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第十五話 暗殺者が来たので、給料を聞いてみた

夜。

俺は帳簿を整理していた。

すると、窓の外で物音がした。

「……誰です?」

返事はない。

次の瞬間。

黒い影が部屋に飛び込んできた。

刀を持った男だった。

「佐倉新太郎だな」

「はい」

「悪く思うな」

男が刀を構えた。

俺は両手を上げた。

「ちょっと待ってください」

「何だ?」

「あなた、いくらで雇われました?」

男が止まった。

「……何?」

「報酬です」

「なぜ聞く?」

「商人なので」

男は呆れた顔をした。

「命を狙われている時に、商売の話か?」

「はい」

俺は続けた。

「その仕事、危険ですよね?」

「……当然だ」

「失敗したら?」

「報酬はない」

「怪我をしたら?」

「自分で何とかする」

「家族は?」

男が黙った。

俺は言った。

「では、私の商会で働きませんか?」

「……何?」

「荷物の護衛です」

男は目を丸くした。

「護衛?」

「はい。街道には盗賊がいます。荷物を守る人間が必要です」

「……俺に?」

「腕は立ちそうですし」

男は刀を下ろしかけた。

「給料は?」

俺は金額を示した。

男が驚いた。

「……そんなに?」

「仕事が安定すれば、毎月払えます」

「……本当に?」

「ただし、人を殺す仕事はありません」

長い沈黙。

そして。

男は刀を鞘に納めた。

「……話を聞こう」

こうして、俺の商会に最初の護衛が加わった。

名前は、弥七。

元は浪人だった。

後に彼は、商会の警備責任者になる。

だが、この時の俺は、まだ知らなかった。

弥七を雇ったことで、商会の内部に潜む裏切り者の存在が明らかになることを。

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