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第二十話 戦国大名たちが、俺の商会を奪い合い始めた

ある日。

三通の書状が届いた。

一通目。

織田信長。

『尾張に本拠を置け』

二通目。

武田信玄。

『甲斐に商会の支店を増やせ』

三通目。

上杉謙信。

『越後での交易をさらに広げよ』

俺は書状を並べた。

「……困ったな」

源兵衛が笑った。

「大人気ですね」

「笑い事じゃありません」

一つの国に肩入れすれば、他の国から警戒される。

だが、全員の要求を断れば、商売ができなくなる。

俺は考えた。

そして、一つの答えを出した。

「……商会を分けましょう」

「分ける?」

「はい」

俺は地図を広げた。

「尾張には尾張の商会。甲斐には甲斐の商会。越後には越後の商会を作ります」

「別々にするんですか?」

「経営は現地の商人に任せます」

「では、新太郎さんは?」

「全体の仕組みを管理します」

源兵衛が首を傾げた。

「……どういうことです?」

俺は笑った。

「商会そのものを、一つの国に置かないんです」

各地の商人が、それぞれの地域で商売をする。

帳簿の形式。

輸送の記録。

信用の基準。

決済の仕組み。

それらを共通化する。

どこか一つの店が閉じても、他の店は動く。

「……これなら、誰か一人に奪われても終わりません」

源兵衛が目を丸くした。

「新太郎さん……」

「はい?」

「それって、全国に商会を作るってことですよね?」

「そうです」

「……とんでもないことを考えますね」

俺は笑った。

「天下統一の準備です」

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