第二十六話 全国の物流をつないだら、戦争が商売の邪魔になり始めた
数年後。
俺の商会は、全国各地に取引先を持つようになっていた。
尾張。
美濃。
近江。
京。
堺。
甲斐。
越後。
駿河。
伊勢。
各地の商人が、共通の帳簿と決済の仕組みを使っていた。
もちろん、すべての地域を自由に行き来できるわけではない。
戦争。
関所。
領主の命令。
さまざまな障害がある。
だが、商人たちは少しずつ気づき始めていた。
「戦争が始まると、荷物が届かない」
「取引先が困る」
「売上が減る」
「借金の返済も遅れる」
つまり。
戦争が、商売の邪魔になり始めたのだ。
ある日。
複数の商人が俺のところへ来た。
「新太郎さん」
「はい」
「戦争を止められませんか?」
俺は驚いた。
「……私が?」
「あなたなら、大名たちと話ができます」
「そうですが……」
「このままでは、商売ができません」
俺は考えた。
商人たちが、自分たちの利益のために戦争を止めようとしている。
これは、大きな変化だった。
俺は頷いた。
「分かりました」
そして、各地の商人へ書状を送った。
『戦争によって交易が止まる地域について、共同で対応を協議したい』
数週間後。
堺に、多くの商人が集まった。
俺は彼らに言った。
「商人が協力すれば、戦争を減らせるかもしれません」
一人が尋ねた。
「どうやって?」
俺は答えた。
「戦争を始めると、商売ができなくなる。その損失を、大名たちに理解してもらうのです」
商人たちは頷いた。
そして、全国の交易を守るための組織が生まれた。
名前は天下商業連合。




