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第三十三話 信長が死んだので、米の値段が暴騰した

本能寺の変から数日。

京と堺の市場が混乱し始めた。

「信長が死んだ!」

「明智が天下を取るぞ!」

「いや、羽柴が戻ってくる!」

「戦争になる!」

商人たちは米を買い始めた。

塩。

鉄。

布。

馬。

あらゆる物資の値段が上がった。

源兵衛が青い顔で報告してきた。

「新太郎さん! 米の価格が急騰しています!」

俺は帳簿を確認した。

「……予想どおりですね」

「どうします?」

「備蓄米を出します」

「またですか?」

「はい」

俺は地図を広げた。

「京、堺、近江。三か所から同時に供給します」

「全部売るんですか?」

「いいえ。必要な量だけです」

俺は続けた。

「それと、買い占めを防ぐため、一度に買える量を制限します」

源兵衛が頷いた。

「分かりました!」

数日後。

市場に米が供給され始めた。

「米が来たぞ!」

「値段が落ち着いてきた!」

人々が安堵した。

だが、その裏で。

米を大量に買い占めていた商人たちが、怒り始めていた。

「佐倉め!」

「また邪魔をしおって!」

「今度こそ潰してやる!」

そして一人の男が、堺の商人たちを集めていた。

男の名前は、黒田宗一郎。

この時代では、まだ無名の商人だった。

だが彼には、俺と同じ秘密があった。

前世の記憶。

つまりもう一人の転生者だった。


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