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第二十八話 信長が戦争をやめないので、商売の数字を見せてみた

岐阜城。

信長は相変わらず戦争の準備をしていた。

「新太郎」

「はい」

「わしは次の戦を考えておる」

「そうですか」

「お前は反対か?」

俺は少し考えた。

「商売の立場からは、反対です」

信長は笑った。

「相変わらずだな」

「はい」

「だが、戦わねば天下は取れぬ」

俺は帳簿を開いた。

「殿。こちらをご覧ください」

「何だ?」

「尾張と美濃の商業収入です」

信長は数字を見た。

「……増えておるな」

「はい」

「それがどうした」

「戦争をしていない地域ほど、交易が安定しています」

信長は黙った。

俺は続けた。

「もちろん、平和だから豊かになったのか、豊かだから平和を保てたのか、簡単には判断できません」

「……うむ」

「ですが、戦争には大きな費用がかかります」

俺は別の帳簿を開いた。

「兵糧。武器。馬。人件費。輸送費」

信長は数字を見つめた。

「……高いな」

「はい」

「だが、勝てば領地が増える」

「その通りです」

俺は頷いた。

「ただし、領地を維持する費用も増えます」

信長は考え込んだ。

俺は最後に言った。

「殿が天下を取るために戦うなら、私は天下を豊かにするために商売を続けます」

信長はしばらく黙っていた。

そして笑った。

「……よかろう」

「ありがとうございます」

「ただし、新太郎」

「はい」

「お前の天下が、わしの天下より先に完成したら……」

信長は笑みを浮かべた。

「その時は、わしにも見せてみよ」

俺は頷いた。

「もちろんです」

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