番だな」




